何もしなくても・・・

どうも最近、周りで子供が生まれたというニュースを良く耳にするようになったと思ったら・・・

厚生労働省が21日発表した2006年の人口動態統計(速報)によると、出生数から死亡数を差し引いた人口の自然増加数は2万6千885人と二年ぶりにプラスになった。05年にマイナスに転じたが、出生数が前年を約3万2千人上回ったことなどで持ち直した。厚労省は06年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子ども数)が、過去最低だった05年の1.26から「1.3台に回復する可能性が強い」としている。」
「06年の出生数は112万2千278人で、前年を3万人超上回った。増加は6年ぶり。」(以上、2007年2月22日付け朝刊・第1面)

結婚するかどうか、とか子供を産むかどうか、なんてことは、その時々の気分で決まることで、そこに小難しい政策論が入り込む余地なんてほとんどない、というのが自分の持論。


“日本の危機”とばかりに騒がれていた出生率の低下傾向が、ここにきて“改善傾向”にあるのも、マイペースな“第二次ベビーブーム世代”が、何となく楽観的な気分になって、“ありきたりな人生の選択”を積み重ねるようになった結果に過ぎない、と思っている。


記事では「景気回復が鮮明になるにつれて」婚姻数や出生数が増加した、という取り上げ方がされているが、経済動向そのものが直ちに個々人の財布に影響を与えるわけでもないし、どんなに貧乏だって構わず子供を産み続ける家庭は存在する。新聞紙上で「景気回復」の見出しが躍ることで、人々に与える心理的影響は無視できないにしても、実際の所得動向が人口動態に与える影響なんて、たかが知れていると思う。


ゆえに、政府にしても、本当に出生率を“改善”したいのであれば、金融政策だの雇用対策だのその他もろもろの小手先の少子化対策だのに力を入れる前に、メディアによる自作自演の“悲観論”を抑制する手立てを考える方に力を入れるべきだし*1、それができないのであれば、無駄な予算は使わない、というのが賢明な発想であろう*2


今回の統計を受けて、健全な方向への政策転換がなされることを期待したい(笑)。


なお、筆者は、この国の居住可能地域の面積に比して、今の人口は明らかに多すぎると思っているし、人口分布が極端に偏在化している現代において、“子どもが多いことはいいことだ”的な安易な発想で政策を進めようとするのは、(都市計画的観点からも)なおさら危険なことだと思っているので、人口が増えたといっても全く喜べないのであるが・・・*3

*1:別に報道統制をかけろ、とまでいうつもりはないが(笑)。

*2:金融政策にしても雇用対策にしても、それ自体には政策としての存在意義があるから、少子化とリンクさせなければ問題はないのだが、“少子化対策のための少子化対策”(子どものいる家庭にお金をあげる等々・・・。まぁいわゆる創●学会的対策w)は百害あって一利なし、だと思われる。

*3:せっかく都市部の人口が減って、住宅需要も減って(=土地建物価格も下がって)、これから快適な都会生活を享受できるようになると期待していたのに、またこれから人口が増加して“窮屈な日本”の道を歩んでいくことになるかと思うと、不愉快なことこの上ない。

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