地域ブランドの実力?

日経新聞に「地域ブランド調査」の結果が公表されている。

日本経済新聞社は初の「地域ブランド地域団体商標)調査」を実施した。インターネットを通じて知名度や実際に購入したかどうかなど6項目の質問をして、ブランドごとの実力を分析した。一位の夕張メロンをはじめベストテンを食品が独占。都道府県別では京都の健闘が目立った。」(日経新聞2007年3月5日付け朝刊・第3面)

ランキングを見ると、

1.夕張メロン(北海道)
2.魚沼産コシヒカリ(新潟)
3.長崎カステラ(長崎)
4.松坂牛・松坂肉(三重)
5.宇治茶(京都)
6.京の生八ツ橋(京都)
7.名古屋コーチン(愛知)
8.静岡茶(静岡)
9.長崎ちゃんぽん麺(長崎)
10.琉球泡盛(沖縄)

と続いているが、3条2項登録が認められた夕張メロンと、新制度の導入に伴い登録が認められた、長崎カステラ、松坂牛、琉球泡盛を除いては、地域団体商標登録を受けていない、というのは何とも皮肉な話である。


もっとも、冷静に考えれば、特定の団体による厳格なコントロールの下で市場に流通させている商品の名称よりも、便乗商法込みで“イケイケドンドン”的な使い方をしている商品の名称の方が周知著名性が高くなるのは当然の話で、「有名な地域ブランド」が地域団体商標の登録要件を満たさないというのも決して不思議ではない。


現在低迷している地域団体商標ホルダーが、この先、「知名度を上げたい」という欲求と、「商標をしっかり管理しなければならない」という法の要請の狭間で、どういった動きを見せるのかが注目されるところである*1


なお、個人的には、草加せんべい(11位)より、関さば(15位)だの米沢牛(21位)だのの方が「実力度」が低い、というこの調査の「実力」自体に疑義を感じているのであるが(苦笑)*2、それは当エントリーの本筋ではないので割愛。

*1:安易な使用を許せば、稀釈化、普通名称化が進んで「商標」としての価値が減衰することは免れないが、かといって、厳格に管理しすぎると、世の人の目に触れる機会は減るし、管理コストもかさむことになる。

*2:メロンと和菓子と温泉を同レベルで比較されてもねぇ・・・という気がするのも確か。

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