2011-01-01から1年間の記事一覧

歴史は繰り返す。

この秋、混戦模様の国内古馬戦線の中で埋没しがちだった悲運の女王、ブエナビスタ。 直線で前が塞がる不利があったとはいえ、前走で初めて複勝圏外の着順に落ちる、という敗北を喫し、大一番、ジャパンカップでも海の向こうからやってきた凱旋門賞馬・デイン…

「アンフェア」なのはどっちだ?<後編>

前編(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20111125/1322963012)から続く。 知財高判平成23年9月7日(中間判決)(H23(ネ)第10002号)*1 原審とは打って変わって、被控訴人(被告)製品について、控訴人(原告)特許の構成要件充足性を認めた知財高裁だが、…

「アンフェア」なのはどっちだ?<前編>

これまでこのブログでも取り上げてきた、越後製菓対佐藤食品の「切り餅」特許事件。 地裁で請求棄却の判断が出たにもかかわらず*1、知財高裁で大逆転中間判決が出され*2、審理の帰趨が注目されているところで、佐藤食品工業側から以下のようなプレスリリース…

「法律書」に課された高いハードル。

提訴時からいろいろと話題になっていた(らしい)「過払い金回収ガイド」本の著作権侵害事件。自分は当時の記憶があまりないし、このブログでも取り上げてはいなかったと思うのだが、訴えられた弁護士は、当時何かとメディアに露出していた有名人だったし、…

裁判官にこそ読んで欲しい本。

だいぶ前に購入したにもかかわらず、なかなか最後まで読み進めることができていなかった話題の本を、ここに来てようやく読了した。Googleの脳みそ―変革者たちの思考回路作者: 三宅伸吾出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/07/26メディア: 単行…

グリーのしたたかな戦略

以前から当ブログでも取り上げてきたDeNA対グリーの果てしなき闘争*1だが、遂にグリー側から正式に訴訟提起のリリースがなされた。 「交流サイト(SNS)大手、ディー・エヌ・エー(DeNA)が取引先のゲーム開発会社に対し、他のSNSにゲームを提供しないよう圧…

濃すぎるDNA

日本ハムがドラフトで強行指名して去就が注目されていた東海大学の超弩級右腕・菅野智之投手が、とうとう「入団拒否、1年浪人」を発表することになってしまった。“強行指名”といってもいろいろあるが、日ハムの場合は、指名するそぶりさえ見せずに当日サプラ…

順当な結末の中に垣間見たもの。

近年稀に見る好勝負だった、今年の日本シリーズ。アウェーでドラゴンズが2連勝を飾った時は、このまま落合監督が有終の美を飾るのではないか、と誰もが確信したはずだし、名古屋に戻って展開一転、ホークスが3連勝で王手をかけたときは、第6戦でのあっけない…

最高裁が示した模範解答

平成21年に「裁判員が刑事裁判に参加する」という制度が導入されて以来、「この制度は違憲ではないか?」という問いかけが、これまでに何度となくなされてきた。しかし、現在に至るまで裁判員裁判を「違憲」と断言する研究者にはそんなにお目にかかったこと…

今年も降臨した恐怖の妖精。

昨年のエリザベス女王杯、並いる“国内強力牝馬ラインナップ”が一瞬で蹴散らされ、欧州馬の底力を見せつけられてしまったあのレースで、思わずため息をついてしまってから早いものでもう1年になるのだが*1、ちょうどいい感じで昨年の悪夢も忘れかけていた頃…

華麗なる復活。

昨シーズン、最後の最後で、震災のあおりを受け、本来行われるはずの東京での世界選手権が流れてしまった・・・という衝撃もあり、今シーズンも開幕後しばらくは、フィギュアスケートの話題から遠ざかっていたのだが、NHK杯で、久々に日本人スケーター達の滑…

そして、扉は開かれた。

「法科大学院に通えない人にも新司法試験の受験機会を確保する」という名目で今年から行われることになった「司法試験予備試験」。「予備試験」といっても、実際には択一に始まって、論文試験あり、口述試験あり、とかつての旧試験の三段ステップをすべて網…

何を「正義」と呼ぶべきか?

平成18年夏の事故発生以来、“飲酒運転の恐ろしさ”を象徴するような出来事として語り継がれてきた「福岡飲酒運転3児死亡事故」。「飲酒運転」が社員のコンプライアンス上の重大事象とされるようになった一つの契機となった事故、そして、事故を起こした社員・…

経験はプライスレス。

最近、日経の法務面は、メインの記事よりもサイドの記事の方に関心を魅かれるものが多いのだが、この日もそうだった。 「国内初となる民間の弁護士就職支援企業、「日本司法サービスセンター(JSC)」(東京・千代田)が11月1日に営業を開始した。新人弁…

不動明王の如し。

たまたま付けた地上波の野球中継で恐ろしいものを見てしまった。 それが何か、っていえば、ドラゴンズのベンチに鎮座する落合博満監督その人。いつもなら、自称“日本の真ん中”のコアラ球団なんぞには大した興味はなく、今年のCSの最終ステージも、専らの敵…

“解放感”への渇望。

思えばこの一年くらい、「終わった〜」という解放感を味わえていないことに気付く。学生時代に始まって、忙しい時期は過去にも何度かあった。 特に「11月」というのは、かつては日中夜一つのことをずっと考えていないといけないシーズンだったわけで、そうい…

2011年10月のまとめ

自分のペースをほとんど取り戻せないまま、10月もあっという間に終わってしまった。 九電の報告書の話とか、三宅伸吾氏の本の話など、積もり積もったネタはたくさんあるのだが、身体を休めることを優先して、たまに時間が取れても、ブログは後回しにして暫し…

久々に見ごたえのある勝負。

力が抜けた馬がいない中で、G1タイトルホルダーがずらっと首を揃え、“混戦模様”と評された今年の天皇賞(秋)。昨年のこのレース以来、国内では2着続きのブエナビスタが意地を見せるか、それとも前哨戦を快勝したローズキングダム、アーネストリーあたりが…

「痴漢で懲戒解雇」は許されるのか?

日経法務面の片隅に「リーガル3分間ゼミ」というミニコーナーがあるのだが、24日付けの朝刊では、 「30代の男性会社員が電車で痴漢に間違われ、大幅に遅刻して出社したところ、「疑惑が晴れるまでは自宅待機するように」と通告された。身に覚えのない疑いで…

これで三冠?されど三冠。

他のプロスポーツと同じく、大震災の影響で、シーズンの始まりがグチャグチャになってしまったこともあって、「いつの間にか3冠目」という感が強い今年のクラシック。三冠全てのウィナーが入れ替わった牝馬に対し、牡馬の方は、ステイゴールド産駒・池江(息…

泣きっ面に蜂?

DeNA絡みでさらにもう一つ、気の毒なニュースがある。 「TBSホールディングスが傘下のプロ野球・横浜ベイスターズをソーシャルゲーム「モバゲー」運営会社のディー・エヌ・エー(DeNA)に売却することで両者が大筋合意していることを巡り、楽天球団の三木谷…

独禁法が「武器」であることを再認識させられるニュース

昨年の立ち入り調査、そして今年6月の排除措置命令、と、業界の“仁義なき戦い”を象徴するような話題として取り上げられてきた「DeNAのグリーに対する取引妨害」事件*1が、ここに来てまた新たな展開を見せようとしている。 「交流サイト(SNS)大手、ディー・…

必要なのは法改正か?

17日付けの記事として自分がエントリーした記事*1に対し、いろいろなご意見をいただいている。あの高名な町村先生に、「微妙なコメント」と評されてしまったのは、とっても微妙な(笑)ところなのだが、 「立法論ではなく解釈論で勝負すべき」 という自説は…

稀代の名将の意地。

いつの間にか始まって、いつの間にかシーズンも終盤になってしまった今年のペナントレース。 そして、首位を走っていたはずのヤクルトがいつの間にか引きずりおろされ、優勝したのは今年も結局ドラゴンズ。贔屓チームがCS進出を逃したことと相まって、いつ…

百家争鳴状態の「自炊代行」論議に一石

当ブログでも過去に何度か取り上げてきた「自炊代行」論戦に、日経紙の「法務インサイド」も遂に参戦した。 担当されたのは、三宅伸吾編集委員*1。見出し、小見出しや、書き出しの文章などを見ると、比較的中立的な論稿なのかな・・・と錯覚してしまうのだが…

らしくなってきた。

真弓監督就任以来、あまりパッとした話題がなかったタイガース。今季も、ヤクルトの独走を許し、5割前後を行ったり来たりする成績の中で何とかキープしていたCS出場圏内のポジションも、毎年恒例のシーズン終盤のへばりで、絶望的になりつつある。となれば、…

国外での知財権侵害をめぐる動き

日経紙の法務面(法務インサイド)で、「国またぐ知財訴訟勝つためには」という、ネタとしては恐ろしく高度な話題が取り上げられている*1。このテーマを理解するには、国際私法の観点からは、国際裁判管轄ルールと準拠法決定ルール、さらには執行管轄ルール…

東京で南部杯?

本格的な秋競馬のシーズンに突入しても、馬柱に目を通す余裕すらない・・・そんな日々ではあるが、西でローズキングダムが復活の狼煙を上げたり、東で(敗れはしたものの)リアルインパクトが最後の直線で驚異の粘りを発揮する、そんなシーンを目にすると、…

今さらの決着。

今から遡ること3年前。 浜岡原発5号機のタービン事故をめぐり、中部電力がタービン製造元の日立製作所を相手取って訴訟を提起する、という一大事があった。このブログでもコメントしたとおり、いかに瑕疵担保条項があるとはいっても、真正面から賠償請求する…

「BSイレブン」の偉業

有料の衛星放送と契約していない自分は、毎年、この季節になると、「凱旋門賞」をライブで見られない悔しさを味合わされてきた。衛星放送どころかテレビさえなかったエルコンドルパサーの時はともかく*1、その後の日本馬の数々の挑戦シーン*2を見逃した、と…

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