海の日といえば羽海野チカ

というわけで、買ってしまった*1


ハチミツとクローバー 9 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 9 (クイーンズコミックス)


あらまた何とも衝撃的な展開だことで・・・。
(以下、ややネタバレ気味なので注意せられたし。)



これまで日常的で平凡なエピソードだけで、
飽きさせることなくストーリーを紡いできた
ハチクロ』ならではの良さが、
相当大胆なシナリオの大展開によって、
薄れてしまったのは少し残念*2


初めからこういうシナリオだったのか、
それとも掲載誌の廃刊、休載が影響しているのか、
そのあたりは分からないのだけれど・・・*3


もちろん、この巻の一話一話には、
泣かせる話が詰まっている。


特に、東京を離れて就職することが決まった竹本が、
緊急事態を前にして逡巡しながら呟く心の叫び。

今 あの言葉の意味を思い知る
あんな ちっぽけな 花ひとつ
買ってやれない 男に
好きな女の子 ひとりなんて
救えるわけなんか
ないんだよ

アイタタタタタタタタ・・・・・・・痛。
(この作品で初めて竹本に共感した瞬間)


大学4年くらいの秋だったか、
次の春からどうしようか迷ってた時、
自分の中に浮かんだのは、
同じような言葉だったなぁ・・・と。


どんなにきれいなことを言っても、
理想を追いかけようとしても、
お金(=仕事)がなければ何もできない、ってことに
気付かされるときは必ず来るわけで、
夢よりも友情よりも恋愛よりも、
現実を見たときに大事なのはお金なんだ、って
言い聞かせて、
理想を追いかけるのを止めかけた時でもあった*4


これって、分かる人には分かるだろうけど、
分からない人には分からない感覚だろうな、って思う。
(たぶん、一生分からない方が幸せだとも思う。)
「貧乏学生」なんて言葉は、いずれ死語になっていくのだろうし。


でも、『ハチクロ』に多くのファンがいる、
という話を聞くと、
まだまだ、同じ感覚を共有できる人もいるのかな、と、
ちょっとだけ期待してしまう自分も、
またここにいたりするわけであるが・・・。


「終わりの始まり」の幕が上がって、
次巻あたりが“締め”になるのだろうか。


結末を見たいような見たくないような、
複雑な気分である。


(追記)
そういえば、中田英寿選手の“最後のメッセージ”の中に出てくる
「自分探しの旅」という言葉には、
もはや“死語”なんじゃないか、ってくらいの
アナクロな響きがあるのだが、
彼にインスピレーションを与えたのが
ハチクロ』の竹本の自転車旅行@北海道だったとしたら、
それはそれで面白い・・・*5

*1:冷静に考えると、発売されたコミック全巻持ってるのはこの作品だけだったりする。元々筆者には、立ち読み以外でコミックを読む習慣はなかったのである・・・。

*2:一種の『NANA』化現象ともいうべきか・・・(笑)。

*3:現在1〜8巻を貸し出しているせいでもあるのだが、前巻までのストーリーが思い出せないくらい、飛んでしまっているのは確か。

*4:もちろん、『ハチクロ』の作者が伝えようとしているのは、そういうメッセージではないと思われる。念のため。

*5:・・・なわけないのだが(笑)。

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