基礎年金番号への統合漏れが問題になり始めた頃、年の近い先輩方に「大丈夫ですかい?」という話をしていたら案の定・・・。
「四年生大学を卒業して1992-96年に就職した会社員の大部分で、大学時代の国民年金の加入記録が基礎年金番号に統合されていないことが明らかになった。学生時代に払った国民年金の記録が、就職後に加入した会社の厚生年金の記録につながらず、約5000万件のさまよう年金記録の一部になっている。該当者は社会保険事務所に出向いて手続きをしないと、将来の年金受取額が減ることになる。」(2007年6月18日付朝刊・第1面)
学生の国民年金加入が義務付けられたのは1991年だが、90年代前半から基礎年金番号が導入されるあたりまでの時代に国民年金に加入している学生は、極めて少数だったはずだ。
その頃は、年金未納もそんなに問題にはなっていなかったし、「任意加入」だと思っていた人も多かったように思う。
自分なんかは、会社の内定が決まって、基礎年金番号の報告を求められて初めて、年金手帳をもらいに最寄りの窓口に行き、ついでに滞納分も一緒に納めてしまったクチなのだが*1、基礎年金番号が導入される以前であれば、そもそもそれまでの加入実績に関係なく、新たに厚生年金がスタートしたわけで*2、そのままトンズラした人も少なくなかったのではないだろうか。
そんな中、20歳になったから、といって国民年金を払い始めた人は、ある意味“模範生”だったわけで、冒頭で取り上げた問題のように、そんな人々に不利益を与えるような事態が生じているのだとすれば、やはり看過すべきではない、ということになろう。
もっとも、「大部分」が統合されていない、という事態にもかかわらず、そんなに大きな騒ぎにはなっていないように見えるのは、記録が新しいため、統合作業自体がそんなに厄介なものではない、ということに加え、我々も含めて、これくらいの世代の人間は、
「年金がまともにもらえるなんてことは、もとより期待してない」(苦笑)
醒めた世代だから、というのもあるのかもしれない。
将来リタイアした後に年金がもらえると信じて疑わなかった、幸福な世代の人々にとっては重大きわまりない今回の年金騒ぎだが、そこにばかり気をとられてこれからの選挙戦を展開されてしまうと、正直醒めてしまう、そんな世代もいることを今のメディアや政治家がどれだけ気付いているのだろうか・・・?