ジュリスト8/1・8/15合併号

法律雑誌をいくつか自腹で年間講読している*1
今号は「新会社法」特集で、会社法全条文が付録で付いている美味しい号である。
ただ、個人的には、この分野、必要に迫られて目を通してはいるものの、
実務的にも学問的にも魅力を感じない。
特に、毎年続いた商法改正のフィードバックさえ曖昧なままなされた
今回の法改正に対しては、かなり冷ややかな目で眺めている自分がいる。


なので、早大の上村教授の論文の中の以下のフレーズには、
溜飲が下がる思いがした。

「今回の改正は全体として、法の遵守ができない企業実体への配慮ばかりが目立ち、本格的な株式会社にとって何が必要かという視点を欠いている。ある制度の合理性を批判する際に、それを潜脱する手法がある以上制度を置く意味がない、という論法は補足説明の随所に見られる」(上村達男「Ⅱ株式会社関係・清算関係」ジュリスト1295号98頁(2005年))

上村教授は他の記述でも、「実務の要望」と、それを丸呑みにした
今回の改正の胡散臭さを手厳しく批判されている。
ライブドア事件の時に、「『反動的な』識者」として批判された方ではあるが、
学者としての信念(潔癖さ?)は終始貫かれているように思われる。


次号から始まる「探究・労働法の現代的課題」シリーズの連載は楽しみだ。
今号にプレで座談会が組まれているが*2
宮里弁護士も中山弁護士も、ちゃんとカラーを出されているから、
読んでいて面白い*3


以前労働事件を担当していたときに、
会社の代理人が、労働弁護団の先生を始終批判してたのを聞かされてたから、
両者は決して交わることのない存在なのかと勝手に思っていたが、
ちゃんとこういう場をコーディネートできるあたり、
今の日本の法曹界の懐の深さを感じる*4

*1:会社でも取っているのであるが、勤務時間中に読みふけるのは気が引けるので・・・。

*2:荒木尚志岩村正彦=中山慈夫=宮里邦雄「特別座談会・連載開始にあたって」ジュリスト1295号148頁以下(2005年)

*3:ところどころ噛み合わない議論もあるけど(笑)。

*4:しかも、宮里先生と中山先生は東大ローで一緒に労働法演習を担当しているとかいないとか。設備環境には全く魅力のない東大だが、こういうところは「さすが」と思わせるだけのものを持っている。

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