村主選手、世界選手権代表落選。

フィギュアスケート全日本選手権最終日が29日、名古屋市総合体育館で行われ、女子はフリーで1位の浅田真央中京大中京高)が、女子で初めて200点を突破する211.76点で初優勝した。安藤美姫トヨタ自動車)が185.65点で2位、中野友加里早大)が3位に入った。連覇を狙った村主章枝(avex)はジャンプのミスが響いて4位に終わった。」
「来年3月に東京で開かれる世界選手権の代表には女子が浅田真、安藤、中野の3人、男子は高橋大輔織田信成(ともに関大)が選ばれた。」(日経新聞2006年12月30日付け朝刊・第27面)

親切な再放送のご案内までいただいているが(笑)、
残念ながら、ゴールデンタイムの女子フリーの録画放送は
全部見てしまった。


今シーズン公式戦で初めてトリプルアクセルを完璧に飛んだ
浅田真央選手のパーフェクトな演技も、
その直後に滑った村主章枝選手の精一杯の演技も・・・。


SPが終わった時点で、
2位の安藤美姫選手と村主選手の得点差は10点以上。


上位2名の今季の実績を考えると、
この時点で客観的に狙えるのは3人目の枠のみ。


そして、3人目の枠を争っていたのが
トリノ五輪の代表選考で涙を飲んだ中野友加里選手、という
見る側としては何ともやるせない展開・・・。


選手層が厚いゆえのこととはいえ、
2年続けてGPファイナルに出た3人のうち1名が入れ替わり、
しかも今回入れ替わったのは、前年泣いた者と笑った者、
というのは何という皮肉だろうか・・・。


“逆転の・・・”という枕詞が付けられていた
村主選手の追い上げが不発に終わった最大の原因が、
2種類の3回転ジャンプでミスを冒した、ということにあるのは確かだろうが、
そもそも、中野選手がフリーを1度の転倒*1だけで乗り切った時点で、
村主選手がノーミスで滑っても、
SPの点差をひっくり返すのは苦しい状況だったように思う。


というのも、今季の村主選手のフリーのスコアは、

スケートカナダ 技術54.56、演技55.68 計110.24点
NHK杯    技術58.03、演技59.36 計117.38点
GPファイナル 技術48.12、演技55.52 計103.64点
日本選手権   技術54.00、演技60.00 計114.00点

となっていて、
序盤でジャンプのミスを連発したファイナルはともかく、
3回転サルコウが一回抜けただけのNHK杯でも、
技術点は60点に届いていない。


上位陣が3回転ジャンプの連続技を盛り込んできている状況では、
いかに表現力や細やかななステップでアピールしたとしても、
大技を持たない村主選手の点の伸びしろが限られてしまうわけで、
地元名古屋勢が本来の力を発揮するという前提の下では、
SP・フリーを通じてノーミス&村主ワールド効果(?)を発揮しない限り、
上位進出は厳しかった、というのが実情ではなかったか。


ゆえに、実績のある実力者がSPで順当に上記を占め、
当の村主選手本人が出遅れてしまった時点で、
ファンとしては、この結果を覚悟しなければならなかったのだろう。


かくして、日本選手権の順位どおりに世界選手権の代表も決まり、
この10年、日本代表の屋台骨を支えてきた村主選手はあえなく落選。


端から見れば、
トリノのときのような分かりにくい選考で不興を買うよりは、
こういうさっぱりとした決め方の方が、
後には引かなくて良いのではないか、と思ったりもする反面、
それにしても、3度の表彰台経験を持つ前回の銀メダリスト、
しかも唯一の純粋な地元選手*2が、
せっかくの日本開催でゲスト席に座らなければならない、
というのが、何とも残念なことのように思えてならない・・・。

*1:出だしのトリプルアクセル

*2:今回代表に選ばれた女子の3選手はいずれも名古屋出身、世界フィギュアの開催地は東京・・・・。

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