夜中にテレビを付けていたら、
何と地上波でキングジョージ六世&クインエリザベスSの
生中継をやっていた。
アスコットのレースをライブで見られるなんて、
世の中変わったものだ。
渋谷のエクウスでも、JRAがパブリックビューイングを実施。
ディープインパクト欧州挑戦の露払い、とばかりに、
“国際化”PRに向けた涙ぐましい努力の跡を見て取ることができる。
何年か前*1、エルコンドルパサーが凱旋門賞に挑んだ時、
当時週末の競馬中継すらなかった競馬後進県にいた筆者は、
深夜の中継を聞くために、わざわざ短波放送が入るラジオを買って、
お世辞にも良いといえない電波を何とかキャッチしようと、
血眼になって部屋中動き回っていた。
ゴール前まで叫び続けるアナウンサー、
でもありがちな話で、ゴールの瞬間には「ザーザー」音。
何秒かの中断後、興奮冷めやらぬ実況の声で、
モンジューの2着に敗れたことを知った1999年の秋・・・。
今日、アスコットでハーツクライの前に立ちふさがったのが、
そのモンジューの直仔・ハリケーンランだった、
というのは皮肉というほかない*2。
レースの方は、6頭立てということもあって、
終始、ポジション取りの駆け引きが繰り広げられる玄人好みのレース。
ルメールもさすがの腕で、
直線、うまく内のエレクトロキューショニストを標的にしつつ、
先頭に立ったところまでは良かったのだが、
最内が空いたところに、
いったん死んだはずのハリケーンランが末脚一気で万事休す。
昨年の凱旋門賞、アイルランドダービー馬、
やはり人気通りの強い勝ち方であった。
ファロンの代役、スミヨン騎手の手綱さばきも見事なもので。
ゴール前失速したハーツクライは、
エレクトロキューショニストの差し返しまで許してしまったから、
結果的に言えば、仕掛けが早かった、ということになるのかもしれない*3。
だが、それなりの人気を背負って、
一応の見せ場も作りつつ、きっちりとした競馬をして3着、
というのは、これまで討ち死にしてきた日本馬の実績から見れば
驚異的なことであるのは確かだろう。
残念ながら陣営は秋は国内での出走を選択するようだが、
個人的には、凱旋門賞での日本馬頂上対決を見たい、
という希望は変わらない。
我が国が誇るサンデーサイレンス血統の後継者2頭が、
モンジューの後継者と覇権を争う、という構図が、
何ともドラマチックではないか、と思ったりしているのだが、
果たしてどうなるのだろう・・・?