商事

これが今の「答え」だった。

途中までは連日追いかける努力はしていたものの、年の瀬が迫るにつれ、とてもすべてはフォローしきれなくなってしまったのが、東証の市場選択手続きをめぐる各社の動向。多くの会社にとって実質最終営業週となった20日からの1週間でも相当数のリリースが出て…

至極真っ当な結論と、敗れた者の潔さ。

ここ1、2カ月、機関法務系界隈を賑わせてきた関西スーパーマーケット株式交換差し止め仮処分申立て事件が、神戸地裁、大阪高裁と続いたシーソーゲームの末に、ようやく最高裁での決着をみた。 「関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オーリテイリング(…

泣いても笑ってもあと20日。

最近、定期エントリーのようになってしまっている東証の市場選択手続きの話。各社に通知が送られた頃は、まだまだ先の話だな、と思っていたのに、気が付けば手続期限まで20日を切っている。営業日としては実質10日ちょっと。今月の半ばから後半に取締役会へ…

必要なのは規範か、それとも目の前の事案の解決か。

10月29日の臨時株主総会からはや1か月以上が経過した。僅差で可決されたはずだった経営統合に向けた会社提案(株式交換)は、11月22日の神戸地裁の仮差し止め仮処分決定で一転。 異議申し立ても退けられ、会社側が絶体絶命の状況となったところで、12月7日、…

何が本当の「スタンダード」なのか分からなくなる今日この頃。

2年前の暮れから追いかけ続けてきた東証の市場区分見直しの話*1も、いよいよ12月末の選択手続き期限があと1か月ほどに迫り、今月の半ばくらいから連日、新市場選択に関する各社の適時開示資料が大量に公表されるようになってきている。7月の上旬に東証から一…

これが本当の「幕切れ」になることを願って~東芝ガバナンス強化委員会報告書より

”劇場型”の株主総会で株主提案を退けたのもつかの間、「議決権集計問題」に端を発した疑惑の火が「圧力問題」で燃え上がり、臨時株主総会で株主提案が一部可決、さらにそれに基づく会社法316条2項の調査者報告で明らかにされた事実を契機に定時株主総会を経…

泰斗のお言葉は重い、からこそ・・・。

週明け早々、日経法税務面の明日からしばらく話題になりそうな某メーカーの記事の隣に上村達男・早稲田大学名誉教授の「経済教室」の論稿が掲載された*1。上村先生と言えば会社法の世界では誰もが知る学界の権威。早大を退職されたのは2年前のことだが、その…

プライムより、プレミア?

月初めの記事*1でも触れたところだが、10月に入り、いよいよ来春の東証新市場区分に向けた様々なリリースが世に出てくるようになってきている。今ちょうどピークを迎えつつある2月期決算会社(含む5月期、8月期、11月期・・・)が、決算短信発表に合わせて市…

その責任は「取締役」が負うべきなのか?

大阪地裁が、会社法429条1項に基づき特許権侵害に基づく損害賠償責任を侵害会社の取締役に負わせた判決(大阪地判令和3年9月29日)が先日公表された。後述のとおり、会社に対して損害賠償請求を命じただけでは被侵害者の実効的な救済が図れないと思われるよ…

理屈では語り切れない話だからこそ。

いよいよ暦が9月から10月に変わり、今年も残り3か月を切った。 そしてそれが意味するのは、新市場区分への選択手続期限(2021年12月30日)まで残り3か月を切った、ということでもある。7月の東証からの「一次判定結果」の通知を引き金に、上場各社から間断な…

嵐の前の熱狂。

ここのところ、どうにもこうにも落ち着かない。理由はいろいろあるが、その一つは間違いなく、日本の株式市場の「根拠なき上げ」だ。そもそも、五輪前後のゴタゴタに新型コロナの感染急拡大も相まって、日経平均が年初来安値*1を付けてからまだ1か月も経って…

またしても持ち出された「優越的地位の濫用」に思うこと。

水面下では既に動きがあったのかもしれないが、自分には初耳だったこのニュース。 「公正取引委員会は新規株式公開(IPO)時に企業が適切に資金調達できているかの調査を始めた。事前に証券会社などと決める公開価格と、最初に売買が成立した初値の差が欧米…

これが新しい時代の幕開けになるのか?~「バーチャルオンリー株主総会開催決定」の報に接して

産業競争力強化法の改正により、一定の要件をクリアすれば「場所の定めのない株主総会」が認められるようになる(産業競争力強化法第66条1項)、という流れになったことを受けて、改正法成立前から定時株主総会に”先取り”的に定款変更議案を提出する、という…

劇的な回復とその先にあるもの。

前々から予想された通り、世の中、新型コロナか五輪か、という感じで、メディアはこの2つの話題一色(二色?)・・・という感じになってしまっているが、そんな中ひっそりと、だがよく見ると凄いことになっているのが、4-6月期の決算発表である。この一週間…

「会計限定監査役」の任務懈怠をめぐる最高裁の再逆転判決と、高裁に与えられた宿題。

昨日、7月19日、最高裁第二小法廷で、いわゆる「会計限定監査役」の任務懈怠の有無について一つの判断が示された。 「監査役設置会社(会計限定監査役を置く株式会社を含む。)において,監査役は,計算書類等につき,これに表示された情報と表示すべき情報…

「プライム」移行に向けた喧騒の始まり。

東京証券取引所から、上場各社に対し「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について」という書面が届いたのは先週の金曜日のこと。前々から予告されていたことではあるし(※以下の資料の35~36頁参照。)、”当落線上”の会社であ…

何度看板を掛け替えれば、前に進むことができるのだろうか・・・。

ここに来て「猫も杓子も・・・」と言った感じで持ちきりなのが、「改訂コーポレート・ガバナンスコード」の話題*1。毎度のこととはいえ、ちょうど3月期決算会社が本格的に株主総会を迎えるタイミングで正式リリースされたものだから、どこの会社も必然的に想…

瞠目すべき成果を生み出したのはフォレンジックの進化か、会社法316条2項の威力か、それとも・・・?

さる6月10日に公表された「株式会社東芝 調査者」名義の調査報告書。 www.nikkei.com結論部分を斜め読みしつつ、100を超えるページ数(計121ページ)に恐れをなしてしばらく寝かせてしまったのだが、この週末に一通り目を通してみた。「調査者」という見慣れ…

次々と示される「補足説明」の説得力やいかに?

もう目前に迫っている、といっても差し支えない「株主総会2021」最大のヤマ、各社6月総会。多くの会社では招集通知の発送まで終え、日々送られてくる議決権行使状況のデータを眺めながらカウントダウンに入っているところだろうし、そんな中、役員の思い付き…

引き上げられたバーチャルオンリー総会のハードル?

季節はめぐり、今年も佳境に差し掛かりつつある「株主総会2021」。今月の半ばくらいからは、連日のようにどこかの会社で招集手続の開始を告げる取締役会が行われ、付議される議案がリリースされるようになり、今週に入ってからは「中3週間」を遥かに超えるよ…

見えてきた今年のトレンド。

毎度のことではあるが、この一週間も話題は「コロナ」であふれていた。思えば1年ほど前の”マスク”に始まって、”アプリ”から目下の話題の”ワクチン”まで、「何でそうなるの・・・!!」という突っ込みを入れたくなるような、これまで世界屈指の先進国と思われ…

パブコメは出せなくても、思いはどこかで・・・。

これくらいの歳になってくると、時間が過ぎ行くのもただただ早くなる。新型コロナ禍下、どこかで見たような光景が繰り返される日々となればなおさらだ。そんなわけで、パブコメの募集が始まった頃は、「まだまだ締切りは先だから、余裕があれば・・・」なん…

その物語には続きがあった。

連休中、ということもあって、見た目の数字は落ち着いたように見える「新型コロナ」だが、多くの医療機関が閉まっている時期ですら全国で4,000人超、重症者数は日々増加の一途を辿っている、ということで、連休明けの宣言解除など望むべくもない状況である。…

混沌の先にあるのは希望か、それとも・・・。

先月末に有識者会議で”お披露目”したのを見て以来、随分と温めてしまっていたのだが、今週、正式に金融庁からも東証からもリリースされたのを踏まえ、新「コーポレートガバナンス・コード」の話題に触れておくことにしたい。※東証が開始したパブリック・コメ…

本当に大変なのは、たぶんこれからなのだろうと思う。

首都圏の緊急事態宣言解除を控えた週末。心配された雨も土曜日のうちには降らず、気温も程よい感じ。だからなおさら・・・だったのか、街の人出はいつになく多く、夕方過ぎの飲食店も、”ごった返す”という表現がしっくりくるような混雑ぶり。一瞬、「もう解…

令和元年改正会社法がこれからの季節にもたらすインパクト。

暦の上では3月、となると、そろそろざわつき始めるのが会社法界隈のならわし、というべきだろうか。3月期決算会社が年度末に向けてラストスパートに入り、来るべき「6月」に向けて動き出す中、それなりのボリュームがある12月期決算会社は月末に一足早い株主…

これは「入門書」の究極型かもしれない。

コンセプトからして購買意欲をそそるに十分で、告知が出るなり早々に予約して取り寄せた書籍がこの週末に届いた。「入門書」ということで、読み手に優しい文章と、時にキュートさすら感じさせる挿絵の図解、そして細かく区切られたテーマごとに完結する記述…

鮮明になりつつある勝敗とその先にあるもの。

新型コロナ関連のニュースがこの国に吹き荒れ始めてからしばらくは、「経済活動壊滅」とか「大不況」といったトーンの記事がメディアを飾ることも多かった。確かに、中国国内の生産拠点や国際輸送の物流網が乱れた昨年の1-3月期や、初めての「緊急事態宣言」…

「給与口座」はどこへ行く?

いろんなところで旗が振られていたにもかかわらず、なかなか普及していなかったキャッシュレス決済が、ようやくじわじわ広がってきたな、と感じられるようになったのは、「ポイント還元」が始まった2年前の秋辺りだっただろうか。k-houmu-sensi2005.hatenabl…

これは東証からの「クリスマスプレゼント」なのか?~理想と現実の間を彷徨う「市場区分見直し」

多くの会社では年末休みに入ったと思われる29日、今年の荒れた相場を象徴するように、日経平均は700円を超える上げを見せ、遂に27,000円の壁を超え、30年4カ月ぶり、という歴史の扉を開いた。先月末の勢い*1を考えると時間の問題だったとはいえ、年内は「防…

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