インクカートリッジ事件−速報−

「速報」と謳いつつも、既に最高裁のウェブサイトに判決がアップされてから、
数時間も経っていることを恥じねばならない*1


午後3時に出た判決が、夕方にはアップされている、という、
知財高裁の気合の入りようや恐るべし、といったところである。


現時点では、訴訟当事者のウェブサイトでもコメントは発表されていないが、
(キャノン:http://canon.jp/
(リサイクルアシスト社:http://www.recycle-assist.com/
こういったリアルタイムの判決文アップが日常的になれば、


敗訴した側の常套句である

「まだ判決を読んでいないのでコメントできない」


という想定問答どおりのコメントが、
役に立たなくなる日も近いだろう*2


最近のムードからすれば、今回の判決の結論に意外感はない。


それに、増井弁護士と西村ときわの精鋭弁護士軍団がタッグを組んで*3
鬼のキャノン特許部隊が後方支援に回れば、
いかに難しい訴訟といえども、そうそう負けるものではないだろう。


いずれにせよ、上訴は必至の状況だろうが、
これから最高裁判決までの1年半、
リサイクル業界各社が、最悪のケースに備え、
“生き残る”ためにどういう手を打ってくるのかが、非常に興味深いものがある。


なお、判決の内容については、
「自分に理解できる範囲で」追ってコメントすることにしたい。

*1:知的財産権判決速報・http://courtdomino2.courts.go.jp/chizai.nsf/d36216086504bdc349256fce00275162/3f833955b41d23f64925710700290024?OpenDocument

*2:訴訟当事者になった企業の担当者は、結審に至るまでの審理展開、裁判官の心証の度合い等から推理して、判決言渡日には「完璧な」プレス対応用想定問答集を複数パターン用意している。したがって、よほど目算が狂ったときを除いて、勝っても負けても、コメントしようと思えばいくらでもコメントできるはずなのだが、広報担当者(そしてそれを報道するメディア)が好むのは、やはり、勝訴したときの「当社の主張が認められた公正・妥当なものと考えます」という一言と、敗訴したときの前述したコメントである(笑)。

*3:実態はどうだったのかは知らないが、以前のエントリーで述べた“憶測”(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20051031/1130859003)に反して、控訴人側代理人には両事務所の先生方が名前を連ねていた・・・。

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