「特許料最大4割値下げ」

まるで携帯電話のお得プランの広告のようだ(笑)。

経済産業省特許庁は2008年に特許保有者が毎年支払う料金を2-4割引き下げる方針を固めた。企業のロゴマークなどを保護する商標権も、登録更新料を引き下げる。特許は4年ぶり、商標では現行制度が始まった1997年以来初の下げとなる。特許権や商標権を取得・維持しやすい環境を整えることで、企業の負担を減らすと同時に技術革新のインフラを強化する。」(2007年6月28日付朝刊・第1面)

特許の維持年金はともかく、商標の更新費用なんて、最初から見込んで出願登録する事業者は稀だと思うのだが、気のせいだろうか・・・。


それに、元々商標の更新費用が高めに設定されている背景には、使いもしない商標をいつまでも持ち続けないように、という政策的意図があったはずである。


そうでなくても不使用商標対策、といって、使用(意思)確認を厳格化している矢先に、不使用商標解消を促すための法制度を自ら放棄するとは、特許庁も何ともお人よしなものだ、と思ってしまうのは筆者だけではあるまい。


ひとたび出願公開されてしまえばあとは「独占されるか公共財となるか」の二つの選択肢しかない「特許」と(しかも維持年金を払い続けても一定の期間が経てば効力は失われる)、誰かが一度登録しても、更新され続けない限り他の者にも権利者になる機会が与えられている「商標」とで、足並みを揃えることが良いことなのかどうか、制度設計者の思想が問われるところである。

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