課徴金減免第1号。

以前にも触れた、リーニエンシールールの初適用を巡る事案の続報。
(前回の記事はhttp://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060811/1155250297

「旧首都高速道路公団(現首都高速道路)などが発注したトンネル用換気設備工事を巡る談合事件で、公正取引委員会は8日、談合を自主申告した三菱重工業石川島播磨重工業川崎重工業の三社に対し課徴金を免除・減額したと発表した。1月施行の改正独占禁止法に基づく、課徴金の減免と企業名の公表は初めて。」(日経新聞2006年9月9日付朝刊・第38面)

ルールどおり、
立ち入り検査前に不正を自主申告した三菱重工(1番)は課徴金全額免除、
立ち入り後に申告した石播と川重の二社も30%減額、
そして、減免対象外の日立製作所と荏原には通常の課徴金納付が
命じられた、ということである。


本来、公表されないはずの“自主申告企業”*1
今回堂々と公表されているのは、
法令順守意識の高さを強調したい企業側の要請があったため、
ということのようだが、
元々談合規制に対しても、課徴金減免制度に対しても
懐疑的な筆者にとっては、この制度が企業PRのために活用される、
というのは、どうにもこうにも解せない帰結のように思えてならない。


しかも、公取委のプレス資料を見ると、
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/06.september/06090803.pdf
今回、自首し損ねた企業の一つである日立製作所などは、
“談合”の打ち合わせを行った会合に担当者を出席させず、
荏原製作所の担当者を通じて、希望を述べ、打ち合わせの結果を確認する、
という「やる気のなさ」を如実に見せていたにもかかわらず、
打ち合わせの場を提供した川崎重工をはるかに上回る課徴金を
課されてしまっているのである。


全額減免を受けた三菱重工業の手元に、
上記工事を受注した利益が丸々残ることの不都合性も気になるが、
その点については、
制度導入に際して既に十分議論が尽くされているだろうから、
ここで論難するのは野暮なのかもしれない。


だが、それにしても・・・


大企業とのお付き合いで嫌々談合に参加させられていた
弱小メーカーによる“自主申告”ならともかく、
巨大メーカー同士で行われてきた談合について“自首”を
したからといって、当該企業が厚遇を受ける理屈が、
どこかにあるのだろうか・・・?


残念ながら、そこにはどうしても拭い去れない違和感がある。

*1:この点については、http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060329/1143675502など過去記事参照のこと。功公取委HPのQ&Aにも、「課徴金が減免された事業者の有無,事業者名について積極的に公表することは予定していません。」という記載がある(http://www.jftc.go.jp/genmen/genmen.html)。