今問われているのは、「個人情報保護」を言い訳にしない誠実さ。

一連の”コロナ騒動”が始まってから、「社員/従業員の感染が判明した場合のスタンス」が会社によってあまりに違い過ぎることがずっと気になっていた。

特に3月の終盤から4月にかけて感染者数が激増し、ある程度の規模の首都圏の会社なら、確率的に1人や2人は必ず罹患しているだろう、という状況になった時に、こまめに自社のウェブサイトで情報を発信する会社と、そうでない会社がはっきり分かれるようになってしまったことへの違和感はどうしても拭えなかった。

ようやく状況が落ち着いてきたこともあってか、GW中の日経紙には「従業員感染 公表悩む企業」という見出しでこの問題を取り上げる記事が掲載され、

「従業員が新型コロナウイルスに感染した際の外部公表について、企業が悩んでいる。法的な義務はないが、ネット上で「隠蔽」と批判される例が相次ぐ。一方で従業員のプライバシー侵害の恐れもあり、板挟みだ。行政側の足並みも乱れ、厚生労働省個人情報保護委員会、全国の自治体で見解がバラバラ。混乱に拍車がかかっている。」(日本経済新聞2020年5月6日付朝刊・第5面)

といったリードの下、各社の”悩み”が描かれている。

記事にも書かれているとおり、当然ながら個々の従業員のコロナウイルスへの感染状況を公表することについて、会社が何らかの法的な義務を負うわけではなく、こういった「公表」は、あくまで顧客の過度な不安を解消するための材料提供、あるいは、更なる感染拡大を抑制するための注意喚起として任意に行われるもの、と考えるべきだろう。

一方で、単に「感染した社員がいる」という情報を社外に公表するだけで、プライバシー権の侵害になることを恐れるのも過剰な反応に過ぎる気がする。

そもそも、勤務している部署と陽性が判明した事実を公表しただけで特定個人を識別することは不可能なので実質的な違法性はない、と考えることはできるし、取得した会社の中で氏名その他の情報と結びつけられて「個人データ」化している、という前提に立ったとしても、「番人」である個人情報保護委員会が公表している「新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした個人データの取扱いについて」*1の内容、特に別紙のQ&A*2では、「当初特定した利用目的の範囲を超えていたとしても、取引先での2次感染防止や事業活動の継続のため、また公衆衛生の向上のため必要がある場合」には本人同意不要、という見解まで示されているから(Q2:取引先に第三者提供する場合を想定)、よほどのことがない限り、個人情報保護法23条1項の例外要件に該当すると考えても罰は当たらなだろう。

だから、公表するのも自由、しないのも自由、あとは会社のスタンスで決めればよいのだから悩む必要ないじゃない、という話になっても不思議ではないのだが・・・

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「大恐慌到来」というフィクションに騙されるなかれ。

何が黄金なのかよく分からないまま、「ゴールデンウィーク」が明けた。

おそらく、4月上旬の段階で「今日から元通り」という前提でいろいろ仕込んでいたけど、改めていろいろと調整しないといけなくなった、という人々も多かったのだろう。今日は、先月末と比べると、街に出ている人もはるかに多かったような気がする。

幸いにも政府が中途半端な延長ではなく、「宣言」の期間を月末までガッツリ延ばしてくれたおかげで、「テレワーク体制維持」と割り切って、明日or来週から再び籠城戦に突入する会社も多いだろうし、自分もそれでいいと思っている。

把握される感染者数は減少傾向にあるとはいえ、首都圏では一歩間違えば大クラスタになってしまうリスクはいたるところに存在するし、現時点では、万が一感染した場合にタイムリーな治療を受けられるほどの余裕も各医療機関にはない。

だから、一気に人を動かして収まりかけている火種を再び燃え上がらせるよりは、人の動きを止めた状態で、世の中をちょっとずつ動かしていく方がよほど理にかなっている。

今日は、大規模な飲食チェーン等が続々と休業期間の延長を発表していたが、その一方で、個人経営の小規模飲食店を中心に、日中時間帯の営業に限るとか、テイクアウト主体の営業をメインにする等の変化を付けつつも、店を本格的に再開させる動きも出ているわけで、海外で回復軌道に乗っている一部の国がとっているような施策が自発的に行われていく、というあたりがさすが「空気」を最高権力者に抱くこの国らしいのだけど、すっかり定着したソーシャル・ディスタンスの規範等、新しいスタイルが浸透してきていることとも合わせて考えると、少なくとも街中の風景が「正常化」する時期は、思いの外早く訪れるのではないかな、と感じるところである。


連休中、いや、その前から、様々なメディアが景気の悪いニュースばかり流していて、遂には「大恐慌再来」といった極端な見出しまで飛び交うようになってきた。

「経済に強い」ことを売りにしているSNSメディア上ですら、エキセントリックな叫び声を目にすることが多い。

だが、この1週間、すっかり習慣になってしまったZoom飲み会等々で、実際に現場でビジネスに携わっている人々と話をする中でまとまったのは、そういった類の風説は「悪意ある煽り」でしかない、ということ。

・確かに、目に見えるところで、飲食店が休業しているとか、陸海空で旅客輸送が悲惨な落ち込みを見せている、旅行・観光業や催事系の業界は壊滅的な打撃を受けている、という状況はあるが、そういった産業分野が、これまで日本の産業の世界で「主役」になったことなど一度もなかった。


・「主役」といえば、自動車や産業機械系の会社の状況も通期の決算は軒並みひどいことになっているが、そういった業界は「コロナ」以前に米中貿易紛争の影響でダメージを受けていたところも大きく、これをきっかけに一気に膿を出し切って体制をスリム化した上で反転、という可能性は当然あり得る。


・そして、何よりも、この1,2年で天井が見えかけていたドラッグストア業界や、しばらく低空飛行を続けていたスーパー、ホームセンター業界が、ここ数か月で完全に息を吹き返したことのインパクトは大きい。 


・元々、ここしばらく好調だった不動産、建設等の内需産業やインバウンド需要は、今年の五輪前後の時期をピークに一気に谷底に落ちても不思議ではない状況だった。それが一足早く谷が来て、盛り返す契機が1年先に延びたことで、かえって国内景気の”寿命”は長くなるんじゃないか。                    等々

今後の先行きへの見方は、人それぞれ、バックグラウンドによってもまちまちで、早ければ夏からV字回復、という人もいれば、反転するのは年末くらいだろうね、という人もいるのだが、共通していたのは、”瞬間風速”以上に深い谷に落ちることはないし、来年の今頃は間違いなく2桁以上の超絶回復を遂げている、という見立て。

そして、今世界中でヘリコプターからバラまかれているマネーがこの先どこに向かうのか、という話題も当然出てくる*1

類は友を・・・で、基本的に自分の周囲は逆張りで生きているひねくれ者が多いものだから、こういう時も”世間の裏をかく”方向へ話が流れて行ってしまう面があることは否めないのだが、「これまでの歴史上、量産型エコノミストや経済ジャーナリストたちが口を揃えて唱えた予測が的中したことが果たしてあるのか?」ということには、もっと目が向けられてよいような気がする。

本当の不況は、多くの人が予測していない時、油断している時に来る、というのは、「バブル後」や「リーマン・ショック」が典型で、特にリーマン・ショックの時などは、海の向こうの金融市場の話でしょ・・・と思っているうちに、じわじわと世界規模で毒が回って製造業が大打撃を受け、結果的に相当広い範囲にまで影響が及ぶ話になってしまった。

逆に、「この先日本はどうなる?」と思わせた数々の災害の場面等では、多くの会社が身構えた分、思いのほか早く回復軌道に乗った、という歴史もある*2

こと「生活への影響」という点でいえば、全ての国民があまねく影響を受けていると言っても過言ではない今回のコロナ禍だが、「直撃」を受けた業界はほんの一部に過ぎないし、平行して「特需」を享受している業界すらある。そして、多くの業界は、まだ直接、目に見えるような影響は受けていない。

当然、これだけの大きなインパクトのある出来事に遭遇すれば、常識的な経営マインドを持つ者なら、「次に襲ってくるかもしれない波」に備えて、コスト削減か、はたまた機を捉えた攻勢か、いずれにしてもこの場を勝ち抜く戦略に知恵を絞ることになる。それゆえに、致命的な打撃を受けた業界、会社が沈んでいく一方で、戦略を磨き上げた会社の伸びしろの総和でマイナスを埋めて余りある結果となる・・・というストーリーも十分想定できるはずだ*3


幸い、というか何というか、決算発表が本格化しだした今日も、スーパー、ドラッグストアの月次は相変わらず好調だし、不動産、システム開発受託等の業界からも、景気の良い決算発表が続いている。

もちろん、「決算」など過去の数字でしかないし、何といっても目下の敵は予測困難な「疫病」の流行。

この先、鎮圧に手こずって我が国有数の大手発注者が次々と倒れるようなことになれば、受託系の産業はもちろん金融システムにまで毒が回って、様々な分野でドミノ倒しが起きる悪夢も想定外とはいえない。

ただ、繰り返しになるが、どんなに逆風が吹き荒れても、ちゃんと知恵を絞って汗をかいた会社(そして、数パーセントの運を味方につけた会社)は生き残る、というのは、これまでの歴史が証明していることだし、今回のようなレベルの話なら、何ら軌道修正もせずに現状を放置するような愚を犯さない限り、嵐が去った後に「実」を手に入れられる会社は決して少なくないだろう、というのが自分の見立てだったりもする。

あいにく、メディアの煽りによる動揺を微塵も感じさせない株式市場は、まだ「出口戦略」が見えていない日本ですら買い優勢でスタート。今夜のNYダウもかなりのペースで上げているから、いまさら「逆張り」しようにもちょっと手を出しにくい感じになってしまってはいるのだが、悪しき悲観主義が跋扈すればするほどそこにチャンスが生まれる(これは投資の話に限らず・・・である)と信じて、今できることを地道にやっていこう、と、気持ち新たにネジを巻きなおした木曜日の夜なのであった。

*1:これも、やれ不動産だとか、いやいや、やっぱり株式市場だろう、とか、様々な意見はあるのだが、原油価格がどこかのタイミングで急上昇するだろうね、というところでは概ね共通していたような気がする。

*2:もちろん、「直撃」を受けた企業や業界が負った痛手は、そう簡単には回復できなかったという歴史もあるのだけど。

*3:海外に目を移しても、ほとんどダメージを受けずに切り抜けたベトナムや、的確に危機をコントロールしたシンガポール、台湾といった国・地域が主導した回復シナリオは十分想定できる。

装い新たに一段とパワーアップした『プラクティス知的財産法』シリーズ。

目下、暦の上では「ゴールデンウィーク」。

普段あまりカレンダーとは関係ない生活を送っている者にとっても、多少仕事のレスポンスが遅れても文句は言われない(はず)の、自分のためだけに時間を使える週間ゆえ、本来であれば、構想から一年以上温めてしまっている「宿題」をバリバリこなしていないといけないところなのだが、どうもその辺のスイッチがうまく入らないようで、連休の終盤に差し掛かっても一向に筆が進まない。

そんな中、少しでも自分への刺激になれば、ということで拝読したのが、以下の一冊である。

はしがきにある通り、このシリーズの原型は『ロジスティクス知的財産法』であり、本書は2012年に公刊された『ロジスティクス知的財産法Ⅰ 特許法』の実質的な改訂版にあたる。

あの本が出版された時の衝撃は今でも鮮明に覚えていて、当ブログでも以下のようなエントリーでその思いを伝えさせていただいた。

k-houmu-sensi2005.hatenablog.com

当時は、まだ(新)司法試験にも勢い、というか賑わいが辛うじて残っていたこともあってか、「受験対策本」の体裁で世に出されていた本だったのだが、論点をコンパクトにまとめた上で、特許訴訟の主張と抗弁の流れにそって整然と配列した構成は、「実務者向け体系書」としての価値も十分感じさせるものだったし、それゆえ、当時は、これは「受験対策本?自分には関係ないね」というディープな実務者層にこそ勧めないといけないな、という思いで筆をとらせていただいたのだが、あれから8年、新司法試験の位置づけも変わる中で、本書は「想定読者層」を大きく改める形で世に出されている。

「前著は、『ロジスティクス』(=兵站)の名が示すように、司法試験の受験生に試験に必要な情報を効率的に届けることを目的として企画した書籍であった。しかし、いざ公刊してみると、思いの外、特許に携わる弁護士に読者が多いことに気がついた。」
「もっとも、もともとが受験本であるために随所に散りばめられている試験対策用の叙述が(当然のことながら)すでに合格している実務家から前著を遠ざける要因となっていたことは疑いもなく、そうした事態は、著者にとって刊行後に気づかされた前著の潜在的な能力に鑑みるともったいないことのように思われた。」
「そのような次第で、本書は、改訂に際して、特許に関わる広い意味での法曹の実務家を主たる読者層として想定し、装いも題名も新たに生まれ変わった形で世に出すこととした。」
(以上「はしがき」より)(強調筆者、以下同じ。)

あいにく2012年の「初版」が山の中に埋もれてしまっていることもあり、手元で比較ができない状況ではあるのだが、前作で話題となった「論証ブロック」というフレーズは確かに姿を消した*1

また、「はしがき」で強調されているとおり、「進歩性に関する論点」は充実した記述になっており、「実務ガイド」という見出しとともに記述されている内容も、確かに実務家を意識して書かれた、という印象を与えるものとなっている。

自分は、新司法試験に関しては、問題そのものをほとんど触ったことのない人間だから、受験生にとってどうか、という見地からコメントするのは難しいのだが*2、こと実務者の視点で見てどうか? と問われれば、弁護士に限らず、企業内で特許係争にかかわる全ての実務者が目を通しておくべき一冊である、と、何の疑いもなく言い切ることができる。

特に、それまで出願周りを担当していた方(特許法に関する基本的な知識は持っているが紛争対応の実務はあまり経験したことがない方)とか、法務部門から知財紛争に対応するために送り込まれてきたような方(訴訟での主張立証ルールの基本的な心得はあるが、特許法の世界にほとんど馴染みがない方)にとっては、本書の構成と全体を貫くストーリーの完成度*3の高さが、これから直面する世界の全体像を最初に掴むうえで非常に有益な効果を発揮するのではないかと思うし、既にある程度場数を踏んだ方々にとっても、それまで「経験」の中で学んできたことを整理するための素材としては、実に優れたものと言えるのではないかと思われる*4

また、「はしがき」で強調されている「考える力を涵養する」という前作以来のスタンスは本書でも貫かれており*5、「消尽」が認められる根拠に関する説明(本書66~67頁)*6や、先使用権に関する説明(83~84頁)など、全体としてコンパクトな叙述の中でも「書くべきところはしっかり書かれた」本である、ということも改めて強調する必要はあるだろう。

もちろん、本書における論旨の一貫性は、フィクション事例に向き合う「受験生」の立場(純粋な答案戦略的観点)からは何ら問題ないものである一方、その論旨が自分たちにとって有利にも不利にもなり得る実務者にとってはかえって憂鬱の種になってしまう可能性があることは否定できない*7

その意味で、本書は実務者にとって一つの入り口となる「導入書」ではあるが、ここで思考を止めるべきものではない、ということも当然心得ておく必要はある。

ただ、本書の考え抜かれた構成や、論点の抽出、整理法といったものは、いかなる立場をとるにしても漏れのない普遍的なものだと思うだけに、本気でこの分野を勉強したいと思う方であれば、本書の骨組みと解説のエッセンスを自らノートにでもまとめた上で、それとの比較で他の解説書に目を通して見解を比較してみたり、本書に収められていない新しい裁判例の情報を追加していく、といったことを試みていくのが良いと思うし*8そういった使い方をするには最善の書だ、ということは、繰り返し何度でも申し上げておくことにしたい。

*1:ただし、前作における「論証ブロック」は、小手先の受験テクニックとは真逆の「一貫した論理」を示すためのツールだった、というのは当時のエントリーにも記したとおりである。

*2:Amazonのレビューなどを見ると、「受験対策本」としての性格が薄れたことを惜しむ声も上がっているようである。もっとも、これだけ各章で要件事実がしっかり書かれていて、構成も事例に応じた主張・抗弁を意識しやすい、しかも答案を書く上でもっとも重要な「論旨の一貫性」も確保されている、となれば、試験対策本としても普通は文句なしの存在と言えるのではないだろうか。前作で取り入れられていた「試験で書きやすそうな」パターン的記述が今回は影を潜めていることが不満の背景にあるのかもしれないが、試験において参照すべきは、参考書が示す「考え方」であって「記述」そのものではない(「記述」を丸覚えするような勉強法はそもそも不効率の極みである)のだから、エッセンスが維持されている限り、何ら問題はなかろう、と思うところである。

*3:要するに、各記述を貫くロジックが一貫しており、論旨があっちに行ったりこっちに行ったり、ということがないために各章を整合的に理解できる、ということ。

*4:自分は2012年に前作を手にしたときは、後者の視点で眺めていたのだが、その後、特許訴訟の実務からは少し離れてしまい、知識を十分にブラッシュアップしないまま10年近く時を過ごしてしまったこともあって、今では最近の裁判例を中心に「初心者」の視点で知識をインプットしなければいけないような状況にある。とはいえ、いずれの視点でも十分役に立つ書籍だと思う。

*5:「はしがき」には「斯界の発展を願って」かなり強烈なことも書かれているが、それは買ってのお楽しみ、ということであえて引用しないでおく。

*6:「特許製品が流通に置かれた段階で特許権が目的を達成したために権利が消尽する」という多数説の説明を「循環論法の域を脱していない」とした上で積極的根拠と消極的根拠の両面から丁寧に説明を行っている。

*7:均等や消尽の成否の問題にしても、損害賠償額の算定にしても、少々無理筋でも理屈を立てないといけないケースというのは必ず出てくるものだから・・・。

*8:これは自分自身が駆け出しの知財担当者だった頃に『特許判例ガイド』や『商標法概説』を下敷きにしながら行っていたことでもあるのだが、本書をベースにすればスタート地点を整える手間もより省けただろうな、と思うところである。

コロナが去った後に残るのは自由か、それとも・・・?

そういえば昨日は憲法記念日だったな、ということに今日になってから気付き、昨年暮れに衝動買いしていたことを思い出して読んだのが、以下の一冊だった。

日本憲法学の泰斗、樋口陽一東大名誉教授が書かれたこの一冊は、一般読者向けの新書らしく分かりやすい語り口で書かれているものの、いざ読んでみると、そう簡単に読み解ける代物ではない。

元々テーマの異なる複数の講演の内容を口述調で編集したものだから、一見すると章ごとに大きく話の中身が変わっているように思えるし、テクニカルな用語が定義の説明なく次々と飛び出してくるくだりもある。

元々岩波の新書は、新書といってもある程度の素養・教養のある人向け、ということは承知の上なのだが、それにしても骨っぽいな、というのが一読した印象であり、流し読みしただけでわかったようなことを書くこともできないな、というのが率直な感想である。

ただ、今、世界中で起きていることとの比較で見た時に、「寛容さを欠く」民主主義=「イリベラル・デモクラシー」が伝播していく状況を以下のように喩えているくだりは、感覚的にとてもタイムリーだな、と思った。

「イリベラル・デモクラシーが、いわば『未熟な周辺』どころかまさにリベラル・デモクラシーの本拠地だった所にまで及び、そのウィルスがどこまで広がるか憂慮されるような事態になってきたのです。それは現在よく報道されるポーランドハンガリーから、北欧さらにはECの原初加盟国まで及び、加えてリベラル・デモクラシーの生みの親だったはずのイギリスのEU離脱Brexit)をめぐる混迷も無関係ではなさそうですし、言うまでもなく大西洋を越えてトランプ現象があります。」
イリベラルという『ウィルス』汚染は、そのように『南』から『北』へ、『東』から『西』へと、リベラル・デモクラシーの本丸に向けて拡がってきています。」(以上、強調筆者)
樋口陽一『リベラル・デモクラシーの現在』40頁(2019年)より

本書でも紹介されているように、ここで使われている「ウイルス」は、「イリベラル・デモクラシー」という概念を流通させるきっかけとなったForeign Affairsの論文(Fareed Zakaria, "The Rise of Illiberal Democracy" )から引っ張ってこられた「比喩」に過ぎず*1、また、ここで評されているのは、あくまで本書が刊行された2019年時点の各国の状況(つまりは「コロナ以前」の状況)でしかない。

だが、今や名実ともに本物の「ウイルス」が蔓延している状況の下、米国にしてもフランスにしても、紛れもなく民主主義の基盤の上に乗っかっている国家指導者たちが、相当強力に権力を発動して私権を制限し、しかもそれが一定の範囲では喝采を浴びている、という現象が起きていることは、あえて説明するまでもないだろう*2

本書では、西欧のリベラル・デモクラシーの生成過程に照らした「イリベラル・デモクラシー」の位置づけ(特に「デモクラシー」(民主政体)が拠って立つ基礎のそもそもの揺らぎ)を描いた上で、わが国のあり様に目を移し、大日本帝国憲法下においてすら重視されてきた「個人」が2012年の自民党改憲草案では消されている等々の批判へとつながっていくのであるが、それは今日のエントリーのテーマではないし、本書のエッセンスを拝借して、「この日本でも、コロナだけじゃなく『イリベラル・デモクラシー』のウイルスまでが蔓延している」等々の批判を展開するつもりもない。

むしろ、一連のコロナ禍への対応におけるここまでの日本政府のやり方を客観的に眺めれば、他の先進国との比較でも、「既存の憲法秩序の枠内で、個人の権利を極力制限しない方向で」というソフトさが際立っていたと言えるし、今のところ「これを機に憲法改正を!」という動きも国会議員の間ではさほど盛り上がっていない*3、という点でも「リベラル・デモクラシー」の優等生というべきポジションを確保しているように思える。

こと「感染症対策」という見地からそういった姿勢が有効に機能しているかどうか、と言えば当然疑義もあるだろうし、元々現政権が備えている「政策の軸があるようで存在せず、世論におもねって政権を維持することが自己目的化している」という本来は決して好ましいとはいえない”個性”がいかんなく発揮されていることをもって、称賛するのもあまりよろしいことではないのかもしれないが、結果的に、移動にしても、人が集まることにしても、経済活動でさえも*4一部の感情的な意見に流されずに「自粛」レベルのお願いに留めることで一定の自由な領域が残されている、ということに対しては適切な評価をしてあげないと、中であちらこちらの板挟みにあって汗をかいている人々が気の毒だ。

もちろん、一部の自治体首長のパフォーマンスじみた言動が気になることはあるし、それ以上に、当の国民自体が、右からも左からも「政府のリーダーシップ」に過度の負荷をかけようとしているように見えてしまうのはかなり気になる風潮ではあるのだけど、実際の現場では、それと平行して「自助」「共助」の動きも出ていたりするから、最後は上からのハードな私権制限や私的領域への介入なしに、いろんなものが適切なバランスの中に収まっていくことだろう、と自分は信じている。

*1:ちなみに、この論文はWeb上でも読むことができる。https://msuweb.montclair.edu/~lebelp/FZakariaIlliberalDemocracy1997.pdf 自分は到底読む気力はないが、”in the face of a spreading virus of illiberalism" というフレーズだけは確かに確認した。

*2:ちなみに日経紙は今日の社説で、「世界を覆うナショナリズム大衆迎合主義がコロナ禍で加速し、強権的で排斥的な政治への傾斜を強める指導者が目立つ」とし、「統制の行き過ぎや常態化まで容認することはできない。」といつになく格調高い論陣を張っているが(日本経済新聞2020年5月4日付朝刊第2面)、その見出しが「民主主義の理念や基盤を守りたい」となっている点において、「『リベラル』と『デモクラシー』はあくまでも別次元の話」とする本書のスタンスからはズレている、ということになりそうである。

*3:むしろ、これで現総理の任期中の憲法改正は絶望的、というのが一般的な見方であり、それは今回のコロナ禍で生じた数少ないプラス材料の一つだと言えるのかもしれない。

*4:この点に関しては、「一部の事業者が事実上営業できない状態になっているじゃないか」という突っ込みもあるだろうけど、飲食業一つとっても、営業形態を変えれば問題なく営業を継続できるわけだし、中にはそれまでと変わらず営業を継続している店舗だってあるわけだから、これで「自由がない」などと言ってしまったら、諸外国からは笑われてしまうのがオチである。

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令和初の「春天」、薄氷の連覇の価値はいずこに?

最初の頃は、”当座しのぎ”という感が否めなかった無観客競馬もはや2か月。

「競馬場にもWINSにもお客さんがいない割には健闘してるね」といったトーンで報じられていた馬券の売上も「STAY HOME」の長期化とともにじわじわと伸びていき、4月に入ると、土曜日の売上は3週連続で前年比プラス

課題とされていた日曜日&ビッグレースの売上も、4月19日の皐月賞デーに、阪神、福島が100%超えを達成し、トータルでも95%超となるに至った。

さすがに今週は、前年の3連休発売の反動もあってちょっと伸び悩んだものの、これだけ例年と遜色ない売上が立つようになれば、競馬場やWINSの窓口等でのオペレーションに要する人件費がなくなった分、JRAの手元に残る利益もむしろ大きくなっていても不思議ではないはずで、「コロナ下」のイベントのあり様を考える上では非常に有益な事例を提供してくれているなぁ、と思わずにはいられない*1

そんな中、今週行われたのは春の天皇賞

年2回行われる「天皇賞」の中でも、古来からの伝統と格式を受け継いでいるのは淀の長丁場を駆け抜けるこのレースの方なのだが、昨年はカレンダーのめぐり合わせの関係で、「4月の最終週」、いわゆる「平成最後の」天皇賞として行われたから、「令和」の世になって行われるのは初めて、ということになる*2

3200m、という距離が、「マイルから中距離までの実績で競走馬の価値が決まる」この十年来の世界的な潮流に反することもあって、このレースに見向きもしない古馬の実力馬が増えたのは確かだし、同時期に行われていた海外遠征に行ける馬がほとんどいない、という今の状況の下でもその潮流に変わりはなく、蓋を開けてみたら「14頭立て」という寂しい状況に*3

顔ぶれを見ても、GⅠの主役を張れるのは、連覇を狙うフィエールマンと菊花賞馬(&古馬になっても善戦を続けた)キセキくらいしかいないのに、その一角、キセキは前走の阪神大賞典で思わぬ凡走を見せてしまい、武豊に乗り替わった今回も、半信半疑のファンは多かったはずだったし、一方のフィエールマンは、有馬記念から直行という得意のぶっつけローテ、ドバイ遠征を見送ってこのレースに早々と照準を合わせていたこともうまく作用して人気的には一頭抜けた感じになっていたが、「キャリア6戦目、連対率100%」で優勝を飾った昨年の今頃の前途洋々感は既に失われていた*4

なので、GⅠでは今一歩、ということは分かっていながら阪神大賞典優勝を引っ提げて乗り込んできたユーキャンスマイルに期待を寄せ、さらにここ数年の「必勝ローテーション」を分析した結果、日経賞組を切って阪神大賞典2着のトーセンカンビーナを拾う、という偏った思考に陥ってしまったのも、決して筆者だけではなかったはずである*5

蓋を開けてみたら、観客も入っていないのにスタンド前でかかって暴走し始めたキセキは直線であえなく沈み、ユーキャンスマイルもいつものように最後の伸び脚を欠く中*6、最後の最後まで粘りを見せたのは、なんとなんと日経賞2着のスティッフェリオ。

主役のフィエールマンは、最後の最後でエンジンがかかって、ゴール前ハナの差でやっとこさ交わして「連覇」という結果になったものの、勝ちタイムは過去10年、良馬場の天皇賞(春)では一番遅く、「史上何頭目かの歴史に残る王者誕生!」という感慨よりも、このメンバーでこの勝ち方だと先が思いやられるなぁ・・・という後味の悪さの方が先に来るようなレースとなってしまった。

さらに馬券的にも、上位2頭の後方で、外から伸びてきた日経賞・ミッキースワローが3着に飛び込んでしまったことで万事休す。

過去5年、このレースで馬券に絡んでいなかった日経賞組が2頭も。しかもそのうちの1頭は、中山では強いが西に行くとさっぱりなGⅡ役者、もう1頭は過去のGⅠレースでことごとくペースメーカー役に甘んじていた馬なのだから、データを重んじる者にとってはちょっと手が出ない組み合わせだったような気がする。

*1:もちろん、瞬時にこういう切り替えができたのは「コロナ以前」から「競馬場、WINSに来られないファン層」を意識した施策を地道に打ってきたからこそ、で、誰にでも真似ができることではないのだが。

*2:もちろん、昨年秋に「令和初の天皇賞」自体は行われているのだが、やっぱり”元祖・天皇賞”はこっちだから・・・。

*3:昨年も13頭、その前もフルゲートに満たない年が続いており、18頭揃ったレースは4年前まで遡らないといけない、という状況である。

*4:当時のエントリーは、贅沢な二重奏。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~参照。この時はあの器用さと瞬発力で、凱旋門賞にも・・・と思い描いたものだが、それは儚き夢にすぎなかったようである。

*5:あるいは、「最強の1勝馬」エタリオウに再び夢を託すくらいしか、今年できることはなかったような気がする。

*6:個人的には、浜中騎手が最後の直線で馬場の悪い最内に入れずに、もう少し外側から追ってくれていたら・・・という思いもあったりして、それだけに岩田康誠騎手が負傷で騎乗できなかったことが悔やまれるのだが、それでも勝ち負けに絡むことまでは難しかったような気がする。

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最後は一人ひとりの判断なのだ、という話。

ゴールデンウィーク」という単語より「STAY HOME」という単語の方が飛び交う機会の方が多かった月末を超えて、いよいよカレンダーは5月に改まった。

例年ならこの時期、都内の中心部だと、年末年始と並んで人がいなくなることもあって、ポカポカ陽気の中、穏やかに過ごせることも多かったのだが、今年に関しては到底そんなことは期待できない。

4月の終わりまで続いた冬の名残は去り、天気だけは上々なれど、夕方街に出ると、どこから湧いて来たんだ・・・と言いたくなるくらい、まぁまぁ結構な人波。

ここしばらくは、「さすがに緊急事態宣言下だとこうなるよね」というくらい人とすれ違う機会も少なかったはずなのだが、なぜか今日は、生活必需品を売っているスーパーやコンビニは常に人波が絶えない感じだったし、4月中はシャッターを下ろしていた飲食店が「復活営業」を開始、これまたしばらく閉まっていた学生向けの不動産屋や携帯電話ショップまで開いていて、いよいよ宣言解除を待たずに経済活動再開か?と突っ込みたくなるような変わりようだった。

もちろん「人波」といっても、レジ前で行列がびっしりできるほどではないし、空になっている食料品や酒類の棚が多かったところを見ると、「今日大量に買い出しして明日以降ひたすらこもる」という覚悟で買い出しに来られた方も多かったのだろう。

また、営業している飲食店も、営業時間を短縮した上で極力テイクアウト、といった制約条件の中、地元のために何とかサービスを!という思いで開けてくださっているのだろうから、感謝こそすれ、「自粛を!」と叫ぶような無粋な真似をするつもりは毛頭ない。

むしろ、ここ数日、「緊急事態宣言」の解除タイミングをめぐって、「もっと延ばせ」とか「これ以上延ばすと経済活動が!」とかいった、極めて非生産的な論争が繰り返されていることに辟易していた身としては、上記のような一連の光景がとても新鮮に映ったし、そうだよね、お国や自治体の「宣言」如きで市民の行動が一から十まで拘束されるわけではないんだよね、ということを改めて感じて嬉しい気持ちになった、というのが素朴な感想だったりもする。

今や、「ソーシャル・ディスタンス」は世の中にかなり浸透していて、カフェや小売店のレジ前の行列はもちろんのこと、何も印を打っていない電車の中ですら座っている人は隣を一席ずつ開け、それ以外の人は空いている席に座らず距離を置いて立つ、という美しい秩序が保たれている*1

ついちょっと前までは気になっていた「家族連れの買い物」も、最近は見かけることが少なくなり、ようやく市中でも手に入るようになってきたマスクで完全防備して、整然かつ黙々と必要なものをかごに放り込む、という買い物スタイルが一般的になってきた*2

もしかしたら、「うちの地域じゃ全然まだまだ」という突っ込みがあるのかもしれないし、「今くらいの人出なら、リスク回避しながら生活できるけど、これ以上外に出る人が増えたらもう無理」という指摘も一理はある。

ただ、大事なのは、未だに一日100人以上の新規感染者が判明する油断できない状況の中で、そのリスクを認識しつつ、一人ひとりが自分の求める生活のあり様とのバランスをどうとっていくかを日々考え、そしてギリギリまでできることの可能性を追求していくことだと自分は思っている*3

リスクをわきまえず、自分の欲望のまま、あるいはいきがって無駄なアクティブさを発揮するのはただの蛮勇に過ぎないが、過度に恐れすぎてできることの可能性を追求することさえせず、家に引きこもってネットで「自粛警察」が如く振る舞うのも決して褒められた話ではない。国や自治体から出てくる端折り過ぎたメッセージに盲従した結果、フラストレーションをため込んでしまっては意味がないが、逆にいちいち批判してSNSで噛みついたところでそのフラストレーションが解消されるわけでもない*4

その中間でバランスをとるのは決して簡単なことではないし、自分もツボにはまるポイントでは、時々、というか、しょっちゅうスタンスがブレる*5

それでも、日々、いかに伝染らないようにするか、万が一の場合でも、自分の家族以外には「再生産」しないように振る舞うか、ということを最優先に、次いで、こんな状況でも自分が役に立てるところでベストパフォーマンスを発揮できるように、ギリギリの範囲でできることをやる、ということを日々必死に考えていれば、まぁ世の中にマイナスインパクトを与えることはないだろう、と思うし、このややこしい日々も気付いたときにはやり過ごせているような気がする。

そして、未知のウイルス、かつ、「病気」という不可抗力事象が相手とはいえ、(経済的な側面も含めて)やっぱり最後の最後に「生死」を分けるのは自分自身の判断の積み重ねだ、ということは、もっともっと強調されてしかるべきだ、と思うのである*6

*1:時々そこに割り込んで座ってくる輩がいるが、大概車内から一斉に冷たい視線を浴びせられ、あたかも女性専用車に間違って乗り込んでしまった男性のようにタイミングを見て席を立つことになることも多い。

*2:これも時々、周りを見ずに特定の棚にへばりついたり、店内を逆走して至近距離をすれ違ってくる人がいたりするのだが、そういった人々をかわすテクニックも含め、この短期間の間に、多くの人がプロフットボーラー顔負けの空間処理能力と機敏な危機回避能力を身に付けた・・・ような気がする。

*3:感染拡大初期の頃は、その基盤となる情報がない、考えるための材料がない、という状況もあったりしたのだが、既に2か月経過する中で、そういった「判断」をするための材料はかなり整ってきている、と思うだけに。

*4:時の政権の対応なり、自治体首長の対応なりをしっかり検証して評価することは当然必要だが、それで思うところがあるなら選挙で民意を示すしかないのだから、それ以上のことに時間を費やすのはまぁ意味は乏しいかな、と思うところはある。

*5:端的に言えば、仕事に関しては徹底して「家でやれ」(通勤するな)になることが多いし、逆にプライベートの時間の飲食に関しては「頼む、もっと店を開けてくれ」になる。それ以外はだいたい中立かな、と思っているけど。

*6:もちろん、これを「自己責任」といった表現で片づけてしまってはいけないのだけど、非常時であればあるほど、一人ひとりが「考える」ことをしなければ何も始まらないのだ、ということは、専門家会議の岡部信彦氏へのインタビュー記事の中でも語られていたことで(https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-okabe-5?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter)、自分も共感するところが多かっただけに改めて強調しておきたい。

「株主総会2020・春」いよいよここが正念場、の5月がやってきた。

時が経つのは早いもので、ついこの前、4月の定時株主総会は・・・みたいな話をしていたつもりだったのに、あっという間に月は替わり5月になってしまった。

招集通知が完成してアップした頃に「緊急事態宣言」が発令された4月は、結局、10社を超える会社が会場変更を余儀なくされたし*1、予定通り行った会社の中にも、一つ一つの局面で難しい判断を迫られ、これまでのマニュアルにない対応に汗をかくことになった担当者は多かったはずだ。

その意味で、月が変わった5月の株主総会は、最初から「緊急事態宣言下で行われる」ということを想定して準備できた、という点では、まだ恵まれている、といえるところはあるし*2、今まさにギリギリのところで監査法人と戦っている(?)3月期決算企業*3とは異なり、決算発表、総会開催決定、といった手続きのところまでは3月の時点で淡々と終えられている、という点でも得をしたところはある、というべきところはあるだろう。

ただ、「想定できる状況にあった」ということは、裏返せば「だったら当然ちゃんと切り抜けられるよね」というプレッシャーとも隣り合わせなわけで、その意味で、「こんなの経験したことなかったからごめんなさい」が言いやすかった3月、4月総会企業とはまた異なるプレッシャーがかかってくることも覚悟しなければならないような気がする。

また、5月総会の会社は、開催決定までの手続きが順調に進んでしまっていた分、今、金融庁経産省が絶賛お薦めしている「基準日ずらし」とか「継続会」*4といった手法を用いている会社も、7月29日への延期を発表した㈱ディップ(基準日は4月30日に変更)と、6月下旬への延期を発表したサマンサタバサジャパンリミテッド(基準日は5月12日に変更)の2社しかない*5*6

ちゃんとやるべきことをやっているのだから別に気にする必要はないはずだが、3月期決算企業の方は、以下記載のとおり、既に関係省庁の”要請”に応えた優等生的な会社(?)が既に10社近くあることを考えると、「何いつも通りの総会やってるんだよ!」という外野からのツッコミも気にしなければならない分、より気の毒さは増す。

<例年と異なる定時株主総会の開催方針を公表した会社>*7
・㈱東芝 7月以降 基準日5月15日(配当基準日変更なし)
・㈱スカパーJSATHD 7月30日 基準日5月31日(配当基準日変更なし)
・㈱ナンシン 7月以降 基準日5月31日(配当基準日も変更)
サンデンHD㈱ 7月以降
・㈱ジャパンディスプレイ 8月末 基準日6月30日 
・㈱サンリツ 7月以降 基準日5月31日(配当基準日も変更)
ブロードメディア㈱ 7月下旬 基準日5月31日(株主優待制度は基準日変更なし)
オリンパス㈱ 7月下旬 基準日5月31日(配当基準日も変更)
日本板硝子㈱ 7月以降 基準日6月4日 (配当基準日は変更なし)
(2020年5月7日追記)
・㈱音通 7月下旬 基準日5月25日(配当基準日変更なし)
・㈱レオパレス21 7月以降 基準日5月28日(配当基準日への言及はないが、既に無配の予想が出ている)
(2020年5月9日追記)
・㈱三城HD 7月下旬 基準日5月31日(配当基準日変更なし)
・㈱昭和HD 7月 基準日5月31日 (配当基準日への言及はなし)
・NKKスイッチズ㈱ 6月26日→継続会予定 ※6月総会初の継続会リリース
(2020年5月11日追記)
・㈱リプロセル 7月1日以降に延期の方針のみ発表
・㈱プレステージ・インターナショナル 7月下旬 基準日6月10日(配当基準日変更なし)
・アネスト岩田㈱ 6月25日→継続会予定
(2020年5月12日追記)
・㈱フォーバルテレコム 基準日5月31日 (配当基準日変更なし)
・㈱フォーバル 基準日5月31日 (配当基準日変更なし)
凸版印刷㈱ 7月21日 基準日5月31日 (配当基準日変更なし) 
㈱パイオラックス 6月24日→継続会予定*8
ダイセル 6月19日 → 臨時株主総会で報告を行う方針
・㈱ぱど 6月18日→6月30日に延期を発表
(2020年5月13日追記)
日本電波工業㈱ 未定 基準日5月31日 本社事務所会議室で開催予定(配当基準日変更なし)
・㈱日立製作所 7月下旬以降 基準日5月28日(配当基準日変更なし)
日立建機㈱ 7月以降 基準日5月31日(配当基準日変更なし)
日本農薬㈱ 6月26日→継続会予定
芦森工業 6月19日→継続会予定
(2020年5月14日追記)
東洋エンジニアリング㈱ 未定 基準日5月31日(無配)
・㈱アールスティ 7月以降 基準日5月31日(無配)
・相模ゴム工業㈱ 7月以降 基準日5月31日(配当基準日変更なし) 
玉井商船㈱ 7月29日 基準日5月31日(無配)
㈱ADEKA 6月29日→継続会予定
㈱ナカノフドー建設 6月26日→継続会予定
(2020年5月15日追記)
クオールHD㈱ 7月21日 基準日5月31日(配当基準日変更なし)
・㈱ケーヒン 7月以降 基準日6月12日(無配)
岩崎通信機㈱ 7月下旬 基準日5月31日(無配)
・チムニー㈱ 7月下旬 基準日6月8日(無配)
国際計測器㈱ 6月29日→継続会予定 7月下旬
三栄コーポレーション 6月26日→継続会予定
オンキョー㈱ 6月25日→臨時株主総会で報告予定
高砂熱学工業㈱ 6月23日→6月29日に延期を発表
(2020年5月18日追記)
中央ビルト工業㈱ 6月19日→継続会予定
(2020年5月19日追記)
北日本紡績㈱ 7月下旬 基準日6月5日
フェローテックHD 6月26日→継続会予定(7月31日) 
(2020年5月20日追記)
・Fringe81㈱ 7月22日 基準日6月10日
・ユニプレス㈱ 7月下旬 基準日6月11日
鴻池運輸㈱ 7月下旬以降 基準日6月18日(配当基準日変更なし)
㈱リケン 6月26日→継続会予定
アイフリークモバイル 6月25日→継続会予定(無配の方針に言及)
(2020年5月21日追記)
・燦キャピタルマーケット㈱ 7月下旬 基準日6月5日(無配予定)
・㈱やまや 7月下旬 基準日6月15日(配当基準日変更なし)
・㈱ショーワ 7月以降 基準日6月8日(配当基準日変更なし)
大和自動車交通 6月26日→継続会予定
ミクニ 6月26日→継続会予定
大同工業 6月26日→継続会予定

※なお、2020年5月22日以降の開示分については、https://k-houmu-sensi2005.hatenablog.com/entry/2020/05/22/233000をご参照ください。

ということで、別に煽るつもりはないのだが、4月30日までに適時開示のサイトから確認できた5月中の株主総会開催企業一覧を挙げると、ざっと以下のようになる(数字は株主数)。

<2020年5月中の株主総会開催予定>

5月1日

北日本紡績㈱(臨時)グランドホテル白山2階 グローリーホール 

5月7日

乾汽船㈱(臨時)
■㈱倉元製作所(継続会)本社(栗原市7,649名

5月11日(月)

■㈱PKSHA Technology(臨時)TKP御茶ノ水カンファレンスセンターホール2F

5月12日(火)

■㈱西松屋チェーン 姫路商工会議所 本館2階大ホール 54,535名
■㈱豆蔵HD(臨時)新宿三井ビル29F 大会議室

5月13日(水)

ミニストップ㈱ イオンタワー別棟Ⅲ階多目的ホール 40,551名

5月14日(木)

■㈱ニトリHD 当社札幌本社6階会議室 20,598名
イオンディライト㈱ ホテル日航大阪 鶴 5階 20,395名
マックスバリュ九州㈱ ホテル日航福岡 3階 都久志の間(変更)三共福岡ビル3階会議室(イオン九州㈱本社)※開始時刻30分繰り下げ*9 5,349名 
イオン九州㈱ ホテル日航福岡 3階 都久志の間(変更)三共福岡ビル3階会議室(本社)※開始時刻30分繰り下げ 6,737名 
■㈱平和堂 本部3階HATOCホール(彦根 10,385名
■㈱オークワ 自社教育研修センター4階大ホール(和歌山) 5,655名 
アークランドサカモト㈱ 本社4階ホール(三条) 2,678名 
パレモHD㈱(会場変更) 名古屋銀行協会5階大ホール 10,389名 
■㈱セキチュー ビエント高崎問屋街センター本館 6階会議場(変更)ホテルグランビュー高崎3階あかぎ※開始時刻2時間繰り下げ 573名

5月15日(金)

■㈱瑞光 本社(摂津) 2,064名
マックスバリュ西日本㈱ ホテルグランヴィア広島 4階 悠久の間 31,077名 
■㈱しまむら 本社6階 大会議室(さいたま)16,012名
■オーデリック(臨時)本社(杉並)

5月16日(土)

■㈱あさひ(会場変更)本店4階会議室(大阪) 16,151名

5月19日(火)

■㈱高島屋 スイスホテル南海大阪 8階 浪華の間 108,397名
イオンモール㈱ ホテルニューオータニ幕張 2階鶴の間(変更)イオンタワー別棟3階多目的ホール ※開始時刻30分繰り下げ 98,866名
■㈱ジーフット ベルサール秋葉原 28,698名
イオン北海道㈱ 札幌プリンスホテル 国際館パミール 3階・6階 54,200名
■㈱コックス  富士ソフトアキバプラザ5階 アキバホール 13,613名

5月20日(水)

■ユナイテッド・スーパーマーケットHD㈱ 浅草ビューホテル4F 飛翔の間*10(変更)カスミつくばセンター2階 ※開始時刻変更なし(第1研修室)*11  83,910名
■㈱サンデー 本社 第一会議室(青森)7,697名
■富士精工㈱ 本社(豊田)1,757名
■スギHD㈱ 刈谷市総合文化センター 30,212名
■㈱マックハウス 中野サンプラザ14階 クレセントルーム 10,986名
■SFPホールディングス㈱(会場変更)*12 川崎市コンベンションホール 34,755名
■㈱イオンファンタジー 東京ベイ幕張ホール(変更)イオンタワー別棟3階多目的ホール ※開始時刻30分繰り下げ 21,282名
■㈱パパネッツ 当社本社会議室(越谷) 3名

5月21日(木)

■㈱吉野家HD 中野サンプラザサンプラザホール*13 311,183名
■ウェルシアHD㈱ ロイヤルパインズホテル浦和 ロイヤルクラウン(4階)(変更)本社(外神田)※開始時刻1時間繰り下げ 22,937名
久光製薬㈱ 当社本店 5,701名 
■㈱カンセキ 本社ビル2階多目的ホール(宇都宮)1904名
■㈱近鉄百貨店(会場変更)都シティ大阪天王寺6階 吉野の間(変更)シェラトン都ホテル大阪4階 大和の間 ※開始時刻1時間繰り下げ*1413,591名
■㈱アオキスーパー 本社ビル5階(名古屋)2,002名 
タビオ㈱ 本店大会議室(大阪)9,870名
カネ美食品㈱ 名古屋東急ホテル3階ヴェルサイユ(変更)TKPガーデンシティ栄駅前バンケットホール6G ※開始時刻変更なし 11,855名
■㈱フジ フジ本部第3ビル5階会議室 16,153名
ソーバル㈱ 大崎ブライトコアホール(変更)大崎MTビル7階 会議室8 ※開始時刻変更なし*15 4,870名
■㈱チヨダ 中野サンプラザ 14階クレセントルーム 7,406名 

5月22日(金)

■㈱ナルミヤ・インターナショナル 芝パークビルA館 地下一階 5,006名
■イオン㈱ 幕張メッセ国際展示場8ホール(変更)イオンタワー(イオン本社ビル)別棟3F多目的ホール ※開始時刻変更なし*16 823,303名
■㈱ベルシステム24HD (会場変更) TKPガーデンシティPREMIUM神保町プレミアムガーデン 7,898名
ツインバード工業㈱ 当社本社 大ホール3階(燕)3,252名 
■㈱エーアイティー ヴィアーレ大阪2階クリスタルルーム(変更)大阪国際ビルディング17階1705号室 ※開始時刻30分繰り下げ 7,568名
■㈱MS&Consulting TKPガーデンシティ品川「ネクサス」(変更)TKPガーデンシティPREMIUM品川ホール5A ※開始時刻15分繰り下げ*17 3,084名
■㈱TSI HD ザ ストリングス 表参道地下1階 ウエストスイート 10,683名
■㈱セイヒョー 新潟日報メディアシップ2F 日報ホール 1,333名
■㈱トゥエンティフォーセブン(臨時)TKP新橋カンファレンスセンター16階 ルーム16B
■㈱YE DIGITAL リーガロイヤルホテル小倉3階エンパイアルーム 8,910名
■㈱タカキュー 板橋区立ハイライフプラザいたばし2階ホール(変更)本社8階会議室 ※開始時刻30分繰り下げ 7,419名
■知多鋼業㈱ ホテルプラザ勝川2階さくらの間(春日井)722名
■㈱柿安本店(会場変更) 本社3階会議室(桑名) 10,623名
フュージョン㈱ 札幌国際ビル8階 A会議室 428名
■㈱ブロッコリー 練馬文化センター大ホール(こぶしホール) →(変更)本社内2階ホール ※開始時刻変更なし*18 6,292名*19
エスフーズ株 西宮神社会館2階 福寿の間 5,302名
■㈱エディア 日本教育会館 7階中会議室 4,236名
■丸東産業㈱ 当社3階会議室 478名
■㈱カルラ(会場変更)本社研修センター(宮城県富谷市)*20 6,099名
■㈱ジュンテンドー 当社研修センター(ジャストホール)(益田市 7,956名

5月24日(日)

■いちご㈱ 第一ホテル東京5階ラ・ローズ 23,400名*21

5月25日(月)

■㈱スタジオアタオ 神戸国際会館セミナーハウス 9階大会議場 3,247名
■㈱きょくとう 福岡国際会議場4階413号室、414号室(変更)本社3階大会議室 ※開始時刻1時間繰り下げ 11,338名
■㈱さいか屋 川崎市産業振興会館1階ホール 2,767名 

5月26日(火)

■㈱Link-U(臨時)御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター1階 RoomC
■㈱ケーヨー 本社 会議棟 大会議室(千葉) 13,821名
■松竹㈱(会場変更) 東劇ビル内 東劇 16,048名
■㈱システムインテグレータ ホテルメトロポリタン4階桜 5,330名
■㈱キリン堂HD メルパルクOSAKA5階「カナーレ」 5,604名
■㈱ドトール・日レスHD セルリアンタワー東急ホテル地下2階 ボールルーム 52,358名
■㈱三陽商会(会場変更)本社別館3階(四谷) 14,196名*22
■㈱MORESCO 神戸ポートピアホテル本館地下1階「偕楽の間」 20,389名
■㈱トライステージ 当社会議室(汐留) 10,640名
■㈱トーヨーアサノ 沼津リバーサイドホテル3階香陵 1,138名
■㈱ジェーソン 柏商工会議所4階 401会議室 1,479名
■㈱サンエー ラグナガーデンホテル2F 羽衣の間(宜野湾)8,764名
五洋インテックス㈱(臨時) ルートイングランディア小牧3階ティレニア *23
■㈱エスエルディー TKPガーデンシティ渋谷ホールA 1,107名
■㈱PR TIMES アイビーホール青学会館グローリー館2階「ミルトス」 2,385名
■㈱エルテス 霞ヶ関ビルディング1階プラザホール 4,664名
■㈱マルゼン 本社2階多目的ホール台東区2,329名
■㈱NaITO(会場変更)TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原ホール2A 4,660名
■㈱山陽百貨店 姫路キャスパホール(変更)姫路商工会議所本館5階501ホール ※開始時刻30分繰り下げ 592名
■㈱プレナス ホテルニューオータニ博多 4階「鶴の間」 64,935名
■㈱ALiNKインターネット アルカディア市ヶ谷 5階大雪 1,253名
■㈱アークス 札幌パークホテル 地下2階パークプラザ 32,587名
■㈱アルバイトタイムス コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル2階桜 10,148名
■中本パックス㈱ KKRホテル大阪3階 銀河の間 8,141名
■㈱トレジャー・ファクトリー(会場変更)当社西新井サービスセンター多目的室 5,679名
■㈱幸和製作所 本社1階ショールーム(堺)2,048名

5月27日(水)

■㈱ローソン 東京国際フォーラム ホールC(変更)ベルサール汐留地下1階ホール ※開始時刻変更なし 31,293名
■タキヒョー㈱ 本社会議室(名古屋) 6,470名
■㈱安川電機 当社本店(北九州) 65,922名
■㈱天満屋ストア(会場変更)ホテルグランヴィア岡山3階クリスタル 4,719名
■㈱メディカル一光グループ ホテルグリーンパーク津6階「伊勢の間」 342名
■㈱乃村工藝社 本社ビル3階ノムラホール(台場)9,288名
■㈱ハイデイ日高 パレスホテル大宮「ローズルーム」4階 20,926名 
■㈱日本色材工業研究所 芝パークホテル別館2階 ローズの間 977名 
■㈱東京個別指導学院(会場変更) 大手町サンケイプラザ4階ホール 26,487名
■協立情報通信㈱ ホテル アジュール竹芝 14階 「天平の間」 703名
■㈱昴(会場変更) 当社 受験ラサール加治屋6階ホール(鹿児島)822名 
■㈱良品計画 本社ビル3階特別会場(池袋)49,533名
イオンフィナンシャルサービス㈱ TKPガーデンシティPREMIUM神保町 3階ホール 18,584名 
■㈱エコス フォレスト・イン昭和館 2階 シルバンホール(拝島)18,222名
■㈱東京衡機(会場変更)*24 ㈱東京衡機試験機相模原工場会議室 3,089名
■キャリアリンク㈱ ハイアットリージェンシー地下1階天平 8,470名
■㈱TOKYO BASE(会場変更) TKPガーデンシティ渋谷ホールB 8,088名
■㈱ハブ(会場変更) 富士ソフト秋葉原ビル5Fアキバホール*25 34,755名
■㈱パルグループHD AP大阪駅前梅田1丁目 4,523名
■インターライフHD㈱(会場変更)ベルサール東京日本橋 4,024名
■㈱薬王堂HD ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング4階 メトロポリタンホール 9,202名
■和田興産㈱ よみうり神戸ホール 3,579名
■㈱イズミ 当社本社6階you meホール(広島) 6,633名
北雄ラッキー㈱ ロイトン札幌2階 ハイネスホール 1,220名
■アレンザHD株 ウェディングエルティ1階「スクエアルーム」(福島)22,566名
■㈱バロックジャパンリミテッド セルリアンタワー東急ホテル地下2階ボールルーム 25,748名
■パイプドHD株 TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14A 3,660名
■㈱ベクトル 赤坂ガーデンシティ18階 当社スタジオ 11,053名
■㈱ベイカレント・コンサルティング 京王プラザホテル南館4階「扇」(変更)ザ・プリンス・パークタワー東京 地下2階 ボールルーム ※開始時刻変更なし 4,237名
■㈱ニューテック メルパルク東京 4階孔雀の間(変更)KDX浜松町ビル9階 本社会議室※開始時刻1時間繰り下げ 1,584名*26
エコートレーディング㈱ エコーペットビジネス総合学院5階多目的ホール(尼崎)3,876名 
■㈱関通 WeWork御堂筋フロンティア2階会議室 11名
■㈱ダイケン 新大阪ワシントンホテルプラザ2階 若竹の間 1,046名
■㈱テラスカイ ベルサール八重洲 Room4+5 6,337名
■㈱ダイセキ環境ソリューション 本社2階会議室(名古屋) 3,214名
■㈱ゼットン(会場変更)ホテルニューグランド 本館2階レインボーボールルーム →(変更)TKPガーデンシティPREMIUMみなとみらいホールG ※開始時刻変更なし*27 5,267名
■㈱クリエイト・レストランツHD(会場変更)グループ本社ビル(品川区) 111,205名
■㈱エストラスト シーモール2階シーモールパレス エメラルドの間(下関)11,945名
■㈱識学 田町ステーションタワーS4階 会議室 3,029名
■㈱放電精密加工研究所 レンブラントホテル厚木3階 相模中西 3,358名
■㈱ロゼッタ 弘済会館4階 10,269名
■シンメンテHD㈱ アワーズイン阪急シングル館3階 A+B会議室 1,648名
■ネオス㈱ 損保会館大会議室 7,961名
■㈱買取王国 名古屋銀行協会4階402会議室 817名
■㈱ジェイグループHD 名古屋ルーセントタワー16階会議室 19,009名
■㈱No.1 新橋東和ビル4階 大会議室 1,108名
■JMACS㈱ 毎日インティオ4階大会議室(梅田)2,912名
■㈱白鳩 京都リサーチパーク西地区4号館2階ルーム1(変更)TKPガーデンシティ京都桜 ※開始時刻1時間繰り下げ 2,367名

5月28日(木)

■㈱竹内製作所 サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)小ホール(変更)本社3階食堂(坂城町 ※開始時刻1時間繰り下げ*28 10,809名
■㈱フェリシモ エスパスフェリシモホール(神戸)9,331名
■㈱リンガーハット(会場変更)*29 ホテルニュー長崎 3階 鳳凰閣 38,277名
■㈱セブン&アイHD 本店会議室 82,071名 
東宝㈱ 有楽町マリオン11階 ヒューリックホール東京 26,002名
■㈱コメダHD ホテルナゴヤキャッスル 2階「天守の間」124,540名
■㈱ワキタ 本社9階 会議室(大阪)3,943名
マックスバリュ東海㈱ ランドホテル浜松 2階 鳳中の間 40,173名
■㈱グラファイトデザイン ナチュラルファームシティ 農園ホテル1階 花梨の間(秩父)3,226
■㈱スリーエフ 横浜ロイヤルパークホテル2階 芙蓉の間(変更)横浜ロイヤルパークホテル3階 鳳翔の間 ※開始時刻変更なし*30 6,096名
古野電気(会場変更) 本社会議室(西宮)4,980名
■㈱エスクロー・エージェント・ジャパン 東京国際フォーラム ホールD5(変更)新大手町ビル4階 当社会議室 ※開始時刻30分繰り下げ*31 16,212名*32
■Jフロントリテイリング㈱(会場変更)*33 ベルサール東京日本橋 地下2階 イベントホール 122,552名
DCMホールディングス(会場変更) ザ・プリンスパークタワー東京 地下2階「コンベンションホール」 66,850名
■㈱ピックルスコーポレーション(会場変更) 当社会議室(所沢)5,754名  
■㈱スタジオアリス ホテルグランヴィア大阪20階 名庭の間 29,516名
■㈱クリーク・アンド・リバー社 本社会議室HALL-A~C 4,040名
■サインポスト㈱ 野村コンファレンスプラザ日本橋6階大ホール(変更)TKP神田駅前ビジネスセンターホール5階 ※開始時刻30分繰り下げ 5,873名
■㈱ハローズ 当社本部2階大会議室(岡山) 3,937名
■㈱松屋 銀座ブロッサム中央会館2階ホール (変更)松屋銀座8階イベントスクエア ※開始時刻30分繰り下げ 11,190名
■㈱ファミリーマート(会場変更)田町ステーションタワーS 9階当社会議室 24,152名
■㈱ラピーヌ OMM18階当社ショールーム大阪市 2,651名
■㈱ライフコーポレーション 当社大阪本社1階大会議室 3,271名
■㈱ミスターマックスHD 都久志会館 ホール地下2階(福岡市) 11,102名
■㈱歌舞伎座 歌舞伎座3階 食堂「花篭」 5,312名
■㈱ベルク 坂戸グランドホテルWIN 2階 鳳凰 5,495名
わらべや日洋HD㈱ リーガロイヤルホテル東京3階「ロイヤルホールⅡ」14,563名
■㈱ヤマザワ 当社本社北棟4階ホール(山形) 8,793名
■㈱オンワードHD 住友不動産汐留浜離宮ビル2階 ベルサール汐留 17,526名
■㈱リヒトラブ 当社本店会議室(大阪) 1,605名
■㈱アダストリア ホテルテラスザガーデン水戸3階 シーブリーズ 39,430名
■㈱DDホールディングス 銀座Velvia館B1F「THE BAGUS PLACE」13,162名*34
■㈱メディアドゥHD 本社会議室(千代田区3,085名
■リックソフト㈱ サピアタワー ステーションコンファレンス東京5階 1,040名
■㈱日宣 ベルサール神田ルーム1 860名
コーナン商事㈱ ホテルアゴーラリージェンシー堺 4階ロイヤルホール 17,891名
■㈱ポプラ 本社会議室(広島)10,853名
■㈱壱番屋(会場変更) 本社(愛知県一宮市*3519,121名
■㈱大和 金沢ニューグランドホテル5階「銀扇」4,793名
■㈱4℃ホールディングス(会場変更)本社ビル1階会議室(品川区)10,300名
■㈱井筒屋 井筒屋新館9階パステルホール 9,962名*36
■㈱テイツー メルパルク東京 3階牡丹(変更)芝公園フロントタワー3階A会議室 ※開始時刻1時間繰り下げ 7,054名
セントラル警備保障㈱ 新宿NSビル30階 NSスカイカンファレンスルーム1・2 5,241名
■㈱東天紅 東天紅上野店3階 鳳凰の間 3,918名
■㈱エスケイジャパン(会場変更)大阪産業創造館4階イベントホール 4,071名
■㈱マルヨシセンター 高松国分寺ホール 456名
岡谷鋼機㈱ 当社9階会議室(名古屋)3,728名
■RPAホールディングス㈱(会場変更)ベルサール六本木グランドコンファレンスセンター 13,700名
■㈱ロコンド ONEST元代々木スクエアM1階 5,450名
■㈱ツヴァイ(会場変更)TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター本館2階 カンファレンスルーム217
■㈱ダイセキ 当社本社ビル4階会議室(名古屋) 5,332名
■㈱リテールパートナーズ 山口グランドホテル2階 鳳凰鶴の間 14,880名
■㈱IDOM ヒルトン東京ベイ2階 soaraⅢ 7,259名
■㈱リソー教育 ホテルメトロポリタン4階桜 20,831名
■㈱北の達人コーポレーション 共済ビル6階共済ホール(札幌) 54,307名
■㈱魚喜 (会場変更)ビジョンセンター横浜307号室 7,859名
■㈱エービーシーマート(会場変更)ABC-MART渋谷神南店3階 4,427名
■㈱ビットワングループ アルカディア市ヶ谷 6階霧島の間 4,761名
■㈱スーパーバリュー アリコベールサロン館4階 東武バンケットホール上尾 →(変更)バリュープラザ上尾愛宕店2階 本社会議室 1,369名
■㈱ライフフーズ JEC日本研修センター5A-2 会議室(吹田)2,091名
■㈱ありがとうサービス 今治国際ホテル 2階真珠の間 1,245名
■㈱アークコア(会場変更)当社1階店舗(足立区)3,998名
■㈱レイ ベルサール六本木 4,079名
■㈱アクアライン 霞ヶ関ビルディング1階「31 Builedge 霞ヶ関プラザホール」663名
■ローツェ 当社本社体育館′(福山) 5,378名
■㈱エヌリンクス ホテルベルクラシック東京8階「ラプソディ」 ※継続会を予定している旨の注記あり。
■㈱Olympicグループ パレスホテル立川4階ローズルーム 3,955名
■㈱ランド タカシマヤローズホール 32,403名
■フロイント産業㈱ ベルサール新宿グランドコンファレンスセンター 14,462名
■㈱アズ企画設計 本店2階会議室(川口)785名
■㈱エスポア(会場変更)TKP名古屋カンファレンスセンター7A 312名
■㈱シーズメン 鉄鋼会館8階802・803・804会議室 815名

5月29日(金)

■ユナイテッド&コレクティブ㈱ アークヒルズクラブルーム(変更)自社会議室(六本木)※開始時刻30分繰り下げ 3,475名
■㈱シー・ヴイ・エス・ベイエリア ザ・マンハッタン2階プリマベーラ千葉市)5,412名
■㈱ティーケーピー(変更)TKP市ヶ谷カンファレンスセンター8階大ホール*37 10,837名 
■㈱スクロール 本社ビル5階会議室(浜松) 32,507名
■㈱市進HD TIME24ビル1階(江東区)1,509名
■㈱サーバーワークス 当社東京オフィスANNEX(神楽坂)1,560名
■㈱ヨシムラ・フードHD(会場変更)TKP新橋カンファレンスセンターホール14D 6,173名
■横浜ライト工業㈱ 当社会議室横浜市)5名
■㈱ビザスク 住友不動産青葉台ヒルズ10階 12名

本エントリーアップ時点では、まだまだ招集通知を開示していない会社もあるはずだが、それでも4月と比べるとかなり多いし、小売事業者を中心に多くの株主を抱える会社も多い。

既に昨年までの会場を変更し、より確実に開催できそうなところに舞台を移した会社がそれなりに存在する*38一方で、4月総会と同様、この会場で果たして大丈夫なのだろうか・・・? と心配したくなるような会社もいくつかある。また、お土産や総会後の懇親会を中止する、という流れは共通して続いているが、「会場には来ないで」的なお願いのトーンになると、依然として会社まちまち、という印象も受けるところ。

以上、前回同様、後から入手した情報も随時追記していくことになると思われるが、特に、6月に向けて準備に追われている総会担当者の方は、これをご覧いただきつつ、今後この場所で、この会場だとどういうことになるのか等々、いろいろとシミュレーションをしながら眺めていただくのも良いのではないかと思うところである。

5/2追記

1日から2日にかけて20社以上の開催予定を新たに追加したのだが、何といっても注目すべきは、1日の時点で早々に2社から会場変更のリリースが出た、ということだろう。

株式会社ローソン
https://www.lawson.co.jp/company/ir/library/pdf/syosyu/syosyu_45_venuechange.pdf
株式会社セキチュー
http://www.sekichu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/05/ir-20200501gm.pdf

いずれもリリース上は、「当初予定していた会場が使用できなくなる恐れ(可能性)」の段階での変更判断である旨が述べられているが、今の状況を考えるとおそらく今月いっぱいは使用できる可能性は低いのだろうし、その意味で、このタイミングでの発表は、迅速的確なものと言えるのではないかと思われる。

ちなみに「代替会場を押さえておく必要性」は3月総会の頃から指摘されていたことで、現時点ではホテル、公共施設等を会場として掲げている会社も、既に様々なシミュレーションをした上で、「緊急事態宣言延長」の公式発表と同時にプランB、プランCに切り替える、という会社は多いのではないかと思われる。

元々、世の中「総会の開催費用はいくらかかっても良い」というような太っ腹な会社の方が少ないし、ましてや今はちょっとでも抑えられるコストは抑えたい時だけに、担当者としても頭の痛いところだと思うが、5月総会の場合、首都圏で多い日でも1日10社は超えない、という状況だ、ということが不幸中の幸いというべきだろうか。

これが6月になると、あちこちのベルサールとかTKPとかがどうなってしまうのかな・・・という心配はあるし、それゆえにどこでプランBに切り替えるか、という判断も重要になってくるのではないかな、と思うところである。

5/7追記

GW中の緊急事態宣言延長を受けて、連休明け早々に3社から会場変更のリリースが出た。

特にインパクトが大きかったのは㈱イオンのリリースで、場所は同じ幕張エリアなのだが、巨大会場「幕張メッセ」から自社施設への変更。

そして会場変更を知らせるリリースの中で、「定員100名」と明記し、「受付開始の午前9時15分時点で、定員を超える株主の方がお越しの場合、同時刻にお待ちいただいている株主さまを対象に抽選を行い、ご当選された100名の株主さまのみ入場可能とさせていただきます」という告知まで行っている。

https://www.aeon.info/wp-content/uploads/ir/stock/benefit/image/henkou1.pdf

80万人を超える株主を有し*39、昨年の来場者が1,951人という大総会だから、「抽選」という話になるのも分からないではないが、わざわざ幕張まで出かけて会場に入れずに帰ってくる・・・なんて経験をしたい人もそういないだろうから、結果的には無抽選になるのではないかな、という予感もするところである。

また、この日は、並行して5月総会の会社から1社、6月総会の会社から2社、基準日を変更した上で7月以降に総会を延期する、というリリースも出された。

決算延期プレスも50社、と、まだまだ流動的な状況は続いているが、明日以降の動きにより注目したいところである。

5/9追記

8日に入っても、出るわ出るわ、で、イオングループから3社、その他の会社も4社、会場変更のリリースを確認している。

イオングループからは九州の2社(イオン九州㈱とマックスバリュ九州㈱)が、ホテル日航福岡から「イオン九州本社」への会場変更を発表しているのだが、元々この両社の今回の株主総会では「吸収合併承認の件」が議題となっており*40、存続会社はイオン九州㈱、ということで、実質的には一足早く「統合」が実現した、ということになるのかもしれない。

また、他の会社の中には、招集通知のリリースとほぼ同じタイミングで「会場変更」のリリースを出したと思われる会社も多い。

例年株主総会に来場する株主の中で、日々適時開示をチェックしていたり、会社のウェブサイトをこまめにチェックしている株主は決して多くはないだろう、ということを考えると、手配が間に合う限り、最初の招集通知・参考書類送付時に「変更後の会場の案内」も同封できるにこしたことはないのであって*41、この辺も「プランB」をいかに周到に準備していたか、ということが試されるような展開になっているように思われる。

なお、決算発表延期リリースは8日の時点でも50社超、それに合わせて定時株主総会の基準日変更も2社から新たにリリースされている。

そして、遂に出た「継続会」宣言、というのが8日の最大のトピックだったわけだが、この点については別途稿を改めることにしたい*42

5/11追記

週が変わって決算延期のリリースもラストスパート、といった感があるが(本日は40社超)、そんな中、延期のリリースが2件、そして2社目の「継続会」事例も登場。

また、会場変更も数社公表されているが、その中で、さすがと思ったのが、近鉄百貨店の「都シティ大阪天王寺」から「シェラトン都ホテル大阪」への変更。

こういう時でもとことん系列のホテルにこだわる、そして、百貨店としてのプライドに賭けても一定のステータスに満たない施設は使わない、そんな意地が伝わってくるようなリリースだが、これも一つのあり方だと自分は思っている。

5/13追記

既に前日、一部についてはエントリーで触れたのだが*43、まぁどこの会社もいろいろと考えているな、ということで、日々感心させられるところである。

会場変更も20社以上。

6月に入れば、より世の中の「正常化」度合いは増すだろうから、「プランB」の発動で揺れるのはこの5月総会が最後になるのかもしれないが、いよいよ来週からは本格的な開催日に突入するだけに、各社、無事終えられることを願ってやまない。

5/15追記

この2日間の間にも会場変更のリリースが2社から出て、5月総会では合計26社が変更を余儀なくされる形となった。

また、6月総会に関しては、2日間で「延期」が8社、「継続会」が4社、「2回開催」が1社、「日程繰り下げ」が1社となっており、イレギュラー対応方針としては概ねこの比率があたかも”黄金比”のように定着しつつある印象を受ける。

ここしばらくの傾向として、「延期」の会社の多くが「配当基準日変更なし」(取締役会で配当決議ができるため、総会とはもともと切り離しが可能)か、あるいは「無配」のどちらか、というパターンになっている、というのも一つの特徴で、この種のリリースが出始めた頃に、配当基準日までドラスチックに変えてきたケースもあったことを考えると、雰囲気はちょっと変わってきたかな、という気がする。

本日施行の法務省令改正により、今後、また違う流れが生まれてくるのかどうかは分からないけれど、まだまだいろんな動きが出てきそうなので、もう少しウォッチは継続しておくことにしたい。

5/20追記

連日、延期、継続会のリリースが出ているが、その一方で決算発表の日程を6月初頭に設定し、ギリギリまで”通常”どおりの定時株主総会開催を狙っている(?)雰囲気の会社も見かけるようになった。

コロナウイルス対応」モードが急激に薄まる中で、どのタイミングで意思決定するか、というのは非常に悩ましいところだと思うのだが、一方で計算書類が監査まで進めなければどうしようもない、というのも事実なだけに、今週から来週にかけての攻防が気になるところである。

なお、5月総会会社の状況紹介に関し、5月1日開示分の半分くらいを記載し損ねていたことに今さら気づいてしまったので、補充させていただいた。「何で載ってないの?」と思いながら読まれていた方がいたなら、謹んでお詫び申し上げたい。

*1:詳細は緊急事態宣言下の「株主総会2020・春」シーズンの幕開け。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~を参照。

*2:もちろん、現時点では「5月7日まで」というのが建前だから、10社に1社くらいは「自分たちの総会の頃には終わってるだろう」という楽観的な見通しを立てていたところもあったのかもしれないが、多くの会社では当然、「緊急事態が延びる」ことを想定して準備しているはずである。

*3:いつもなら6月総会企業、というところだが、今年はどうなるか分からない・・・。

*4:さる4月28日には、金融庁法務省経済産業省三者連名で「継続会(会社法317条)について」なるペーパー(https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/keizokukai.pdf)まで公開されており、そこまでして使ってほしいのか?と首を傾げたくなるくらいの熱心さなのだが、幸か不幸か4月30日時点では、「コロナウイルス感染症対策」としてこの方式に乗っかることを表明した会社はまだ現れていないし、仮に自分が担当者だったら絶対にやりたくないだろうなぁ、と思われる手法だけに、これを助言するという選択肢も全く自分は持ち合わせていない。

*5:2020年5月7日追記:㈱ワイズテーブルが基準日を5月31日に設定、7月下旬への開催延期を発表している(配当基準日は変更なし)。

*6:2020年5月12日追記:㈱エヌリンクスが5月28日に開催予定の総会で計算書類等の報告を行わず、継続会を開催する方針を発表した。

*7:当初「基準日を変更した会社」という見出しにしていたのだが、継続会開催方針の会社も増えてきたので、標題を改めることとした(2020年5月21日追記)。

*8:選任された役員の就任は「継続会終了後」としている。

*9:5月9日付追記参照。

*10:浅草ビューホテルは、3月総会で1社会場変更を余儀なくされた場所なのだが、果たして今回はどうなるのだろうか、と。今のところ館内テナント等の営業休止時間は6日まで、となっているが。

*11:やはり・・・といった感のある会場変更だが、相対的に感染者数が少なく真っ先に特定警戒都道府県から外れる可能性も高い茨城県のグループ会社施設での開催に切り替えた、というあたりに、事前に入念なシミュレーションがなされていた気配を感じ取ることができるといえるだろう。

*12:昨年まで使用していた二子玉川ライズが使用できなくなったのだと思われるが、代替開催場所が市の施設、というのはなかなか大胆と言えば大胆。Webサイトを見る限り、GW明けの施設利用は受け付けるような表示になっているが、緊急事態宣言の延長によりどうなるか、というところではある。川崎コンベンションホール・会議施設利用案内

*13:招集通知上で会場が使用できなくなる可能性に言及している。

*14:5月11日付追記参照。

*15:自社の管理スペースかどうかは不明だが、本社が所在するビル内での開催に変更されている。

*16:5月7日付追記参照。

*17:これはTKPの会議室から別の会議室へ、という珍しい会場変更パターンである。

*18:結局、会場を自社内施設に変更。当日の入場可能人数は14名、事前登録制を採用する旨が告知されている。

*19:招集通知に、以下のような”苦渋の判断”を感じさせる記述があったのが印象的だった。「新型コロナウイルスの感染拡大が全国規模で懸念されている最中の株主総会開催について慎重に検討いたしました結果、当社は、現在の状況が解消される見通しが不明確なこと、株主総会を延期した場合、株主総会の開催までに数か月の期間を要することが見込まれ、その期間に新役員の選任も出来ないなど、経営への影響も避けられないこと等から、感染予防及び拡散防止措置を講じることを前提に、下記のとおりご案内の上、予定どおり株主総会を開催することといたします。」

*20:昨年は仙台駅前のホテルメトロポリタン仙台での開催だったのだが、今年はうって変わって仙台駅から車で25分の自社施設へ。優等生的な対応ではあるのだが、仙台でもそこまでやるのか…という驚きはあった。

*21:わざわざ「早期開示のお知らせ」(いちご[2337]:「第20期定時株主総会招集ご通知」の早期開示のお知らせ 2020年5月1日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞)を出しているように、株主に対する意識は非常に高いと思われる会社だし、日程を日曜日に設定しているというのも通常なら評価されるプラクティスなのだが、土曜、日曜総会をあえて平日にずらすトレンドもある今年の状況下でどう評価されるか、と言えば悩ましいところもある。個人的には応援したくなるが。

*22:バーバリーのライセンスを失って以降、業績不振が続いているという状況もあり、株主から取締役選任の議案が提出されている5月定時総会の中では屈指の対決型総会である。

*23:5月18日に臨時株主総会自体の中止が発表された。

*24:これまで日本橋室町で開催していた総会を子会社の相模原工場敷地内(橋本駅からバスで30分)で開催するということもあり、あらかじめ開始時刻を3時間30分も繰り下げ最寄り駅から送迎バスまで運行する、という対応をとっている。「来させないでください」というお上の方針には反するかもしれないが、これはこれで一つの対応のあり方として理解できるところである。

*25:昨年の会場はTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原だったが、今年は一昨年までのアキバホールに戻す形に。おそらく会場の広さや使い勝手の面で一昨年までの会場の方がよかった、という結論になったのだろうが、この会場、3月総会で一社会場変更を余儀なくされた場所でもあり、ちょっと心配ではある。

*26:同日、㈱テイツーメルパルク東京からの会場変更をリリースしているのでこちらも時間の問題かと思われるが・・・。

*27:昨年までの横浜マリンタワーの休館に伴いホテルニューグランドに変更したばかりだったのだが、無念の会場変更。最後に頼れるのはやはりTKP・・・という今シーズンの定番対応となっている。

*28:まさか上田市の会場で変更を余儀なくされるとは、予想していなかった。しかも変更後の会場は坂城だから結構離れている・・・。

*29:昨年までの総会はホテルニューオータニ博多で行われていたが、福岡に比べればよりリスクが少ない地元長崎に移した、というのが会場変更の趣旨だと思われる。

*30:「会場を広くするため」という理由で、同じホテル内での会場変更を行っている。

*31:結局、当初の予告通り、5月12日に会場変更のリリースを出すこととあいなった。定員は20名。

*32:この会社は、招集通知と同じタイミングで「今後の政府の緊急事態宣言や東京都の自粛要請の期間延長の可能性により、同会場が使用不可となる恐れがございます」という周知文を添えた案内リリースも公表しており、丁寧さが光っている。https://ssl4.eir-parts.net/doc/6093/tdnet/1821347/00.pdf

*33:昨年まで竹芝のニューピアホールが会場になっていたのだが、今年は「緊急事態宣言が解除されるまで休館」という状況だけに、困った時のベルサール、となったものと推察される。NEW PIER HALL(ニューピアホール) | ライブイベントから株主総会まで、都内最大級の多目的ホール参照。同社に限らず、全体的に「ベルサール」「TKP」率は高い。

*34:2020年5月13日付リリースで訂正あり。

*35:昨年は名古屋東急ホテルでの開催。2万人近い株主を抱える人気企業だけに、本社で、しかも恒例の食事券もつかない、ということにショックを受けた株主も多いことだろう。

*36:会場は前年から変更されていないのだが、今年は出席人数を「最大60名」とした上で事前登録制により優先入場させる、という方針を明らかにしている。https://corp.izutsuya.co.jp/assets/2020/05/200508_info.pdf

*37:今年の総会で多くの会社の”駆け込み寺”となり、主役を張っている感のあるTKPだが、当然自社の総会も市ヶ谷のカンファレンスセンターでの開催を予定している(前年は神保町)。

*38:結果的に外部会場の使用割合が低くなっているが、小売事業者特有のコスト意識の強さゆえ、規模の大きな会社でも元々「自社施設で」という会社が多かったことも背景にはある。

*39:何といっても買い物キャッシュバックありの株主優待の存在は大きい・・・。

*40:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3171/ir_material3/138642/00.pdf参照。

*41:後から別送する、というやり方もあるが、コストがかさむうえに、ハガキ等の形で送付しても他の郵便物に紛れてしまうリスクはあるので、「一目で」会場が変わっていることが分かるような仕掛けをすることは大事かな、と思うところ。

*42:追記:2020年5月9日付エントリーにて記載。雪解け過程での「継続会」判断はあり得るか? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

*43:「延期」か「継続会」か、それとも「予定どおり」か? 6月定時株主総会をめぐる瀬戸際の攻防。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

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