釈然としない。

「10月1日の仏G1凱旋門賞で3着に入り、レース後の検査で禁止薬物が検出されていたディープインパクト(牡4歳、池江泰郎厩舎)に対する仏競馬統括機関フランスギャロ(FG)の審査委員会が15日行われ、同馬は失格処分となった。池江調教師には1万5000ユーロ(約227万円)と最高額の制裁金を課した。通知を受けた日本中央競馬会JRA)が16日発表した。なお国内レースの出走に支障はない。」(日経新聞2006年11月17日付け朝刊・第41面)

失格必至、という観測はだいぶ前から出ていたから、
新聞の取扱いもそんなに大きくはないのであるが、
釈然としないのは、事案の経緯に関する以下のくだり。

ディープインパクトは渡仏後の9月13日からせきをするようになり、同月21日から25日にかけて呼吸促進剤のイプラトロピウムを使った吸入治療が行われた。処方の際に同馬が暴れたことが2度あり、吸入器が外れて薬品が馬房内に飛散したという。薬品が付着したままの敷料(寝わらなど)や乾草はその後もあまり交換されておらず、同馬がそれらを食べた可能性が高く、通常24時間で体内から排出される薬品がレース後まで残留してしまったとみられている」(同上)

「禁止薬物」というからには、
そもそも服用自体が認められていない、と考えるのが普通だと思うのだが、
フランスギャロが「故意ではなく過失」と認定したところをみると、
ルール上は、レース後に検出されなければOK、ということだったのかなぁ?
と思ってみたり。


服用自体を禁止する趣旨なのだとしたら、
寝わら云々は、そもそも言い訳になりえないし*1
逆にレース後に検出されなければ服用してもOK、というのであれば、
運が悪かった、と片付ける余地もあることになる。


薬物自体が単なる治療薬の域を超えるものではないために、
厩舎関係者の「落ち度」を指摘する声はあっても、
「ルール違反」を指摘する声は小さい今回の事件。


だが、「落ち度」で済む話だったとしても、
上記のいずれかによって、その過失の大きさは全然変わってくるわけだから、
報道する側も、その点はしっかり伝えていただきたいものだと思う。


それにしても、一体この先どうなるんだか・・・。


来週ジャパンカップをキレイに勝てば、
何もなかったかのように、
ほとんどの人はこんなエピソード、忘れてしまうんだろうけど。

*1:いわゆる人間のドーピングで、服用期間を間違えて検出された(いつもは1ヶ月前にクスリの服用を止めていたのに、たまたま2日余分に服用してしまったから見つかってしまった)と言い訳しても、何ら説得力はないだろう。

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