実務家にとっては資料収集に欠かせないツールのひとつであった、
「裁判所」ホームページが、
何の前触れもなく、突如としてリニューアルされた。
(http://www.courts.go.jp/)
一言言わせてもらおう・・・。
ダイヤルアップでネットにアクセスしている人間*1にとっては、
このサイトは重すぎる!!
これまでの「裁判所のウェブサイト」って、
最新判決が気軽にチェックできて、
かつリンクが貼れるのがウリだったのに、
いちいち検索画面に入って、しかもたどり着いたらPDFファイル、
っていうのは、使い勝手が悪いにもほどがある。
リニューアル後の検索システムは、
市販の判例DBを彷彿させるものであるが、
これまでのユーザーの多くは、最高裁HPと判例DBを使い分けており、
判例DBにはないメリットを最高裁のHPに求めていたはず。
それが、こんな形になってしまうとは、
ユーザーサイドの利便性を軽視するにもほどがある。
唯一改善された点があるとすれば、
最高裁判所判例集とその他の裁判例集が統合されたことなのだが、
実際にキーワード検索してみると、
これまで検索できていた下級審裁判例が
ことごとく引っかからない。
また、これまでのような最新裁判例をチェックしたいユーザーのために、
「最近の知的財産裁判例一覧表示」へのリンクも張られているのだが*2、
リニューアル前は3月に入ってからの裁判例も検索されていたのに、
リニューアル後の「最新」裁判例が2月22日付、
しかも5件しか表示されない、というお粗末さ。
デザイン自体は洗練されているから、
おそらく外注した業者に言われるがまま、
(高い金をかけた)「見栄えのする」レイアウト(&システム)に
したつもりなのだろうが、
それによって、本来ウェブサイトが有していた利便性が損なわれてしまっては、
元も子もあるまい。
自分の過去のエントリーのリンクなどは、
まだ生き残っているようだから、
過去にアップした下位のツリーにぶらさがっているデータまで
すべて整理したわけではないのだろう。
今からでも遅くはない。
リニューアルされたレイアウトをすべて元に戻せとはいわないから、
ヘビーユーザー(ウォッチャー)向けに、
従来の表示画面へのリンクを復活していただくことを望みたい。
判決文をPDFファイルとしてアップするのも、
HTML形式に変換してアップするのも、
実際のところ、作業時間は大して変わらないはずだ*3。
わが国随一の頭脳集団であられる最高裁事務総局のスタッフの方々であれば、
このような一市民の不満を解消することなど、
たやすいことのはずである。
早急な改善を切に望みたい。
↓ベスト10入り間近となりました(笑)。
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*1:化石というなかれ・・・(涙)。
*2:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0020?action_id=search&hanreiSrchKbn=07&recentInfoFlg=1
*3:元の判決書をコピーすれば、一瞬にしてどちらもできあがるはずだ。PDFファイル化されたとはいえ、行頭の見苦しいズレは相変わらずなのだから、なおさらであろう。