世の中には運のない人がいる・・・

プロ野球不正スカウト問題で、西武球団が、というより西武ホールディングスが社運を賭けた浄化作戦に乗り出したようだ。


人事面では、後藤高志・西武HD社長がオーナー就任、社長兼オーナー代行にプリンスホテルの小林信次専務。


過去との決別の契機を作った、という点で、ある意味最大の功労者ともいえる太田秀和社長兼オーナー代行は副社長降格*1


で、筆者の目を惹いたのはその次である。

「裏金支給を決裁した星野好男前球団社長(現プリンスホテル営業部部長)と黒岩彰前球団代表(現グランドプリンスホテル高輪営業担当支配人)プリンスホテル人事部に更迭。不正にかかわった鈴木葉留彦スカウト部長など球団関係者5人に最大3ヶ月、10%の減給処分を下した。」
日本経済新聞2007年5月8日付朝刊・第37面)

黒岩彰」氏・・・・。


いわずと知れた、五輪銅メダリスト。


筆者が子どもの頃は、「世界のクロイワ」として、五輪のたびに日の丸の重責を担ってきた国際的スケーターの名前が、こんなところで再び登場するとは・・・(涙)。


そもそも、このお方、2000年の球団広報課長時代には、当時まだ20歳になったかならないかくらいの松坂大輔選手の身代わり(道路交通法違反)で出頭して物議を醸し、引責辞任


4年後に「球団代表」職に就任して、2年で「人事異動」になったと思ったら今回の不祥事でまたしてもクビが飛ぶ・・・。


実際に決裁権を持っていた以上言い訳は利かないのだろうけど、実態として、黒岩代表がそんなに権限を持っていたとは思えないし*2、“切っても差し障りがない”首だからこそ、今回HDとしてのケジメを示すために飛ばされた、という見方もできるのではないだろうか*3


なんとも哀しきサラリーマン人生。旧・コクドグループの中で、翻弄される黒岩氏に対し、筆者としては、少なからず同情を禁じえないのであった。

*1:昨年就任したばかりの太田氏が降格扱いになるのは大変気の毒なのであるが、「球団社長」という立場上、巻き添え的解任を食らってもおかしくなかったことを考えると、西武HD側も一応の配慮をみせた、という評価が適切なのだろう。

*2:基本的には現場主導で動くのがスカウトの世界なのではないかと思われる。

*3:実際、替えの利かない現場サイドの人間は減給処分に留まっているわけで。

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