ひでえ話だ。

一人のならず者のせいで、恥ずかしい会社呼ばわりされてしまう他の若手行員の皆様には気の毒だが、やはりこういうのは許せない。

「就職活動中の女子学生に採用内定をちらつかせ、わいせつな行為をしたとして、大阪府警曽根崎警察署は19日、(住所・略)、三菱東京UFJ銀行難波支社行員、●●●●容疑者(24)を強制わいせつ容疑で逮捕した。同容疑者は「内定がもらえるなどと言って体を触ったのは間違いない」などと容疑を認めているという。」(2007年5月20日付朝刊・第39面)

以前、“超就職難”といわれていた頃(といっても数年前だが)に、就活中の女子学生から同じような話(会社は全然別のところ。関西系なのは同じだがw)を聞いた記憶があるが、この売り手市場の時代にもこんな事件が起きてしまうとは・・・。


まだ「容疑者」の段階で、確定した事実の如く論評するのは自分の信念に反するのだが、それでもあえて取り上げるのは、かつて筆者自身、銀行の採用活動のマナーの悪さに閉口した記憶があるから(ちなみに、今回の事件で逮捕された行員はリクルーターではなかったらしい。当の銀行にとっては不幸中の幸いというべきか。)。


当時はバブルなんてとうの昔にはじけて、銀行が一つ二つ潰れても全然不思議ではない(実際直後に一つ二つ潰れた)時代だったのに、採用活動だけはなぜか景気がよくて(苦笑)、何度断ってもしつこく電話をかけてくる。


しかも、クレバーな口調で喋ってくれればまだ話を聞く気にもなるもんだが、かかってくる電話の8割が「先輩風吹かせた横柄な口調」(残りの2割は「何らかの強迫観念に駆られたかのような怯えた口調」w)。


一番しつこかったのは、今はなき某F銀行だが、その次に酷かったのは、上記事件を引き起こした銀行の前身である某S銀行。


結局、気の毒になって関東系のいくつかの銀行の“リクルーター”と称する若手行員には、一応顔だけ合わせて、散々美味いものを飲み食いさせてもらった後で丁重にお断りしたのであるが(さすがに関西系バンクはカレーぶっかけられそうで怖かったので最初からお断りしたが・・・orz)、まぁ、ロクなものではなかった(笑)。


別に銀行だけを悪く言うつもりはないが、あの業界でメシを食らっていた家族を持っていた身としては、世間でよく言われる“高給”が何の代償だかはよくよく分かっているし、同期の中で人柄に定評のあった人間に限って早々に見切りを付けて組織を去っていっているあたりを見ても*1、時代は変われど体質は変わってないんだろう、とおおよその見当は付くわけで。


“ならず者”とはいえ、若干24歳で上記のようなメンタリティを持って、かつそれを実行してしまう、という社員を抱えている、ということの意味を、賢明な学生の皆様にはよくよく考えていただきたいものだと思う(それでも行きたいという人は、もはや止めはしませんが(笑))。



あと、採用面接の結果なんて、最後の最後の人事担当役員の気まぐれで180度変わったりするから*2、「採用権限者に近い」人ほど、「君なら大丈夫」とか「僕がプッシュするから」みたいなことは言わない*3、ということも覚えておくと、自分の身をより守れるのではないか、と思ったりする(特に女子学生の皆様は・・・)*4

*1:自分の世代の場合、入社早々に組織再編の荒波に巻き込まれて、見なくても良いものをたくさん見てしまっているだろうから、その辺は差し引いて考えないといけないのかもしれないけど。

*2:一次面接から一貫して最高評価を受け、人事課長レベルまで推している学生であっても、役員の腹の虫が悪いと落とされたりするのが現実で、この世であれほどいい加減な作業はない、というのが筆者の実感である(苦笑)。

*3:言いたくても、それが保証の限りではないことを良く分かっているから・・・。筆者のように権力から遠い人間は、何を言っても大して責任を負わされることはないのだが、それでも、変に期待を持たせて、梯子を外すようなことになってはいけないと、優秀な学生を目の前に必死でこらえているのが実情だったりもする。

*4:実際、面接の資料なんて個人情報満載だから、その気になれば自分が面接した学生のアパートの前で待ち構えることだってできる。それゆえ、企業としては、(能力はともかく)必要最低限の自制心を持った人間を採用活動に充てるべきだし、“とにもかくにも人海戦術”といった無謀なやり方でその辺のフィルタリングすらできないような会社の「力量」は、推して知るべし、といったところだと思われる。

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