知財契約関係の書籍紹介

新刊書籍の紹介、というには少し時間が経ってしまっているのだが、週末に本屋で本を物色している時に見つけた2冊をご紹介。


知財ライセンス契約の法律相談 (新・青林法律相談)

知財ライセンス契約の法律相談 (新・青林法律相談)


知的財産契約の理論と実務

知的財産契約の理論と実務


青林書院の方は、お馴染みのシリーズで、いわゆるQ&A方式で知財ライセンス契約に関する諸論点を解説しているもの。


最初の方の概説は、まぁ教養程度に読んでおけば良いか・・・といったところなのだが、第2章の各論以降では、具体的な例文も交えて、なかなか細かいところまで解説が書かれている。執筆陣もなかなか豪華な顔ぶれだ。


一方の、大阪弁護士会の書籍の方は、ライセンス契約に限らず、開発契約から譲渡契約、さらには演劇、映画といった特殊分野の契約まで例文とその解説が掲載されており、最低限の“スタンダード”を押さえるには有意義な文献といえるように思う。



もっとも、この種の書籍にありがちな話だが、価格は、筆者の希望購入価格の倍くらいになってしまっているのが残念なところ(それゆえ、筆者も一読はしたが買っていない(苦笑))。


また、この種の契約マターは、どうしても細かいところにヒネリが必要で、実務サイドが一番知りたいのもその点なのだが、「標準書式」の解説という本の位置づけ上、そこまでを期待するのは到底無理な話といえ*1、それゆえ、今一歩物足りない、という感を味わうことも覚悟せねばならないかもしれない*2


今手元に同種の書籍がない、という方(会社)にとっては、手に取ってみるだけの価値はあると思うので、ここで紹介した次第であるが、筆者としては、実務サイドにとって必須のこの種の書籍が、より低廉な価格で提供されるようになることを願うのみである・・・。

*1:執筆者の方々も、そんな“企業秘密”をオープンにするほどお人よしではないだろう(笑)。

*2:他にも、文献や判例の紹介等が乏しい(特に後者)ため、見掛けの分厚さに比して、中身がやや薄いように感じる、等、いろいろと突っ込みどころはある。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html