数学オリンピック

新聞の片隅に見つけたこんな記事。

文部科学省科学技術政策研究所は20日、日本数学オリンピックで優秀な成績を収めた参加者に対する調査で、現在仕事をもつ人の38%が「数学の知識を生かす職業に就いていない」と回答したと発表した。」(日経新聞2006年10月21日付け朝刊・第38面)

筆者の学校は、このオリンピックに関しては一種の名門で、
毎年最終選考まで残る人間が必ずいたし、
実際代表になってメダル持って返ってきた人間もいたが、
その後、彼らが大学で数学を専攻したという話は、
あまり聞かない。


別に数学者にならなくても、
数学的思考プロセスを生かすことはいくらでもできると思うので、
上記のような統計の取り方には、少々疑問も感じるのであるが、
元々理系のトップクラスの多くが医学部志向だったことを考えれば、
直接的に数学に触れている人間が少ないというのは、
当然の結果のように思える。

「「いいえ」と回答した人で最も多い職業は医師で、事務職、情報処理技術者と続いた。医師を選んだ人だけでみると、数学関係の職業は「大変そう」「収入が少ない」「出世できそうにない」などを理由に避けていた。」

「数学関係の仕事」といってもいろいろあって、
予備校講師になって荒稼ぎすることは不可能じゃないし、
デリバティブだの保険だの、といった金融商品の世界に入っていけば、
医師以上のステータスを得ることもできるような気がするのだが、
それでも進路選択を迫られた高校生あたりに聞けば、
医学部>>>数学科、ってことになるのだろう、きっと(笑)*1


ちなみに、数学五輪といえば、
筆者自身「秋山仁先生に会いたい」(爆)、
というミーハー根性で、草創期の国内予選に何度か挑戦している。


元々マニアックな体質なこともあって、
独自の解法で「大学への数学」の演習問題を攻略するくらいのことは朝飯前、
と自負していた当時の自分のこと、
そこそこの成績は残しているのであるが、
だからといって、もし、あと一つ二つ勝ち進んで、
当時のトップレベルの数学エリートたちと一度でも机を並べていたら、
自分の人生が変わっていたか、と問われれば、
たぶんそれはないと思う。


何せ、楽そうだから&女の子多そうだから、
という理由で、文系志望に変えた軟派な高校生だったから・・・(笑)。



早いもので、数学の「す」の字にも触れなくなってから
はや10年以上。


怖いもので、今では、
たまに読むローエコの論文に出てくる数式ですら、
見た瞬間にスキップボタンを押してしまいたくなる。


失った知識の分だけ違う何かを得た、
なんて、格好付けたことを言えればいいんだけど、
まぁ、人生、そうもうまくはいかないものである(苦笑)。

*1:高3の夏まで理系だったにもかかわらず、自分にはイマイチその辺の“序列意識”が良く理解できなかったのだけれど(苦笑)。

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