知識と経験の差

民事訴訟法の教科書を開くと、
訴訟手続の説明として、訴状提出→口頭弁論→証拠調べ→結審→判決、
という記述が必ず出てくる。


だが、自分のこれまでの経験の中で、
裁判の「期日」といえば、ほとんどが「弁論準備手続」の期日を指していた。
口頭弁論は最初と最後だけ。
あとは、弁論準備手続の場でほとんどの主張、立証を出し尽くし、
形だけの口頭弁論で陳述して終わり、という事件がほとんどであった*1


最近、知財高裁の運用を調べていて分かったのだが、
最近の迅速、集中審理の風潮の中では、
第一回の口頭弁論期日すら、もはや形骸化しているようだ。


認否は書面、あとは弁論準備手続で集中審理を行い、
最初の口頭弁論期日=結審前の最後の儀式、ということになるそうである。


刑事訴訟ほどではないが、
民事訴訟に関しても、「知識」と「経験」の間には大きなギャップがある、
と感じた次第。


ちなみに、以前、提訴後約2年、
延々と「裁判所による」審理引き延ばし*2を経験した身からすれば、
半年ちょっとで決着が付くというのも、決して悪いことではないと思うけど、
当事者(&代理人)にとってはなかなかプレッシャーがかかるものである。

*1:複雑な立証を要する事件を担当したことがない、ということもあるが。

*2:第一回口頭弁論期日において和解勧試がなされた後、ひたすら和解協議の日程ばかりが積み重なっていった。

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