学校シリーズドラマ再放送

年末の楽しみの一つに、
日頃見られないドラマをまとめて見られる、というのがあるが、
今年も日テレが『女王の教室』、TBSが『ドラゴン桜』と話題作を一挙に再放送。


抗議が殺到した(らしい)*1
女王の教室』。


最後の方のセリフとか聞いていると、
まったくもって、真矢先生(天海祐希)の言っていることは正しいし、
実は一番子供のことを考えていたということが分かるのだが、
それを差し引いても、この先生のやり方はあまり好きではない・・・。


「理不尽な仕打ちをすることによって、受け手の側に自覚を持たせる」という
この手の教育法は、実はそんなに珍しいやり方ではなく、
企業の新人研修等で日常茶飯事的にやっていることなので、
そんなに違和感はないのだが、
こういう、人間の“ネガティブパワー”に働きかけることで意欲を引き出す、
という手法は、結構当たり外れがある*2のでリスクが高い。


また、ドラマだからこそ、
「優秀な教育者が児童を思ってやったこと」という“美談”になるが、
残念ながら、形だけで中身が伴わない“指導”になってしまうことが多いのも
現実である。
もちろん、問題の投げかけとしては成功しているのだが。


2つ目は『ドラゴン桜』の桜木先生。
「世の中に越えられない壁なんてない」ってセリフはやはり心に響く。



個人的には、このドラマ(原作)で挙げられている試験の“テクニック”自体は、
さほど大げさに騒ぐべきものでもないと思っている。


確かに、短期的に成績を上げるために、あるいは某大学の問題を解くために、
参考になるポイントはいくつか挙げられているものの、
結局、その手の「テクニック」は、
自分自身で(真剣に)勉強をして、問題を解いていれば、
自ずから見えてくるものだから*3


だが、“精神論”的な部分に関しては、学ぶべきところは多いだろう。


たかが1年勉強したくらいで合格するなんて
ドラマ(漫画)の世界だけだろう、と思っている人は多いようだが、
実際、自分自身、
本格的に勉強を始めたのは高3の夏からだったが現役で同じ大学に受かってるし、
周囲にも同じタイプの人間は結構いたから、
これもあながちフィクションとはいえない*4


オリンピックのように一人、二人しか出られない、という世界とは違って、
数千人の枠はあるわけだから、後はやるべきことをやって、
自信を失わずに試験に臨みさえすれば、
誰にでも合格する可能性はある。


結局、ちょっと模試の判定が悪かっただけで諦めたり、
そもそも自分には能力がない、と初めから諦めていたり*5、という人が多いおかげで、
母校が合格者ランキングを10年以上も独走し*6
某大学がいまだに“神聖視”されることになっているわけで、
そういう風潮に一石を投じる意味では、
面白い作品だと思う。


同じ理屈は、他の試験(否、試験に限らず)でも同様にあてはまることだし。


もっとも、本当に大変なのは、
かの大学に入ることではなく、
“かの大学を卒業した”という看板を背負わされて歩くその後の人生の方である。
なので、「入りさえすればいい」「受かってから考えろ」という発想は、
心情的には支持できない*7


ちなみに、結構リアリティを追求しているように見えて、
おかしい箇所はたくさんあったのだが、
所詮テレビドラマにその辺を期待するのは無理というもので・・・(以下略)。

*1:ま、これもテレビ局の宣伝材料の一つといえるのだが。

*2:受ける側のマインドによっては、単に萎縮するだけに終わってしまう。

*3:逆に、「こうしろ」と最初に教えてもらったとしても、それを自分の中で消化するには、自分自身で“テクニック”を発見するのと同じ位の時間がかかるはず。

*4:夏休みに受けた模試の総合偏差値が確か30くらいだったのを思い出す。

*5:「能力」とか「素質」のせいにする人に限って、努力をしないものだ。

*6:有名私立校に合格者が多いのは、学校で特別な教育をしているからでも、“素材”が格段に優れているからでもなく、その学校の「実績」ゆえに、生徒も教師も過剰なまでの自信をもって試験に臨むことができるからだ(普通の学校なら、夏頃の模試で結果が出せなければ、当然に進路変更を勧められるだろう・・・)というのが、後になって気が付いた事実である。

*7:もちろん、受験戦略的にも、進路の迷いという“リスク”を減らす手段としても最良の考え方であることは認めざるをえないが。

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