“寛容”のススメ

先日のヤフー動画サイトの一件と似たようなニュースであるが、我が国のコンテンツホルダーにも“寛容さ”の兆しが見られるようになってきたことを素直に称賛して・・・。

角川グループホールディングスは米グーグルと動画共有サービスで提携した。まずグーグル傘下にある世界最大の動画共有サイト「ユーチューブ」上で著作権を管理する技術の開発に協力する。角川が著作権侵害にあたらないと認定した自社のアニメや映画などについては、利用者が自由に視聴できるようにする。合法的な投稿を促し、自社の作品を世界で広く認知させる戦略だ。国内の大手コンテンツ制作企業がユーチューブを積極活用するのは初めて。」(日本経済新聞2007年7月26日付朝刊・第9面)

海の向こうのタイムワーナーなどと比べてしまうと、「気付くのが少し遅いんじゃない?」と皮肉の一つでも言いたくなる話ではあるのだが、それでも、不毛な削除要請を繰り返している(と言われている)他のコンテンツホルダーに比べれば*1、いち早く時流に乗った感があるのは確か。


今のようなデジタル化時代に、全ての複製物をコントロールすることなど不可能に近いのだから、それを逆手にとって新たな需要を呼び起こす、という発想は、賢明な企業なら当然持っていて然るべきだし、不毛ないたちごっこにうつつを抜かすよりは、寛容さをもって“違法複製物”を泳がせる方がプラスになることも多いのではないか、と筆者は思っている*2


記事にある角川の場合は、一応全ての投稿記事をコントロール下に置いた上で、権利者としての判断で“泳がせる”かどうかを決める、というものであるから、運用次第では批判にさらされるリスクも負うことになるのであるが、ここは一つ、大胆さと繊細さをうまく使い分けて、

「消費者の自由な情報発信と著作権の保護を両立させる」

理想的なモデルを創造して欲しいものだ。

*1:とはいえ、ユーチューブ上に多数のコンテンツがあふれている現状を見る限り、本気で削除する気があるのか、疑わざるを得ないのも事実(笑)。

*2:実際、ユーチューブで昔のタニムラのCMを見て、谷村有美のライブDVDを買いに行くおバカもここにいるわけだし(苦笑)。