自民党の新総裁が決まった直後に携帯電話を取り出して写真撮ってた議員さんたちには、とりあえず“逝ってヨシ”*1とでも一言言ってやりたいところではあるが、投票結果自体は穏当なもので、それなりに評価できるところだと思う。
今は「太郎、太郎」と持ち上げているメディアも、彼がひとたび一国の宰相の地位に付けば、一言一句に容赦なく罵声を浴びせるのは目に見えていたのであって、政権防衛と無駄な「政局」の回避に主眼を置くなら、福田康夫元官房長官に一票を投じるのが合理的な行動というもの。
これで、党務と次の選挙に向けた組織固めを「麻生太郎幹事長(続投)」に任せて、手堅い政策運営に邁進できるようであれば、名宰相への道も開けるのだろうが・・・。
これまでにも書いてきたように、自分は自民党は嫌いだが、「政権取るためには何でもあり」の今の民主党に政権をとらせるくらいなら、このまま自民党政権が続いた方が数段マシだと思っている。
90年代半ば、新生党→新進党と改革の旗印を掲げて見得を張っていた政党の工作員たちが、甘言に載せられて集まった若者たちに何をさせていたか・・・。当時見聞きした話を思い返すだけで反吐が出る*2。
そして、そんなアホな政党の真ん中にいたのは、紛れもなく今の民主党の代表者なのだ。
「古い自民党」に郷愁を抱く輩ならまだしも、未だに“何か変えてくれる”的な幻想を、今の野党第一党の代表に抱いている者がいるなら、「はよ現実を見ろ」と言うほかない。
個人的には、今の政治情勢は、89年の参院選で自民党が大敗した直後に極めて似ているように思えるし、新総裁の姿は当時の海部新総裁のそれとかぶって見える。
もちろん、新総裁の党内での権力基盤(少なくとも派閥単位で見れば)や政治家としての格(ただし官房長官以外の閣僚経験がない点に関しては、現職のボンボン首相と変わらないのだが・・・)など、異なる点はいくつかあるにしても・・・だ。
短命政権と思われた海部内閣は思いのほか長続きしたし、政権交代近しと思わせた躍進野党がその後どういう運命を辿ったか、は、あらためて説明するまでもあるまい・・・。