法律

こんな時だから、振り返っておきたいこと。

3連休が明けてから本当にいろいろな動きがあって、世の中のムードもすっかり変わりつつある。 そして、「このままで大丈夫なのかなぁ・・・?」という漠然とした思いに駆られながら↓のようなエントリーを上げたのが、まだ先週のことだ、というのが信じられな…

「逃亡者」をかばい立てするつもりは全くないのだけれど。

昨年末から今年にかけて、連日話題になってしまっている「カルロス・ゴーン逃走劇」。保釈中の被告人として日本で公判を待つ身だったはずなのに、年の瀬に突如としてレバノンから電撃的な声明発表。 やがて明らかになった逃走の手口は、プライベートジェット…

それでも自分は「出版」に期待する~「ブックガイド2020」に接しての雑感

何だかんだといつものように年末を慌ただしく過ごしてしまったこともあり、目を通すのが延び延びになってしまったBusiness Law Journal年末恒例の「ブックガイド」特集。Business Law Journal 2020年 02 月号 [雑誌]作者:出版社/メーカー: レクシスネクシス…

年末になってようやく・・・の「情報システムモデル取引契約書」改訂

2019年もあとわずか、そして年が変われば改正民法施行までたったの3か月・・・という状況の中、注目されていた経済産業省筋の情報システム・モデル取引・契約書(改正民法対応版)がようやく公表された。 「情報処理推進機構(IPA)は24日、2020年4月の民法…

「ブックガイド」が出る前に。

いよいよ年末進行モードということで、Twitter上では、毎年恒例のBLJブックガイドの登場を待ち望む(?)つぶやきもチラホラ見かけるのだが、今日の時点ではまだ書店には並んでおらず・・・。ということで、自分の中では”もう一つのブックガイド”となってい…

最近の法律雑誌より~2019年11月号(ジュリスト、法律時報)

先月は慌ただしさにかまけて思いっきり飛ばしてしまったこの企画だが、今月は刺さる記事、特集が多かった、ということもあって復活させてみる。 特に読んでおきたいのは「ジュリスト」だろうか。 ジュリスト2019年11月号(1538号) ジュリスト 2019年 11 月…

「所有」がリスクになる時代

台風19号は日曜日の昼には温帯低気圧になって消えたが、残した爪痕は日を追うごとに大きく伝えられるようになってきている。特に堤防が決壊し、広範囲にわたって水に浸かってしまっているエリアは、地元の人間でさえ今日くらいからようやくおそるおそる家に…

「個人」の刑事責任を追及することの難しさと虚しさ、そして模索すべき第三の道。

検察審査会ルートで強制起訴され、東京地裁で審理されていた東京電力福島第一原発事故に関する業務上過失致死傷被告事件の判決が出た。2015年7月の起訴議決に始まり、在宅起訴を経て、行われた公判は、2017年6月の第1回公判を皮切りに実に37回*1。事故からは…

最高裁が示した「模範解答」

「諫早湾土地改良事業(土地干拓事業)」というフレーズは、自分が高校生の頃に「意識の高い級友が議論してたな」ということを「ムツゴロウ」の愛嬌ある映像と一緒に思い出すくらい古い記憶の中に刻まれている。その後、水門が閉じられ、「農業者対漁業者」…

狂騒の末の「行政指導」は、この先何をもたらすのか?

先月来、随所に話題を振り撒き続け、既に個人情報保護委員会の勧告・指導も出されていた「リクナビDMPフォロー」問題に関し*1、今度は件の会社のコア事業を所管する厚生労働省(東京労働局)から、痛烈な行政指導が出た。 「就職情報サイト「リクナビ」を運…

民事裁判「審理迅速化」の落とし穴

昨年くらいから、「裁判のIT化」という話が(議論だけは)結構急ピッチで進んできていて、法曹界もかなりザワザワしてきた印象を受けるのだが、そんな中、さらに大きな波を立てるような記事が日経紙の朝刊に載った。 「最高裁や法務省が参加する研究会が、民…

最近の法律雑誌より~ジュリスト2019年9月号

早いものでもう月末。いろいろ慌ただしくなっている今日この頃、一部の記事に関しては斜め読みしかできていないところもあるのだが、それでも、手元にある雑誌類は、どれも一エントリーを立ててご紹介する価値のあるものばかりなので、今月もそれぞれでご紹…

香港の「自由」を守るために必要なもの。

以前、このブログでも取り上げた香港の抗議活動。 継続的な活動の結果、発端となった「逃亡犯条例改正案」の審査が「無期限延期」となり、これでヤマを越えたかと思いきや、翌日に「200万人集会」。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comそして、さらに2か月近く…

最近の法律雑誌より~法律時報2019年7月号

ここ数カ月、「法律雑誌」紹介のエントリーをシリーズ化しつつあるのだが、今月の『法律時報』は、単発でも間違いなく取り上げていただろう。 最近のトレンドを踏まえた特集と、そこに掲載された珠玉の論稿。読者の方には、自分の拙いエントリーを読む前にさ…

最近の法律雑誌より~ジュリスト2019年7月号

先月に続き、今月も購読中の法律雑誌のコンテンツがかなり充実していたので、再び2回に分けてご紹介することにしたい。 まずはジュリストから。ジュリスト 2019年 07 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2019/06/25メディア: 雑誌この商品を含むブロ…

Ruth Bader Ginsburg判事の人生と、これからの自分と。

よく考えたら、もう2年くらい出張の飛行機の中でくらいしか映画というものを見ていなかったな、ということに気が付いて、久々に映画館に足を運んだ。www.finefilms.co.jp86歳を迎えた現在でも、米国連邦最高裁で現役の判事として活躍されているルース・ベイ…

「知財立国」時代の残り香、のようなもの~令和元年特許法改正への雑感

余裕があるようで、ちょっと何かあるとバタバタ慌ただしくなって、ブログの更新が遅れ気味になってしまうのが最近の反省材料ではあるのだが、一つメモしておきたいネタを見つけたので、アップしておくことにする(2019年5月12日更新)。10日の日経夕刊に、以…

今日は「憲法記念日」だから。

ここのところずっと祝日が続いていて、だんだん「今日は何で休みなんだっけ?」ということを考えることすら面倒になってきているのだが、法務系ブログで「憲法記念日」とくれば、やはり反応しないわけにはいかない*1。で、日経紙の特集を読みながら、ここ数…

最近の法律雑誌より~2019年5月号(ジュリスト、法律時報)

シリーズ化できるかどうかは分からないけど、せっかく自腹で買っている雑誌が毎月届いているのだから・・・ということで、時間があるうちに、簡単にメモを残しておくことにしたい*1。 ジュリスト1532号(2019年5月号) ジュリスト 2019年05月号 [雑誌]出版社…

個人情報保護法「いわゆる3年ごと見直し」に係る検討の中間整理

前日の報道に引き続き、26日付の日経朝刊にも「望まぬ情報利用に拒否権 改正案に「使わせない権利」広告停止など可能に」という見出しで、比較的詳細な記事が掲載された個人情報保護法改正の動き。個人情報保護委員会のWebサイトにも4月25日付で意見募集の告…

「プラットフォーマー規制」と「個人情報保護」の交錯。

先日のエントリー*1でも取り上げた「巨大プラットフォーマー規制」の概要が、4月24日に開催された「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」で公表されたようである。残念ながら公取委、経産省、総務省のいずれのWebサイトを見ても…

「ルール」を作る、ということ。

この国で「新サービスによるイノベーション」と「規制」との緊張関係が話題になって久しいが、そんな中、この種の話題が好きな日経紙の法務面に、再び「新興ビジネス」と「ルール」に関する記事が掲載された。 「スタートアップや新しいビジネスに携わる団体…

「平成30年度重要判例解説」より(その1)

タイガー・ウッズ復活優勝の話を取り上げようかどうか迷った末に、 今日は、こちらのネタで行くことにする。平成30年度重要判例解説 (ジュリスト臨時増刊)出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2019/04/11メディア: ムックこの商品を含むブログを見る年に一度、こ…

何事も「タイミング」は大事。

昨日の一番のニュース、といえばやはりこれ。 「東京地検特捜部は4日、オマーンの販売代理店に支出した資金を自らに還流させていたとして、日産自動車元会長、カルロス・ゴーン容疑者(65)を会社法違反(特別背任)容疑で逮捕した。「オマーンルート」の強…

ようやく出た。

昨年から「出る出る詐欺」みたいな状況がずっと続いていたので、22日の夜にちらほらと報道が出たのを見ても、個人情報保護委員会のプレスリリース*1を見てもなお、あまり信用していなかったのであるが、European Commissionのプレスリリースとして出たのを見…

被疑者の叫びと、この後に待ち構えていそうなドラマ。

今日、東京地裁で行われたカルロス・ゴーン氏の特別背任事件に係る勾留理由開示期日。 報道によると、大方の予想(というか、関係者による事前予告?)のとおり、終始innocent*1であることを主張する、という展開となったようである。依然としてゴシップも含…

一冊の新書に込められた思い。

昨年の今頃世に出た、著作権を解説する一冊の新書がある。はじめての著作権法 (日経文庫)作者: 池村聡出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2018/01/16メディア: 新書この商品を含むブログを見る自分は、最初この本を店頭で見かけた時、カバーに「企…

本丸での戦いに勝算はあるのか?

先月来、世の中を賑わせているカルロス・ゴーン元日産会長の事件。 ミーハーな話題抜きに、いわゆる「企業犯罪」に関する刑事司法手続の在り方を考える上では非常に興味深い素材なのでしばらく追いかけているのだが、ここにきて、金商法違反の被疑事実での勾…

意外なところで第1号。

そんなに大きくは取り上げられていなかったものの、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」という長ったらしい名前の法律の成立を受けて、感度の高い各企業の担当者が戦々恐々としていたのは、もう5年くらい前のこと…

「立場」も必要性も理解はできるのだけれど・・・。

東京地検による日産のカルロス・ゴーン元会長らの起訴、そして再逮捕。 捜査手法に対するグローバル級の批判が鳴り止まない中、会見に臨んだ東京地検次席検事のコメントが報じられている。 「適正な司法審査を経て再逮捕に至ったことを理解してほしい」(日…

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