「債権法」抜本改正へ

今朝の日経朝刊の1面に、
法務省が、契約形態の多様化に対応するため、
民法制定から110年を経て、「債権法」の抜本的な見直しに着手する、
という記事が掲載されている。


民法改正委員会」(座長:内田貴東大教授)が検討を進め、
2009年の法案提出を目指す、とある。


あと3〜4年で、今の民法の柱が大きく変わるのかと思うと、
現代の法制度改革のスピードにはただ驚くほかはない。


もっとも、記事の解説によれば、
「債権法が想定していなかった取引や契約形態」に対応するための
改正作業ということであるが、
仮に、現在存在するあらゆる“非典型契約”を想定した新規定を設けたとしても、
数年もすれば陳腐化してしまう可能性は否定できない。


法改正のスピードがいかに早くなったといっても、
変容していく取引のスピードに追いつくことは不可能だからだ。


現在民法が定めている“典型契約”の類型は決して多くはないが、
同時に、今世の中に存在している契約類型の多くは、
これらの“典型契約”の“亜種”である。


そして、現行民法の規定を一定の幅をもって解釈することにより、
当事者の衡平に配慮した結論を導き出す、
というのが、現在行われている法解釈の実務だと思われる。


今回の法改正が、民法の条文そのものの改正なのか、
それとも、民法とは別に体系的な特別法を作ろうとするものなのか、
現時点では分からない*1


だが、近年のいくつかの立法例に見られるように、
新法が、柔軟な解釈の余地が乏しい杓子定規な規定で埋め尽くされることだけは、
勘弁していただきたいものである。


人は、完全な法を作ることはできても、
それが世の中にもたらす「効果」を完全に予測することはできないのだから・・・。

*1:個人的には、民法の“典型契約”に関する条文をいくつか手直しした上で、特別法を設けるのが妥当であるように思われるのだが・・・。