先週末は実に酷い目にあって、「歴史的瞬間」をテレビでリアルタイムに味わうことすらままならなかったのだが*1、今日は仕事に追われながら、途中であきらめて飯を食いながら、の”ながら”対応とはいえ、最初から最後まで雰囲気を味わうことができた。
結果は、改めてご紹介するまでもなく38‐19とダブルスコアの「完勝」。
そして、最後の最後で単なる「5点」以上に貴重な「4つ目のトライ」までもぎ取る、という、ミッションコンプリートな勝ち方で、どんなに辛口の評論家でもこの勝利に文句を付けることはできまい・・・という感じの満点回答。
もちろん、最初から最後まで完璧な試合運びだったか、と言えばむしろ逆で、前半は早めにPGを選択して先手を奪う、という堅実な試合運びでリードを保っていたものの、後がないサモアに体を張られて今一つ攻め手がないように見えたし、相手選手の反則一時退場の間に、数的優位を生かして1トライでリードを広げ、後半に入ってからも姫野選手の力業で突き放したものの、その後は逆に圧力に押されて1トライ1ゴール差まで迫られる、という煮え切らない展開を続けていた。
今大会の日本代表は、前線にガタイの良い外国出身選手たちが揃っていて、しかも彼らがこぞって体を張って守っているものだから、簡単にディフェンスを破られて大量失点する心配は少ないし、その分、リードしていれば比較的安心して見ていられる、というところはあるのだけど、逆に攻める方に関してはそこまで際立ったパターンがあるわけではない。
今日の試合では「パントキックで状況打開を試みる」という本来の戦術(?)も何度か見られたのだけど、それも決してうまくはまってはいなかった気がする。
だから、交代カードを次々と切っても膠着状況を打開できず、逆に26‐19まで迫られた後半30分過ぎの時点では、「逃げ切りはするだろうけど、相手にボーナス勝ち点1をサービスして混戦を演出する形になるのかなぁ・・・」と内心思っていた。
でも、そこから凡庸な観戦者の想定を軽く超えてくるのが今の日本代表。
最後の7分で一気に攻勢をかけ、まず福岡堅樹選手が右サイドを破って2試合連続のトライゲット。
さらに、ラスト1プレイの笛が吹かれる中、敵陣の奥深くで「あと1トライ!」を願う観衆のボルテージを最大限に高めた上で、最後は松島幸太朗選手が福岡選手を囮に使い、機敏な動きで相手の防衛陣を突破して左サイドにトライ。
今日は比較的涼しかったとはいえ、それでもこの気候だとどんな相手でも最後はバテる。ましてや変則的な日程での戦いが続いている相手チームにしてみればなおさら。
そこで生まれた隙を、驚異の持久力を誇る先発陣と、途中出場で比較的フレッシュだが力量的には先発陣をも上回る田中史朗、福岡堅樹、といった選手たち*2が見事に突けたことが冒頭の「完全勝利」につながったのだろうと思っている。
*1:エントリーは「奇跡感」のない快挙。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~参照。まだ薬を飲みながら騙し騙し、とはいえ、おかげさまでだいぶ体調は回復しました。飲み会に行けるくらいには・・・。
*2:ついでに言えば今日は堀江翔太選手も後半からの出場だった。