商事

法務にできることは何なのか?を考えさせられる報告書。

数年前、五反田の土地を舞台にした、いわゆる「地面師」による大掛かりな詐欺事件が報じられたのはまだ記憶に新しいところである。一昔前、まだバブルの余波が残っていた時代(自分がまさに駆け出しだった頃)は、この手の話を耳にすることはそれなりにあっ…

「社外圧」をかければかけるほど・・・の皮肉。

実行開始の日が着々と迫り、ソワソワする人も増えてきたかな・・・という感じになってきた「東証市場再編」。そして、そこで生死を分ける重要な基準になるかもしれない「新・コーポレートガバナンス・コード」もベールを脱ぎつつある。8日の有識者会合で何ら…

「会議体への幻想」を乗り越えない限り、バーチャル総会は決して定着しない。

様々なところで「デジタル化」の動きを加速させようとしている現政権だが、遂に「株主総会」に関しても一歩進んだ領域に踏み込もうとしているようである。 「政府は企業の株主総会について完全なオンラインでの開催を認める検討に入った。物理的な会場を設定…

走り去るバスには乗れなかったけれど。

週末に大統領が決まり、一気に日経平均が500円以上上がった東京市場から、中国、東南アジア、欧州まで、次々と上げの波が伝播していき、夜も深まり、本家・米国の週明け市場が開いたに戻ったところで、すわ30,000ドル突破か!と思わせるような過激な爆上げ・…

顕在化した「二極化」と、この先に起きるかもしれないこと。

長らく「コロナ不況」一辺倒だった日経紙のトーンもようやく変わり始めた気がする。今朝の朝刊、第2面に掲げられた見出し。 「コロナ下高値、進む二極化 環境適応力で差」 (2020年11月7日付朝刊・第2面) 記事の中身に目を通せば、どちらかといえばまだ「株…

結局、誰も勝者にはなれなかった。

創業から約半世紀の名門家具メーカー、大塚家具が”親子喧嘩”で有名になったのは今から遡ること5年ちょっと前の話。社長を一度退いた後に返り咲き、定時株主総会で自らの父親と対峙して一躍時の人となったのが、大塚久美子社長だった。ここ数年は、有名企業で…

気持ちはよく分かるのだけれど・・・~経団連株主総会オンライン活用提言より

怒涛の「株主総会2020」は、6月期決算会社の開催やギリギリまで引っ張った継続会等もほぼ一通り終わった、ということで、既に総括と来年に向けた「提言」が行われるフェーズになってきている。そんな中、日本経済団体連合会より、「株主総会におけるオンライ…

たぶん、これまでで一番ドラスチックで、ドラマチックな季節の始まりの日に。

2020年10月。様々なことが年初のスケジュール通りに進んでいたら、今頃は五輪が終わって各種経済指標が黄信号、赤信号を灯し始め、「長期安定政権」を揺るがす様々な爆弾が火を噴き始める・・・そんな季節になっていたはず。だが現実には、COVID-19という特…

ドコモは何処へ・・・

悪い冗談のようなタイトルになってしまったが、日が変わるくらいのタイミングで日経の電子版に大見出しで掲げられた記事を見つけたときの感想は、まさにこれだった。朝8時に、当事者が親子そろって「現時点で決定した事実はありません。(でも)本日の取締役…

これがアナログな時代のお伽噺になることを願って。

「新型コロナ下」で様々なドラマが繰り広げられた「株主総会2020」。ギリギリまで継続会等で引っ張った3月期決算会社がまだわずかに残っているような状況ではあるのだが、それでも多くの会社では一段落して来年に向けてあれこれ考えを巡らせ始めたタイミング…

それはコロナのせいじゃない。

そういえば・・・ということで、過ごしている間はすっかり頭の中から抜け落ちていたのだが、さる三連休の真ん中、日曜日は、本当なら東京五輪が閉幕する日だったようである。半年くらい前までは、五輪のスケジュールとか大体は頭の中に入っていて、それを逆…

悪い数字に騙されるな。

新型コロナウイルス感染判明者が全国で連日1000人を超える中、先月末から四半期の決算発表シーズンに突入している。日経新聞には、このシーズンの出だしから、連日のように派手な減収減益、巨額の赤字、といった類の記事が掲載されていたし、今月に入ってか…

目指すべきは「ハイブリッド」の先にある。

月曜日の日経法務面のトップに「バーチャル株主総会」の話題が取り上げられていた。中身のメインは今年「出席型」のバーチャル株主総会を開催した13社がささやかに取り組みの成果を振り返る、というもので、この手の調査で対象となった全社が回答した、とい…

いつのまにか七夕、でも株主総会2020はまだまだ続く。

都知事選で現職知事が圧勝したのもつかの間、週が明けても東京都下の感染者数は100人の大台を超えたところで横ばいが続き、まだ終わっていなかった「第1波」がじわじわと盛り返してきている。小池知事が連呼した「夜の街」のインパクトが強すぎて、”自分には…

戦いの後に残るもの。

どの会社も今年の2月くらいから、イレギュラーにイレギュラーを重ね、知恵を絞って対応してきたであろう「株主総会2020」。その間、「新型コロナウイルス感染症」をめぐる世の中のムードも激変する中、自社の役員から監査法人までいろんなものに振り回され、…

「19億3600万円」の謎。

昨年からずっと世間を賑わせてきた関西電力役員らの「金品受領問題」。当初この話を聞いた時は、「しがらみの多い会社」にはありがちな話だな、というのが率直な感想だったし、会社関係者側に共感できるところも多々ある事案ではないか、と思っていたのだが*…

「先生のご見解」をあらぬ方向に一人歩きさせないために。

4月の初め頃に公表された「調査報告書」*1を一目見て以来、これはコメントしなくては・・・とずっと思い続けていた天馬㈱の「海外子会社において認識された不適切な金銭交付」をめぐる問題。自分は純粋に、ここ数年取り組んできていた「外国公務員贈賄規制」…

本当の「ノーマル」を取り戻せる日は来るか?

今月初めに突如として打ち出された「東京アラート」は、どうやら、レインボーブリッジを赤くライトアップするための一過性のイベントに過ぎなかったようだ。未だに都内では、連日、20名前後の新規感染判明者が出ているし、一足先に”緩和”に舵を切った国々で…

それでも「6月」にこだわることを「形式主義」などというなかれ。

新型コロナウイルスの影響が深刻になり出した3月くらいから、関係者に心休まる日はなかったのではないか、とさえ思う今年の3月期決算会社の定時総会も、いよいよ本番目前、というところまで来た。おそらく、明日のトヨタ自動車の総会を皮切りに、経済メディ…

これも、もちろん大切なことではあるけれど。

いろいろあった通常国会もいよいよ終盤、ということで、注目されていた法案が続々と成立している。これもその一つであり、制定から10年以上の時を経てようやく改正にこぎつけた、という点でも非常にエポックメイキングな改正法ということができるだろう。 「…

じわじわとパラレルワールド。

ウイルスには本当に隙がない。想像していたとおり、GW明けの”緩み”の影響がここにきて如実に数字に現れ始め、とうとう「東京アラート」発令という事態となった。まだまだ「爆発」には程遠い状況ではあるし、推定される感染経路が今報じられているとおりなら…

6月19日の前か後か、それが本当に問題、なのか?

これまでの1,2か月、仕事で一息ついた後にカフェに行き、冷たいコーヒーを一杯注文したものの、それまでの感覚だと「閉店」するにはあまりに早いタイミングで店員さんに声をかけられて(あるいは店内に大音量で流れる「蛍の光」に追い立てられて・・・)、…

本当に大変なのは、ここからだと思う。

先週の後半くらいから既定路線になっていた「全都道府県での緊急事態宣言解除」が、遂に現実のものとなり、これで、いよいよ経済活動本格再開!とばかりに、市場などはかなり浮足立ったムードになっているようなのだけど・・・。現実には、「売り上げが立ち…

その「老婆心」が贔屓の引き倒しにならないことを願って・・・。

連日同じようなネタになってしまって恐縮なのだが、本日当局からリリースされた資料の中に、これは・・・というものがあったので、ひとまず取り上げておく。テーマはもちろん「定時株主総会」。そして、出元は、今それどころではない?(かもしれない)法務…

変わるのか? 変わらないのか?~「6月定時株主総会」に向けた様々な思惑。

世界では500万人を突破し、なおも増え続けている新型コロナウイルス感染判明者だが、日本国内に目を移せば、本日、関西3府県の緊急事態宣言解除が決定されて残るは1都1道3県。北海道に関しては気候的な面も含めてまだ微妙な面は残るものの、首都圏1都3県の解…

遥かなる大地に再び立てる日は来るのか?

日本では急スピードで収束に向かいつつある「新型コロナウイルス禍」。あれほど猛威を振るった米国や欧州からも、ペースの違いはあれど、既に「制限解除」の声は聞こえてくるようになったから、気の早い株式市場が盛り上がるのもまぁ当然か、という状況では…

省令改正を待ちながら・・・。

4月以来、全国に発令されていた「緊急事態宣言」が、遂に39県で解除されることが決まった。もしかしたら、一足早く自分の居住エリアの解除が決まって喜んでいる人も多いのかもしれないが、今日までの感染者判明数(そしてその前段の相談件数等)の揺れ具合を…

「延期」か「継続会」か、それとも「予定どおり」か? 6月定時株主総会をめぐる瀬戸際の攻防。

GWが明けて、止まっていた時計の針が一気に動き出したような気がする。街に繰り出す人の数は確実に増えた。「緩んでいる」という見方をする人はいるだろうが、暫しの「接触8割減」の時を経て街中での現実的な感染リスクが下がっているのも間違いないところで…

雪解け過程での「継続会」判断はあり得るか?

首都圏ではまだ一応「STAY HOME」は続いているようなのだけど、GWからの流れを引き継ぐかのようにじわじわと日常が戻りつつある。先日のエントリーでも書いたとおり、大手の系列のカフェや飲食店は相変わらずシャッターを下ろしたままだが、個人経営の小規模…

今問われているのは、「個人情報保護」を言い訳にしない誠実さ。

一連の”コロナ騒動”が始まってから、「社員/従業員の感染が判明した場合のスタンス」が会社によってあまりに違い過ぎることがずっと気になっていた。特に3月の終盤から4月にかけて感染者数が激増し、ある程度の規模の首都圏の会社なら、確率的に1人や2人は…

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