三冠の余韻

今日は、久しぶりに水道橋のWINSに出かけた。
目的は勿論ただ一つ、無敗の三冠馬誕生の瞬間を見届けるため。


PATが普及した今になっても、
自分が馬券を買う時は、必ず競馬場かWINSへ行く。


そこに集いし老若男女たちの、
悲鳴だか怒声だか分からない声援や、
本命馬が負けたときのため息、怒声、嘲笑といったリアクションを、
共有できるのは、「現場」に足を運んだ者だけだからである。


さて、肝心のレースの方は、
ディープインパクトにしては珍しく、
冷や冷やさせられっぱなしの展開であった。


スタートで好位に付けたところまでは良かったが、
その後スローペースに嵌ったのか、
道中はひたすら掛かりっぱなし*1


さらに悪いことに、
向こう正面でシャドウゲイトアドマイヤジャパンを引き連れて大逃げを打ち、
あれよあれよと十数馬身の大差。


ただのテレビ馬ならコーナー付近で潰れるのを待てば良いが、
アドマイヤジャパンは年初めに超素質馬と言われていた器である。


案の定、最後のコーナーから直線に向いても、
一向に差が詰まる気配はなく、普通なら楽々逃げ切れるような展開に。


そこからゴール前でしっかり差し切ってお釣りまでつけたところが、
ディープインパクトの非凡さ、というべきなのだろうが、
ブライアンを超える大ぶっちぎりの勝利を見たかった自分にとっては、
かなり不満の残る結末であった*2


あえて前を捕まえにいかなかったのか、
それとも折り合いをつけるのに必死で、前を捕まえに行く余裕がなかったのか、
自分には良く分からないが、
今日の武豊騎手の手綱さばきは、決して褒められたものではない*3


JRAの過剰なまでの演出も、かなり鼻に付いた。


今日、唯一の収穫があるとすれば、
いつも、負けた馬と騎手には散々罵声を浴びせ、
勝った馬は褒めずに馬券を取った自分を褒める(笑)、
という愛すべき習性を持つ、WINSに集う老若男女たちが、
なんと、ゴール直後に大きな拍手と喝采勝利者に浴びせる、
という滅多に見れない瞬間に立ち会うことができたこと。


レースそのものの余韻は、11年前の秋に遠く及ばなかったが、
あの拍手喝采の余韻は、少し時間が過ぎた今になっても、
自分の中に残っている。

*1:後で聞けば、よどみないペースで流れていたようだが。

*2:ついでに言えば、「順当な」レース展開を信じて疑わなかった自分にとって、馬券的には大いに不満の残る結末であった・・・。

*3:ダンスインザダークが「脅威の末脚」を見せた直後に現役続行不可能になった記憶がまだ残っているだけに、なおさらである。

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