東京地裁・鹿子木コートで出されたブルドックソースの買収防衛策差止仮処分決定。
株主平等原則違反の主張を
「本件新株予約権について定められた差別的な行使条件又は取得条項のために、債権者関係者が持株比率の低下という不利益を受けるとしても、本件新株予約権無償割当ては、株主総会の特別決議に基づき行われるものであって、債権者関係者の有する株式の数に応じて適正な対価が交付され、株主としての経済的利益が平等に確保されていると一応認められるから」
という理由で退けた上で、スティール(債権者関係者)による経営支配権取得を防止することを目的とした新株予約権無償割当てであっても、
「債権者関係者による経営支配権の取得が債務者の企業価値ひいては株主の共同の利益を損なうおそれがあり、本件公開買付けに対する対抗手段を採ることが必要であるとした株主総会の判断が明らかに合理性を欠くものとは認められ」ない
(以上、2007年6月29日付日経新聞朝刊・第14面「東京地裁の仮処分決定要旨」)
から、「株主総会がその権限を濫用したものとして、著しく不公正な方法によるものと認めることはできない」としている。
後半の不公正決議にあたるかどうか、という点については実際、地裁決定がいうとおりなのだろうが、株主平等原則に関する判示については、「金払えばいいってもんじゃないだろう(苦笑)」という意見も当然出てくるだろうし、この要旨を読む限りは、「特別決議」という手続きを経たことが、株主平等原則違反か否かを判断する上で、どういう影響を与えているのかも分かりにくいのだが、こと本件に関して言えば、結論としては妥当だと思う*1。
「不公正決議かどうか」というところが争点であるにもかかわらず、
「特定の買収者による経営支配権の取得が企業価値を損なうおそれがあるという対抗手段の必要性の判断については、原則として株主総会に委ねられるべきであり」