27日、28日と二日続けて、
『矢井田瞳 HERE-TODAY LIVE 2005』@日本武道館に行ってきた。
(以下、ネタバレあるので「ビデオ観るまで見たくない」という人はご注意を。)
初日は二階席のステージ正面。
二日目はなんとアリーナ前から4列目。
ヤイコの魅力は、なんといっても、
当代随一といっても良い、張りのあるヴォーカルと抜群の声量、
そしてステージ上を走りまくっても、全く声が乱れない、という
恐るべきタフさにある*1。
だから、これまではヤイコの生声が聞ければ、
席はどこでもいいや、と思っていたのだが、
やっぱりアリーナは違う・・・。
後ろからだと、照明の関係で見えない、
ステージ上の曲間の所作、息遣い、
そして、バンドメンバーの動きまできっちり見える、というのは、
やはり遠くの席では味わえない醍醐味である。
ちなみに、ヤイコのライブは、昨年、2002年のドームツアーと、
一昨年の夏のツアーに続いて4度目だが、
今回は、構成、演出、ファンのノリともに
最高レベルであった。
「Darlin'Darlin'」が大ブレイクしてから、はや5年以上経つ。
当然ながらファンも年季が入ってきたし、
ステージ上も、もう十分に盛り上げ方は心得ている*2。
定番のタテノリ系とバラード、ミディアムバラードを組み合わせた構成は、
詰め掛けたファンを酔わせるのに十分であった。
ドームツアーの時の演出は、
火だの雨だの、といった大仕掛け(逆に言えば大雑把さ)が目立ったが、
舞台が武道館に変わった今回は、曲ごとに細かい照明テクニックが駆使されていて、
実に玄人好みの仕上がりになっていた。
そして何よりも楽曲が良い。
ヤイコが出てきた頃、
「曲と声は最高だが、詞は何だかなぁ・・・」というのが率直なところだったが、
その後、特にこの1,2作のアルバムに収められた彼女の書いた詞は、相当に深い。
“売れ筋”の曲から離れ、アーティスト志向を強めるにつけ、
CDの売り上げ自体は下降線をたどってきているのは確かだが、
ライブを見に行く側からすれば、
年々“物語性”を持ったステージを見ることができるようになって、
嬉しい限りなのである。
以下、セットリスト。
初日と二日目は、弾き語りの部分と、
MCの中の“即興演奏”に違いがあったが、
概ね同じ構成になっている。
#1 (新曲)
#2 Chapter02
#3 七色ピエロ
#4 Everything Is In Our Mind
#5 NOT A PERIOD
#6 彼女の理由
#7 虹のドライブ
(MC)*3
#8 モノクロレター
#9 マーブル色の日
(MC)*4
#10 弾き語り〜 Over the Distance(初日)/この恋はもうしまってしまおう(二日目)
#11 月をみていた
#12 雨と嘘
#13 Buzz Style
#14 明日からの手紙
(MC)*5
#15 マワルソラ*6
#16 アンダンテ
#17 B'coz I Love You
#18 Dizzy Dive
#19 Look Back Again
#20 My sweet Darlin'*7
#21 ビルを見下ろす屋上で
#22 ゆらゆら
(アンコール)
#23 Pajama Holiday*8
#24 Life's Like A Love Song
#25 月のなみだ
二日続けていっても、
もっと、いつまでも聴いていたいと思わせてくれる、
そんな至福の時間であった。
なお、アルバム名を冠したツアーということもあって、
最新のアルバムは全曲使われていた。
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個人的には、
シングルでも発売されていた「モノクロレター」や
「雨と嘘」あたりがグッとくる。
「モノクロレター」より
無力さを棚に上げては 空の青さを憎んだり
どこまでも優しいあなたが頼りなく思えた
戻らない景色が一つ また一つ
目を閉じれば溢れていくけど
さらさらと手を振った
帰ることないこの場所から
街明かり そのどこか
あなたの幸せを願う
哀しみも 愛せたなら
叶わないものはないわ
(作詞・矢井田瞳)
「マーブル色の日」や「ビルを見下ろす屋上で」あたりは、
往年の加藤いづみを彷彿させるようなアレンジだが、
それもまた良い。
あと、開場前のグッズ売り場で買ったCD。
良質なアコースティックライブの魅力をご堪能いただければ幸いである。
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*1:自分が知る限り、女性ヴォーカリストで同じ芸当ができるのは、全盛期の中島みゆきくらいだと思う。
*2:昨年のドームライブが「振動対策」ゆえに、タテノリ系の曲を分散させた構成だったこと、さらに今年のこれまでのライブがアコースティックライブだったため、ファンが「飢えていた」(笑)のも確かだろうが。
*3:過去の「別れ」のエピソードをうかがわせる(ベタだが)意味深なコメント(アルバムの曲の変遷を見ていれば推察できることではあるのだが・・・)。このMCの後に聞くから「モノクロレター」がまた一段と良い曲になる。
*4:初日はここで夢の話+AI「Story」の即興弾き語り。二日目は違うMCで会場大爆笑。今回はいつになくMCも面白かった。
*6:武道館の天井につるされたミラーボールが綺麗。
*7:アンダンテからのハイテンポな曲5連発で、場内の盛り上がりも最高潮に。
*8:斬新な手拍子。今後の定番になるか。