春の学会

ジュリストの5月1日・15日合併号に
恒例の『2006年春季学会予告』が掲載されているのだが、
その中から個人的な興味関心があるものをいくつかご紹介。
(以下、先生方の敬称は省略させていただきます。)

著作権法学会

5月27日(土)一橋記念講堂(学術総合センター

シンポジウム「著作者人格権に関する総合的考察」
(司会)専修大学 斉藤 博
著作者人格権に関わる法律行為 立教大学 上野達弘
著作者人格権の主体      東京大学 大渕哲也
③条約と著作者人格権 等    専修大学 斉藤 博
著作者人格権の性格 等    京都大学 潮見佳男
著作者人格権の客体      神戸大学 島並 良
著作者人格権の類型 等  青山学院大学 松田政行

見よ!この豪華メンバーを!
といった感のある顔ぶれ。


テーマがテーマだけに、
若手から大御所、実務家(松田教授は森濱田松本所属)まで、
そして民法学会から潮見先生までご登壇、と、
東西対抗オールスターといった感のあるパネラー陣である。


場所はいつもながらに好条件だし、
非会員でも聴講できたはずなので、
是非とも行きたいところなのだが、
うーん・・・、予定が合いそうもないのが悲しいところ。


名うてのブロガーの皆々様の聴講レポートに期待させていただきたい。


ちなみに、著作権法学会のウェブサイト↓を覗くと、
http://www2.odn.ne.jp/~aaf77690/
開催を直近に控えているにもかかわらず、
「2005年度」の案内しか掲載されていないのが何とも言えぬ。
(2006年5月17日現在)
是非ともご更新のほどを・・・。

日本工業所有権法学会

5月28日(日)一橋記念講堂(学術総合センター

研究報告
①商標の機能論について
(司会) 帝塚山大学 江口順一
(報告者)立命館大学 宮脇正晴
②医療方法の特許保護−倫理的問題を中心に
(司会) 一橋大学 松本恒雄
(報告者)岩手大学 佐藤祐介
シンポジウム「知的財産法の現状と課題」
(司会・総論)早稲田大学 渋谷達紀
①先端技術の保護   特許庁 高倉成男
②顧客吸引力の保護 大阪大学 茶園成樹
③投資の保護   学習院大学 横山久芳

これも今年は前日の著作権法学会に続いて東京開催、
しかも報告テーマが商標機能論だったり、
午後のシンポジウムの興味深いテーマに
茶園先生と横山先生が挑まれたり、と、
非常にそそられるものなのであるが・・・・(以下同上


せめて当日会費払って、
学会誌だけでも欲しいと思ったりする今日この頃。
(届くのは1年後だけど(涙))

日本労働法学会

6月4日(日)岩手大人文社会科学部

(一部抜粋)
特別講演 労働法の50年  上智大学名誉教授 花見 忠 
ミニシンポジウム
<第1分科会>
テーマ「労働契約法制−立法目的と実現方法」
(司会) 九州大学   野田 進
(報告書)関西大学   川口美貴
     東京都立大学 米津孝司
     一橋大学   盛 誠吾
<第2分科会>
テーマ「労働訴訟」
(司会) 弁護士 宮里邦雄
①労働裁判の手続きの現状と改革の動向
  弁護士 徳住堅治
  弁護士 中町 誠
労働審判の手続上の問題と調停・審判内容をめぐる問題
  弁護士 石嵜信憲
  弁護士 古川景一
(コメンテーター)明治大学 菅野和夫
<第3分科会>
テーマ「プロスポーツと労働法」
(司会) 同志社大学 土田道夫
①総論:プロスポーツ選手の法的地位 
  同志社大学 川井圭司
プロスポーツ選手の労働者性・労働契約法上の問題
  神戸大学 根本 到
プロスポーツ選手と労働組合
  報告者未定

制度改変期だけあって、
こちらも非常に華やかなテーマが踊る。


第1分科会と第2分科会で
ガチンコのテーマのシンポジウムが繰り広げられている中、
第3分科会でやや癒し系のテーマが設定されているのも面白い*1


元々インナー色が強い業界の上に、
場所が岩手となれば、さすがに一般アウトサイダーの聴講の機会など、
望むべくもなさそうであるが・・・。


ちなみに、知財関係の学会は聴講者も比較的多くて、
華やかで良いのであるが、
以前自分が聴講していた時には、
フロアからしょーもない質問が出て場内に失笑が漏れていた、
という記憶がある*2
(しかも、そういう質問をする方に限って、やたら質問が長いのが常)


筆者が学会のマナーなるものを語る立場の人間ではないのは
百も承知の上ではあるが、
日頃味わえない“知の香り”をかぐためだけに足を運ぶ群衆の一人としては、
一流の先生方に応答していただくに値する質問とは何か、
ということを肝に銘じて、質問に立っていただきたいものだと、
心より願うのであるが、いかがなものだろうか。

*1:「土田先生、今度はプロスポーツですか」とか突っ込んでみたり。③の報告者は、FIELD-Rの某弁護士あたりが適任なのだろうが、果たして・・・?

*2:知り合いの古参会員の弁護士先生も以前嘆かれていた・・・。

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