スポーツ

唸り始めた新血脈。

いつの時代にも「迷ったら父の名で」という種牡馬はいる。産駒がデビューし始めた頃のサンデーサイレンスなどはまさにそんな感じだったし、2010年代はキングカメハメハに随分と助けられた。勢いが付きすぎると、そのうち大レースはことごとく「強い種牡馬」…

突き抜けた才能。

早いものであっという間に季節はクラシック第一弾、桜花賞。土曜日まで自分が気にしていたのは武兄弟の動向で、何といっても兄・武豊騎手は前週の大阪杯、ジャックドールで逃げ切って見事にGⅠ最年長勝利記録を更新したばかり。そんな今も昔も当代一流の騎手…

”2匹目のどじょう”は逃しても、逃がさなかった大魚。

もはやすっかり3月末の風物詩となったドバイワールドカップデー。先月のサウジアラビアでサウジカップ優勝をはじめとする華々しい活躍を見せた馬が多かったこともあり、今年も例年以上に豪華な布陣で乗り込んでいくこととなったのが、日本調教馬陣営で、実際…

「日本勢圧勝」で気付く”いないもの”の存在感

4年ぶりに日本国内で行われたフィギュアスケートの世界選手権。一時に比べればかなり熱は冷めてしまっているとはいえ、開幕早々から日本勢の華々しいニュースを目にすれば結果が気にならないはずがない。ペアの 三浦璃来・木原龍一組を皮切りに、女子、男子…

「憧れ」を超えた先の景色。

何となくそんな予感はしてたけど、結局2日続けてWBCの話をすることになってしまった。 第5回WBC決勝、日本対アメリカ、3-2で勝利。 日本代表は14年ぶり3度目の優勝。 今日の昼くらいから飽きるほど眺めたニュース速報だが、自分は、その字面以上に今回の優勝…

もう14年も経ったのか・・・。

ワイドショーやバラエティ番組はもちろんのこと、普通のニュース番組ですら、地上波のテレビ局のそれを日常的に見る機会がなくなって久しい。情報はネットか新聞か、いずれにしても冷静な文字媒体。スポーツ中継の映像は眺めるが、それも週末の楽しみを除け…

久々に見た「ストライキ」のフレーズに思うこと。

「春闘」という言葉を聞かなくなって久しい昨今だが、今年の春季労使交渉の結果は、実に衝撃的なものだった。日本を代表する大企業が提示する回答は、金額も賃金改定率も自分が気にし始めてからは見たことのないような数字で、会社によっては満額どころか労…

春の風が呼び起こす記憶。

競馬の世界で「3月」といえば始まりの季節である。新人騎手たちがデビューし、新たに厩舎を開業した調教師たちが緊張の面持ちでパドックに出てくる。ちょうどクラシック第一弾に向けた3歳馬たちのトライアルレースが始まる時期でもあり、運が良ければ一週目…

真夜中の快挙と別れの季節と。

歳をとればとるほど、時が過ぎるのは早くなる。ついこの前新しい一年が始まった・・・という感覚だったのに、気付けばあっという間に今年2度目の中山開催に突入し、中央競馬の世界での「年度替わり」の時を迎えることとなってしまった。本来なら、現役を退く…

確変。

日本にいる時から一流の資質を備えた選手だ、ということには気付いていたつもりだったのだけれど・・・。プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC所属、三笘薫選手の快進撃が止まらない。川崎から欧州に渡り、W杯予選では天王山のアウェー…

何がこの差を付けたのか?

年始の恒例行事となっている「JRA賞」の発表。そして、今年も年度代表馬に選ばれたのは3歳(明け4歳)馬だった。www.jra.go.jp未だ多くの競馬ファンに昨年末の有馬記念の余韻が残っている中での投票結果発表だから、イクイノックスが年度代表馬に!という結…

まだまだ続いてほしい神話の世界。

まさか競馬中継の中で新年早々「SDGs」という言葉を聞くことになるとは思わなかったが・・・。news.yahoo.co.jp開幕週&今年最初の3歳重賞であっさり勝ち星を挙げて、重賞350勝&37年連続重賞勝利、という、もはや未来永劫塗り替えられることはないのでは・…

「順当勝ち」という奇跡のドラマ

今シーズン、大学駅伝界でずっと強い強いと言われ続け、「三冠」にリーチをかけていた駒澤大学。出雲駅伝は大会新記録で圧勝。全日本大学駅伝も最後は独走で大会三連覇、とほぼ完璧に近い歩みを続けてきたものの「箱根」だけは別物。エントリーする全ての選…

素敵なクリスマスプレゼント

今年はクリスマスのカレンダーと開催日程がぴったり重なった中央競馬。そして、年末のビッグイベント・有馬記念は、クリスマス当日に開催という実に粋なレースとなった。伝統的な傾向からして菊花賞優勝馬が強く、ジャパンカップ組は苦戦するレースだ、とい…

季節外れのアンセムに。

怒涛のカタールW杯が終わった。大会終盤、準決勝、3位決定戦まで来ても、依然しびれるような戦いは続き、そしていつもなら退屈な試合になることも多い「決勝戦」が大会のハイライトのような試合になる、という贅沢さ。もう散々、様々なメディアで書かれてい…

お天道様は見ているか?

金曜日の深夜から日曜の早朝にかけての2日間、どの大会でも一番面白いと言われるW杯の準々決勝が行われた。最大のサプライズといえば、グループリーグでの余裕綽綽の戦いぶりからして、決勝進出は間違いないと思われていたブラジルの敗退だろう。相手は4日前…

いつかは来る日だと分かってはいても。

自分にとっては、あまりに唐突に訪れたニュースだった。 「日本中央競馬会(JRA)は8日、2023年度の新規調教師試験の合格者を発表し、日本ダービー(G1)で3勝を挙げた福永祐一騎手(栗東・フリー)など7人が合格した。46歳の福永は来年2月いっぱいで騎手を…

日本がワールドカップの一部、になった日。

週明け早々から深夜に行われたカタールW杯ノックアウトステージ1回戦、日本対クロアチア戦。「4度目の正直なるか!?」というメディアの煽り以前に、ドイツとスペイン、という優勝経験国を倒してトーナメント表上に席をつかんだ、というこれまでの経緯を踏ま…

「奇跡」という言葉は似合わない勝利。

4年に一度の大イベント、とはいえ、何歳になっても朝は苦手だ。 だから、日本中がそわそわしていた金曜日も、午前4時から始まる試合をリアルタイムで見るつもりは毛頭なかった*1。とはいえ、終わった後の結果をいきなり見せられるのは悔しい天邪鬼だから、昨…

一喜一憂するなかれ。

グループリーグ初戦でドイツに逆転勝ちして勢いに乗るチームと、スペインに大敗して戦意喪失しかかっていたチーム。2戦目にこの2つのチームが対戦する、と聞けば、ほとんどの人が前者の勝利を予想する。だから、日曜日の夜は、多くの人々が日本代表の勝利を…

そうだ、これは「アジアの」W杯なのだ。

始まる前は、中東、それも何もないことで有名だったカタールなんかでできるのか?という懐疑ムードが強かった4年に一度の祭典だったが、始まってしまえばいつものワールドカップ。国家の富を存分にアピールする立派すぎるスタジアムに、世界各地の予選を勝ち…

遅れてきた良血馬と”馬産地”の意地がもたらした波乱。

エリザベス女王杯、と言えば、ちょっと前まではノーザンファーム、社台ファームの馬たちの独壇場のようなレースだった。ここ10年、「血統が良い馬が走る」という当たり前の現実を嫌というほど思い知らされてきた中でも特に「エリザベス女王杯」とくれば、煌…

意外でも何でもない「必然の26人」

前々から知ってはいたが、長年刷り込まれたカレンダーからはあまりに外れた日程ゆえ、まだ「直前」モードには入れない今年のカタールW杯。だが、登録メンバーの発表となると、いよいよ・・・という気分にはなってくる。 「日本サッカー協会は1日、ワールドカ…

欅の向こうに一瞬だけ見えた1998年の幻。

昨年、エフフォーリアがダービーからの直行でこのレースを制したインパクトがあまりに大きかったから、なのか、今年は春のクラシックを沸かせた3歳勢が揃って同じ路線を選択し、そこを英国帰りの前年ダービー馬・シャフリヤール&札幌記念組が古馬を代表して…

父の数字に並んだ日。

快調だった夏競馬から一転、様々な雑音の影響もあってか、勝利からしばらく遠ざかってファンをハラハラさせた時期もあった今村聖奈騎手。だが、10月10日、約1カ月ぶりの勝ち星を挙げ、翌週から三場開催のローカル場所に戻ってからは再びの勝ち星量産体制。そ…

地上の星より輝いた薔薇。

春の牝馬クラシックで二冠に輝いた今年の一番星、スターズオンアース。オークスの後、一頓挫あったと伝えられていたが、何とか秋華賞には間に合わせて、春から直行での三冠チャレンジ。元々、何となくきれいな名前の馬だな、と思っていたのだが、この週末、…

久しぶりに、震えた。

昔々、贔屓球団の勝ち負けが自分の生活の中心を占めていた時代があった。始まりは、「勝てば嬉しい、負ければ悔しい」という単純な話だったのだが、そのうちあまりに負け続ける姿を見すぎたために、下手に勝ったりするとかえって落ち着かず、夢じゃないかと…

信じる者は救われる。

本来なら、パリ・ロンシャンからもたらされる朗報で日本中が湧きたつはずだった、10月最初の日曜日。大挙して4頭が遠征。それも決して数合わせではなく、今年のダービーを制したばかりの旬の3歳馬に、昨年の菊花賞馬&目下の国内古馬最強馬、さらに海外で実…

波乱の秋が幕を開け。

様々な地殻変動が起きる中、今年も冬、春、夏と乗り切ってきた中央競馬。秋になればさすがに・・・とばかりに、中央開催に戻った最初の週、3つの重賞全てを1番人気馬が勝った*1のを見た時は、「今年もいつもの秋競馬か」と思いかけたのだが、JRAアニバーサリ…

これぞ「ノンフィクション」の醍醐味

いろいろな反動で、ここのところちょっとぼんやり気味で過ごす日も多かったのだが、Number最新号の特集と、そこから引っ張られての「ノンフィクション2冊比べ読み」は最高の知的刺激になった。Number(ナンバー)1058・1059合併号[雑誌]文藝春秋Amazon雑誌の方…

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