天下り

かねてから騒がれていた政府系金融機関のトップ人事。
結局、伊藤忠商事前会長の室伏稔氏を新総裁に、
財務相前次官の藤井秀人氏を副総裁に、という人事で落ち着いたようだ。


政権が変わったこともあって、予想されていたそれに比べると落ち着いた人事になった点のは確かだし、来年の民営化を控えてある程度「目玉」になる人が必要だったのだろうから、こういった大物人事も理解できなくはない。


しかし、これだけの騒ぎの中で、「内部昇格」という選択肢を全く与えられなかった組織の中の人々は今頃どんな気分でいるのだろうか?


官僚が政府系法人のトップに就くことには妙に批判的なメディアも、民間の企業経営者が政治任用されることについては、えてして寛容だ。


だが、官だろうが民だろうが、空から“偉い人”が降りてくることに変わりはない。


組織の内側を知らない、現場を経験したこともない人間がトップの椅子に座ることには何ら変わりがないのであって、中の人々にとって見れば、そんなに変わるものではないはずなのである。


かの組織に、優秀な人間も大勢いることは重々承知しているだけに、筆者としては、民営化を契機に、「トップに官を持ってくるか民を持ってくるか」なんて不毛な話題が出ることもない、自立した組織になってくれることを切に願うのみである。

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