金杯でそこそこの乾杯。

今年も東西の金杯をメインに始まった中央競馬

年によっては「金杯」のレース日が平日に設定されることも多いので、最初の開催日は見送り、というパターンになることも結構あったのだが、今年は昨年に続いて週末の開催。
そして、中山の方はコース巧者のウインブライトが低評価を覆して勝った上に*1、一昨年から追いかけているステイフーリッシュが2着に突っ込む、という絶好の決着となり、京都の方も明らかにモノが違う感のあった1番人気・パクスアメリカーナが順当に勝利*2、ということで馬券的には上々の結果だった。

昨年、美味しいところをほとんど全部持って行ってしまったルメール騎手と、ミルコ・デムーロ騎手が8日まで「海外渡航」で不在となり、東西ともに力関係のはっきりした日本人騎手同士の戦いになったことで*3、オッズにもレース展開にも攪乱要素がなくなった、ということも背景にあるのだろう、全体として開幕日にしてはいつになく荒れない展開となり*4、フィーリングで買ったWIN5も5レース中4レースまで的中・・・というところまでいったのだが*5、ここで運を使うよりは・・・ということで前向きに受け止めておくことにする。

JRAが慣例に反して、「HOT HOKIDAYS!」のキャンペーンを3年目に突入させる*6と聞いた時に、そろそろ自分らの世代は“歓迎されざる客”になって来ているのか、という心配も軽く胸をよぎったのだけれど、そんなことを気にしても仕方ないので、今年も淡々と買い、淡々とグチをこぼす、そんな一年を過ごしていければな、と*7

*1:データ重視の中穴派にとっては一番うれしいパターンである。

*2:明らかに強い馬には逆らわない、というのも長年の経験で身に付けた「知恵」である。

*3:その割に、しょっぱなの中山第1Rを、短期免許で来日中の23歳の騎手(マーフィ)に持っていかれてしまったのはちょっといただけなかったが・・・。

*4:京都では12レース中9レースで1番人気馬が勝利する、というめったにない結果だった。

*5:正確には両金杯が終わった時点で的中!を確信したのだが、その後、一番堅い決着(単勝1.7倍のモズスーパーフレアが優勝)になった中山10R(カーバンクルS)で別の馬を指名していたことに気付き、ガックリ・・・というパターンだった。

*6:2019年も「HOT HOLIDAYS!」 JRA参照。これまではどんなに好評なシリーズでも2年で交代させていたのだが、そんなにこのシリーズ、JRAの偉い方々のツボに嵌ったのだろうか・・・?

*7:個人的にはこのCMを、「仲間とワイワイガヤガヤ」のノリで競馬場に人を呼び込んでも、年を食って仲間がいなくなったらもう来なくなるよね・・・的なシュールな目で眺めていて、それよりは「あなたと話したい競馬があります」シリーズのような、本質的なところで魅力をアピールした方が長く定着するファンを増やせるんじゃないかな、と思ったりもするのだけれど、関係者ではないのでこの辺にしておく。

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蹉跌を超えて辿り着いた頂点。

去年まで、というか、つい2日前までは永遠に続くと思われていた「深緑」の快進撃が遂に止まった。
第95回箱根駅伝、2015年から続いていた青山学院大学の連覇ストップ、そして新たに頂点に立った東海大学

青学の時代が続いていたといっても、たかだか4年、昨日10連覇が夢と消えた帝京大ラグビー部に比べたら大した話ではない*1、という声もあるのかもしれないし、勝った東海大はユニフォームこそ見慣れないものの*2、チームとしては46回の出場経験に往路優勝の実績もある名門校だから、青学が初優勝した時ほどのサプライズではない、という意見もあるだろう。

ただ、箱根を前に「学生駅伝三冠」の夢が早々と絶たれていた昨年とは異なり、今年の青学は出雲、全日本と既に2冠を達成。
しかも、昨年卒業した4年生の穴を2年生、3年生がきっちりと埋めていて、「今年は通過点、更なる連覇も可能」というのがレース前の評判だった。

だから、往路4区、5区の大ブレーキでまさかの6位、首位の東洋大に5分30秒の差を付けられた時も、「これも新たな奇跡への序章だろう」とくらいにしか思っていなかったのであるが・・・。

結果的には、往路では区間賞をとった選手は皆無ながら青学がしくじった後半4区、5区で巧みに巻き返しでトップに1分14秒差の好位置(2位)につけ、復路で“最古の区間記録”を破った8区・小松陽平選手を筆頭に全ての選手が区間の3位以内で走り切った東海大が、往路・復路とも2位ながら総合優勝、という珍しいパターンで逆転優勝を遂げることに。

青山学院にしても、復路に10000mの持ちタイム28分台の選手を4人並べる布陣だったから、たとえ5分30秒の差でも全くあきらめてはいなかったはずで、現に、往路で首位だった東洋大は最終10区できっちり捕まえて、復路新記録、総合タイムでも新記録、という見事な結果を残している。

ただ、9区の吉田圭太選手*3にしても、アンカーの鈴木塁人選手にしても、追いかけようとする気持ちが強すぎて、区間の序盤で差を詰めた勢いを終盤まで持続させることができず、その一方で、逃げる東海大は9区の湊谷春紀主将、10区の郡司陽大選手が、自分のペースで慎重に入って最後まできっちり実力を出す、という鉄板作戦に徹したことで、タイム差3分以内のエリアに深緑のユニフォームを侵入させることを阻んだ。

もし何かの弾みで、走る順番の前後が入れ替わっていたら、全く逆の結果に、あるいは、それ以上に青学がぶっちぎる結果となっていただろう、と思わせるほど、青学の各選手の走りが見事だっただけに、1つのブレーキが大きく結果を変えてしまう駅伝の怖さを、我々は思い知らされることになってしまったのである・・・。

ちなみに、自分の中では、ユニフォームがまだ空色だった頃の、往路に"超大学級”の選手を並べて古豪勢を食いにいっていた東海大の印象が強い。
あれよあれよという間に1区から首位を快走して初の往路優勝を遂げた2005年もそうだし、一番迫力があったのは、1区の佐藤悠基選手が2位に4分以上の差を付けて襷をつなぎ、続くエースの伊達秀晃選手も2区でほぼ区間賞の走りを見せて大量リードを保ったまま疾走した2007年だった。

一方で、それだけ爆発力のある選手を擁しながら、その後の区間でレースを面白くしてしまうのもこのチームの弱点だったわけで、2007年にしても往路5区の大失速により、往路優勝すら逃す結果となったし*4、伊達選手、佐藤(悠)選手が揃った最後の学年だった翌2008年は、両エースの踏ん張りで7区(この年は佐藤悠基選手が復路のこの区間に回り区間賞の快走を見せた)まで3位に粘っていたものの、8区、9区で失速した挙句、10区でアンカーの選手が転倒して棄権の憂き目に・・・‘’*5

その後も2年続けてシード落ちと苦戦が続いた後、2011年に当時の大エース・2年生の村澤明伸選手の17人抜きの快走と5区の早川翼選手の粘りで往路3位、復路でも粘って総合4位に入って一瞬復活の兆しを見せたものの、監督が新居利広氏から現在の両角速氏に代わった翌年には復路の失速で再びシード落ちし、2013年の大会にはまさかの予選会落選で連続出場記録までストップさせてしまう*6

5年前の第90回大会(2014年)で復活し、その翌年以降は4年連続シード圏内を確保。
戦術的にも、それまでの「往路一発」作戦から、力が拮抗した選手をうまく配置して復路でも順位を落とさないようにする作戦に切り替わりつつあったが、もがいている間に、かつての全盛期(2004~2008年頃)には常に一つ下のランクにいた東洋大や、その頃は出場さえしていなかった青山学院大が優勝争いの常連校に「成長」していく姿を目の当たりにさせられた関係者の焦燥感は察するにあまりあるところであった。

平行して懸命なスカウティング活動等を行ったゆえだろうか、2年前の第93回大会(2017年)では、補欠も含めた16名のエントリー選手の半分を「1年生」で固め、当日も往路で1年生4名を起用する策で青学に挑んだこともあった。
結果的には見事に打ち砕かれたものの、この時の1年生は今年のメンバーにも補欠を含めて7名エントリー、うち、1区の鬼塚選手(区間6位)を除き、実際に走った全員が区間3位以内の力走を見せており、経験が見事に生きた形になっている*7

ただ、高校駅伝の歴史に残る名将として母校に迎えられた両角監督にしてみれば、戦術の変更や先を見据えた選手起用が「分かりやすい結果」に結びつかない、という現実は実に歯がゆい状況だったはずで、レース前の「今年勝てなかったら来年も・・・」という言葉にもそんな思いが滲み出ていたから、今は積み重ねが実って本当に良かったですね・・・ということに尽きる*8

今回の優勝を機に、「青」が「深緑」に代わって新たに覇権を築くのか、それとも再び戦国時代に突入するのか、現時点では何とも予測できないところではあるのだけれど、両角監督にも、青学の原監督と同様に、「箱根が終わりではない」というポリシーは備わっているように見えるだけに、今回の東海大の優勝が「世界」を見据えた陸上界のレベルアップにつながることを信じて、新たな「名門」の登場を祝うことにしたい。

*1:あとで結果を見た時に一瞬誤報か?と思ったくらいのびっくりニュースだった。今年の対抗戦で明大に負けた、というニュースを聞いた時も、ん???と思ったのだが、やはりそれだけチーム力が落ちていた、ということなのだろう。決勝のカードは早稲田対帝京、そして早稲田が対抗戦の雪辱を晴らす、と予想していたが、結果的には全く「裏」のカードになった。

*2:今年はずっとテレビ中継ではなくラジオで聞いていたので、最後のゴールシーンで初めて見て一瞬違うチームが最終区で逆転したのか?と思うくらい衝撃を受けた・・・。学校のカラーに統一した、ということのようだが、伝統のある他校(順大、神大等)の色ともかぶるし、個人的には“らしくない”と思うので、できれば次のシーズンからは戻してほしい・・・。

*3:今シーズンブレイクした2年生で出雲、全日本とも区間賞を取っている選手。

*4:初代山の神・今井正人選手の4人抜きの快走があったとはいえ、東海大の選手も区間14位と大失速しており、“自滅”に近い形の敗北だった。

*5:往路優勝した次のシーズン以降、距離の短い出雲駅伝ではこのチームで3連覇を遂げているくらいだから、トップレベルの選手のスピードでは他の有力校には決して負けていなかったはずなのに、起用選手数が増え、距離も伸びる箱根駅伝になると、どこかで穴ができてしまう、というのがこのチームの最大の弱点だった。この時代で総合順位がもっともよかった年が、伊達選手らが入学する前の2004年(総合2位)だったというのも皮肉な話で(この年に目立っていたのは山登りの中井祥大選手くらいで、抜群に力が抜けた選手はいなかったと記憶している)、力が抜けた選手が入ったがゆえに、かえってチームとしてはバランスが悪くなったところもあったのかもしれない。5区に伊達選手を起用して失敗する等、選手起用も決してうまいチームではなかった。

*6:特に、2012年のシード落ち、2013年の予選会落ちは、両角監督自身の佐久長聖高校時代の教え子でもある村澤選手のコンディション不良とも重なっていただけに、「送り出す側」から「迎えて起用する側」に転じたがゆえの難しさも感じさせるエピソードとなってしまった。

*7:この時、5区の2桁順位でブレーキ役を演じた館澤亨次選手や、6区で順位を押し上げられなかった中島怜利選手が今回の優勝の立役者になっているし、この年に往路15位からシード権を取り返した7区以降の上級生の頑張り(石橋安孝選手(4年生)の4人抜き(区間賞)など。)も、昨年5位、今年優勝というプロセスにつながっている、と考えると、非常に感慨深いものがある。当時の感想については誰も止められなかった深緑。 - 企業法務戦士の雑感参照。

*8:どうしてもすべてのスポーツを監督目線で見てしまうのが最近の傾向で、それは駅伝とて例外ではない。

波乱なき最後の一日。

有馬記念の後に訪れた、中央競馬最後の開催日。
昨年は、ルメール騎手がまさかの0勝で200勝の大台を逃す、という“波乱”もあったので、今年も若干の不安と期待をもって見守っていたのだが*1、蓋を開けてみたら、年間史上最多勝にリーチをかけていたルメール騎手が4レースから順当に4つの白星を積み重ね、堂々の最多勝記録更新*2

メインのホープフルSも、断トツ1番人気のサートゥルナーリア以下、人気馬が軒並み好位置をキープし、最後は早めに先頭に立ったアドマイヤジャスタ&ルメール騎手と、インから馬群を絶妙に捌いたサートゥナーリア&M・デムーロ騎手の一騎打ちの末、1番人気、2番人気で順当に決着する形となり*3、有馬の失敗をホープフルで取り返す、という去年の再来を願った馬券愛好家にとっては、実に残念な結末となってしまった。

今年は今年、来年は来年。
だから、ホープフルSの勝ち馬が同条件の皐月賞で全く勝てないのと同様に、一年の傾向をストレートに反映したようなこの日の結果が来年にそのまま持ちこされるとは限らないのだけれど、今年最後の数か月を見て、日本人騎手の上位2人(戸崎騎手115勝、福永騎手103勝)の勝ち星を合計しても、ルメール騎手の勝ち星とほとんど変わらない、という状況はそうそう変わらないのかな・・・という感情を抱いてしまっているファンは多いと思われるだけに*4、まずは新年の計、「金杯」から何かが変わることを願うばかりである。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20181223/1545630630参照。

*2:215勝、というキリの良い数字。来年以降、モレイラ騎手、M・デムーロ騎手とのつばぜり合いもより厳しくなることが予想される中で、ルメール騎手本人といえでも、この数字を塗り替えることは早々簡単なことではないだろう。今後この数字を超える騎手が出てくるのかどうか、自分には想像もつかない。

*3:ついでに言えば実績の割に人気が伴わないニシノデイジーが、今回もきっちり追い込んで馬券に絡み、1~3番人気による鉄板決着で落ち着いた。

*4:これは騎手の技量もさることながら、馬主、厩舎サイドの意向に強く影響される話なので、今の潮目はそう簡単に変わらないかな、という気はする。

一つの時代が終わるとき。

今年はいろいろと浮き沈みが激しい一年だったこともあり、それまでのルーティンの中でピタリと「断絶」してしまったものも結構多い。

その一つがフィギュアスケートを見る、というたしなみで、それまでなら、シーズンが始まった時点で、今年の●●選手の曲目はこうで、プログラムの構成はこうで、というのが大体頭の中に入っていたのに、今シーズンはグランプリファイナルが終わってもまだ「活字」ベースの情報収集以上のことはしていない。

自分の中では、前シーズンの江陵での歓喜と悲劇を目撃して、何となく感情がピークアウトしたところもあるし、何度も繰り返される氷上の“新陳代謝”について行くのに疲れた、というところもある。

ただ、今シーズン、紀平梨花選手が大躍進を遂げている、というニュースだけはやっぱり気になっていて、これだけは見なくては、ということで、(競馬中継以外では)久々にテレビを付けたのが今年の全日本フィギュア(女子フリー)だった。

結論から言えば、最終グループ滑走者、特に結果的に「トップ4」を占めた紀平梨花三原舞依宮原知子、坂本花織(滑走順)の4選手の演技には、凄い、の一言。

一昔前の全日本選手権の最終グループといえば、極度の緊張感から、どんな実績のある選手でもある程度のミスは付き物、という印象はあったし、それゆえ、精神力の強さを発揮してパーフェクトな演技をした選手が浮上する*1、という構図になりがちだったのだが、昨年の全日本フィギュアあたりから、「大舞台でもミスしない」というのがむしろデフォルトになった感があって*2、今年も最初に滑った紀平選手を皮切りに、上位に入った選手たち*3がほぼノーミスで滑り、合計220点を超えるスコアを次々と叩き出す*4、という極めてえげつない展開となった。そして、そんな中でも、伸びやかなスケールの大きさが飛び抜けていた坂本選手が「SP2位」の貯金との合わせ技で優勝し、続く2位には、2度のトリプルアクセスを完璧に決めて抜群の技術点を支えにフリーで堂々の1位を確保した紀平選手が入る*5、という、演技を見ていた者ならだれしもが納得する結果に・・・。

4大会連続で守り続けていた女王の座から陥落した宮原選手にしても、決して転倒等の大きな失敗があったわけではなく、流れの中で最後まできっちり演技はしていたし、昨年のスコアを上回る223.34点というハイスコアも出しているのだが、それでも、「3番手」にしかなれなかった、というところに、この1,2年の女子フィギュア界の「地殻変動」の恐ろしさがある*6

結果的に世界選手権に選ばれた顔ぶれは、昨年の五輪代表2名に紀平選手が加わっただけだし、日が変わった翌日の男子フリーで、(いつものように羽生結弦選手が欠場する中)宇野昌磨選手が安定の3連覇を成し遂げ、2位には久々に復帰したレジェンド・高橋大輔選手が入る*7、という、あまりのお約束的な結果になってしまったゆえに*8、全体としては落ち着いた印象となってしまったのだけど、それでも、女子最終グループの戦いは、ちょっと時間が経てばYou Tubeで振り返ってみたくなる気分になることは間違いないような気がして・・・。

長いサイクルの中で浮き沈みがあるのもフィギュア界の常。
これまでにも、「層が厚いな」と思った数年後に一気に選手層が薄くなってしまう、という事態に陥った*9ことがあるだけに、先のことまでは何とも言えないのだけれど、今は、今年の大会が、数年後振り返った時に「あの時が転換点だったな」と思えるような存在になることを、ただ願うのみである。

*1:トリノの選考の時の村主章枝選手や、二度の五輪前の選考会にきっちり合わせた鈴木明子選手など。

*2:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20171223/1514073783参照。

*3:負傷上がりの樋口新葉選手だけは、ちょっと気の毒な演技になってしまったが、それ以外の選手は・・・

*4:あくまで国内大会なので、基本的にスコアはインフレなのだが、それを差し引いても・・・である。

*5:去年の全日本でも感じたことだが、この選手はジャンプ以上に、ステップ、スピンを丁寧・確実にこなすので(この日も全てレベル4、高いGOE加点付き、である)、全く危なっかしさを感じない。

*6:ちなみに、個人的には、宮原選手以上に音楽にピタリと合わせて伸び伸びと演技をしていた三原選手のプログラムに魅了された。フリーでは宮原選手を上回る3位、合計でも昨年の宮原選手の優勝スコア(歴代の全日本優勝者の中でも最高のスコアだった)を上回る220.80点、というハイスコア。それでも最終順位では「4位」に留まって世界代表切符を逃してしまうのだから、もうこれは時代の悪戯、というほかない。

*7:さらに言えばその次に田中刑事選手が入る、という構図もこの3シーズン全く揺らいでいない。

*8:冷静に考えると、高橋大輔選手が現役復帰して表彰台に立った、というのはすごいことなのだけれど、現役時代の高橋選手の印象があまりに生々しく記憶の中に残っているがゆえに、不思議なくらいイレギュラーさは感じない。

*9:最近では、特にソチ五輪後のアレレ・・・?という状況が記憶に新しいところ。

29年ぶりの雨、が有馬記念にもたらした波乱。

昨年のキタサンブラックのような絶対的な主役はいない。

だが、秋の天皇賞を制したばかりのレイデオロを筆頭に、この秋絶好調のキセキ、牝馬G1タイトル持ちのモズカッチャン、凱旋門賞帰りのクリンチャーと4歳の主役級は一通り参戦し、迎え撃つ5歳陣も引退レースのサトノダイヤモンド、元ダービー馬マカヒキ宝塚記念馬・ミッキーロケットと、今年の屈辱を晴らすにはふさわしい顔ぶれ。
さらに、6歳勢もG1常連の元JC優勝馬シュヴァルグランに、上がり馬・パフォーマプロミスが顔を揃え、最後に人気投票で上位に食い込んだオジュウチョウサン武豊騎手騎乗、最内枠で話題を振りまく・・・と、多士済々で各メンバーのストーリー的にも馬券的にも近年稀に見る面白さになったのが今年の有馬記念だった。

ローテーションからしても、外国人騎手が席巻している今年後半の流れからしても、レイデオロの優勝はまず堅くて、順当ならその後にキセキ、シュヴァルグラン。キセキが連戦の疲れで飛ぶようなら、C・デムーロ騎手騎乗のパフォーマプロミスやマーフィ騎手騎乗のミッキーロケットに食い込む目が出てくるか・・・といった緩い予想で臨んだのであるが・・・。

勝ったのは唯一の3歳馬、ブラストワンピース。
過去10年、1番人気の勝率60%、という「鉄板」レースであるにもかかわらず、4番人気のイナリワンが制した29年前のグランプリレースと同様、3番人気の馬が上位人気馬を蹴散らす、という結末で「平成最後の有馬記念」は幕を閉じることになった。

鞍上はかつてオルフェーヴルでグランプリ騎手の名声をほしいままにしていた池添謙一騎手だったから、外国人騎手の連勝もここでピタッと止まった*1

以下、言い訳も兼ねて、ちょっとだけ振り返ってみる。

*1:こういうところはさすが池添騎手、と、同じ日本人としてちょっと誇らしかった。

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「外高日低」を象徴するようなレース。

阪神開催になったのはもう4年前のことなのに、未だに「朝日杯」と聞くと、反射的に「中山」のメインレースだと勘違いしてしまうのはオールドファンの悲しい性。

そして、このレースに出ているのは全て牡馬である、という観念まで染みついているから*1、1番人気になっていたグランアレグリア牝馬だった、ということに気付いたのも当日の朝だった。

個人的には、なんだかんだ言って、本当に強い牝馬は、全く同じ条件ならここで無理して朝日杯を使うことなんて考えないだろう、と思っているし、2年前の早熟馬・ミスエルテの例もあるから、ルメール騎乗のグランアレグリアに関しては良くて入着が限界だろう、と考えていた。

そしてそうなると、デビューから3連勝、最近では勝ち馬こそ出していないものの、デイリー杯2歳S組(2番人気だったアドマイヤマーズがこれに該当)よりは、過去10年の勝率も連対率も高い京王杯2歳S組のファンタジスト、そして鞍上の武豊騎手が、いよいよこのレースで初のタイトル奪取&日本人騎手連敗記録を止める、という帰結になって然るべきだった。

それが・・・である。

先行していたグランアレグリアが直線で今一つ伸びを欠いたのは、まさに予想どおりだったのだが、好位追走で直線でもいい感じで追いかけてきていたファンタジストが外にコースをとったものの思いのほかジリっぽく伸びず・・・。
そして気が付けば、グランアレグリアをあっさり交わして先頭でゴールにたどり着いたのは、勝てないローテだったはずのアドマイヤマーズ&M・デムーロ騎手だった。

これで外国人騎手のG1連勝は10週連続。そして、武豊騎手はまたしても残ったパーツを埋められずじまい。

気が付けばあっという間に中央競馬もクライマックスに突入し、来週はもう有馬記念、というところまで来てしまっていることに衝撃を隠せずにいるところではあるが、それ以上に来週もまた、レイデオロやらモズカッチャンやら、といった、かましてくれそうな馬に外国人騎手が乗り、武豊騎手が“ネタ”出場のオジュウチョウサンの鞍上に甘んじていることが何とも残念でならない。

このまま外国人騎手の連勝が続いたうえで、最後の最後のホープフルSで、来年に向けた希望とともに、日本人騎手がG1タイトルを取り返すことができるのであれば、それにこしたことはない、と思っていたりもするのだけれど、気分的には来週が今年の最後だけに、ほんの一週間の間だけでも、夢を見ていたいと思っている。

*1:確かに2003年までは牝馬は出走できないレースだった、という歴史もあるのだが・・・。

どれだけお膳立てが整っても・・・。

前週のチャンピオンズCまで秋のG1を「外国人騎手」が勝ち続けている、というニュースは、もうあちこちで散々流れているので繰り返さない。

「外国人」といっても、通年で騎乗しているルメール騎手やミルコ・デムーロ騎手がずっと乗ってきた馬で勝つのはある意味当然のことだし、日本人だけが日本の競馬を支えているような時代でもないのだから、あれこれ言っても仕方なかろう、という思いはある。

ただ、香港でビッグレースがある関係で、今年飛ぶ鳥を落とす勢いのモレイラ騎手(元々は香港所属)はもちろん、ルメール、M・デムーロの両騎手も日本国内のG1をパスした今週の日曜日には、連続記録も止まるかな、というささやかな期待をしていたのも確か。

常に、カタカナ表記の騎手名が馬柱に4人も5人も名を連ねていた前週までとは異なり、第70回の阪神JFに騎乗する外国人騎手は、まだ若いC・デムーロ騎手と、今年来日したばかりのアヴドゥラ騎手の2人だけ。
そして、C・デムーロ騎手が騎乗したダノンファンタジーと、アヴドゥラ騎手が騎乗したペルスールは、ファンタジーSの1.2着馬ではあるものの、過去10年、同レースから参戦した42頭のうち、阪神JFを勝ったのはたったの1頭しかいない。

データ的には、武豊騎手が乗るシェーングランツ(ソウルスターリングの妹)や、福永騎手に乗り替わったビーチサンバ(名牝・フサイチエアデールの娘)などのアルテミスS組と、OP勝ちから参戦する北村友一騎手のクロノジェネシスあたりの方がずっと勝つ確率は高かったわけで、さすがに今回ばかりは・・・という思いで馬券を買ったのは、自分だけではなかったはずである。

それが・・・だ。

終わってみれば、スタートで後手を踏んで「もはやこれまで」と思われたダノンファンタジーが、直線で巧みに前を捌いて半馬身差優勝。

続く人気を集めていたクロノジェネシスは、最速の上がりを見せたものの、位置取りがダノンファンタジー以上に悪すぎてあと一歩届かず、ダノンより前にいたはずのビーチサンバやシェーングランツも追い出しでモタモタしている間に先を越されて万事休す。

そんなに差がない戦いだったとはいえ、結局今週もC・デムーロ騎手にタイトルを持っていかれてしまった、というのは、大惨事というしかないだろう*1

特に、ビッグレースがある週に招待レースで香港に行っていながら、斜行して騎乗停止処分をくらい、肝心の週末には現地での騎乗馬もなく日本に舞い戻らざるを得なかった武豊騎手にとっては、踏んだり蹴ったりの一週間になってしまった。

JRAの情け(?)で、オジュウチョウサン有馬記念に勝つ、という一筋の「夢」はまだ残されたものの、先のある2歳馬、3歳馬に有力なお手馬がいてこそ、の騎手人生。

今日、日本で乗っていなかった「外国人」騎手たちが、次のレースで今日勝てなかった馬たちに乗る可能性も十分にある*2ことを考えると、勝つべきところで勝てなかったツケは、後々まで重くのしかかってくるのではないかな、と思わずにはいられないのである*3

*1:そもそも、データ的には買えないはずのダノンファンタジーが1番人気に支持されていたこと自体、福永騎手や北村友騎手はもちろん、武豊騎手ですら国内のファンには信用されていなかった証というほかない。

*2:シェーングランツにしても、一度はルメール騎手が乗って未勝利を脱出した馬である。

*3:ちなみに、ダノンファンタジーの主戦だった川田騎手が香港に行かずに日本でそのまま乗っていたら、そのまま勝つにしても順番が変わるにしても、「外国人騎手の連勝」を止められた可能性は高いのだが、今日のシェーングランツのレースを見る限り、武豊騎手がタイトルを獲れた可能性は限りなく低いわけで、おそらく次は乗り替わりになるのだろうな・・・と。