新・都市伝説。

昨日短答式通過スコアが公表されたばかりの新司法試験。


なにやら「試験問題リーク」という噂で盛り上がっていると聞いて覗いてみたが・・・。


まぁ何だかね(苦笑)。一種の都市伝説の域を出ていない。


例えば、民法の問題で「懸賞広告」(民529〜532条)に関する問題が出た、とか、刑法の問題で「境界損壊罪」の問題が出た、とか、知的財産法の試験で「種苗法」に関する問題が出た、という話ならともかく、公法系(行政法)の問題に都市計画法が出題されたり、商法の問題で経営判断の原則が出たりするのは、ある意味想定の範囲内、というべきではないだろうか。


法律の試験で問題を作れるような論点はある程度決まっているのだから、“偶然ヤマが当たる”可能性も、決して低いものではないはずである。


それに、複数の「試験委員」が問題を作成するタイプの試験の場合、前もって問題をたくさん作らせておいて、「そのうちのどれを本番に使うか」は、利害関係のない事務局の人間が“直前に”決める、というシステム(問題作成者の側でも、どれが本番用に採用されたかは試験が始まるまで分からない)がとられていることも多い。


新司法試験が同じようなシステムで運営されているのかどうかは筆者の知るところではないが、仮にそうだとしたら、試験委員の先生といえど、「確実に出題される」という確信を持って“リーク”するのは、システム的には不可能、ということになる。


もちろん、上のようなシステムがとられていたとしても、試験委員の数が少ない科目であれば、試験委員の先生が各々作成した問題の採用確率は決して低いものではないだろうし、「李下に冠を・・・」の格言に従うなら、疑惑を招かれるような情報提供は慎むべき・・・という意見にも一応の説得力はあるのだが、かといって試験委員の先生がいる学校で試験対策に答練をすること自体がダメ、と言ってしまうと、上位ローの学生には気の毒な話になってしまう。


所詮「都市伝説」はただの“神話”に過ぎないのだから、信じるか信じないかは人それぞれ。具体的に対策をどうこうしろ、などと声を荒げるのは何とも大人気ない・・・というのが、筆者の率直な感想である。


なお、自分が学部学生だった“古い司法試験”の時代にもそういう「都市伝説」はあったやに記憶していて、「次の試験の出題のヒントが隠されているはずだ!」と、当時試験委員だった何人かの“大家”の講義に毎年出続けていた知り合いがいたが、その結果どうなったかは、あえてここで説明するまでもあるまい(笑)。

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