仕事を抜け出して、いざ聖地・国立競技場。
五輪切符を決める大一番を見に行ったは良いが・・・。
少なくとも自分がこれまで見た日本代表(世代問わず)の試合の中では、一番酷い試合だった*1
唯一光っていたのは金髪の王子、柏木陽介選手だけ。
冷や冷やさせる場面をところどころで演出しながらも、最後まで無失点で切り抜けたDF陣はまだ評価できるが、それ以外の選手と来たらまるでいいところはない。
自陣からの簡単なパス交換でムザムザ相手にボール渡してみたり、相手ペナルティエリア内で目の前に転がってきたボールをありえない方向に蹴り上げてみたり*2・・・。
ホームで、引き分ければ五輪出場が決まる、という状況。
とくれば、専守防衛に徹しても不思議ではないところだから、ある程度消極的な試合展開になるのは覚悟していたのだが、前半は序盤の相手の猛攻に腰が引けたのか、あるいはあまりにつながらないパスに嫌気が差したのか、これは別のスポーツか、と疑いたくなるようなロングボール(しかもさほど屈強とも思えない相手DF陣に跳ね返される)の嵐。
後半もようやくリズムを掴みかけていたのに、どうにもこうにも最後の決定打が打てないままに、終盤にかけてまた冷や冷やの展開に持ち込まれる*3。
寒さが堪えたのか、今一歩動きに精彩を欠いた感のあるサウジアラビア攻撃陣の詰めの甘さに救われたものの、負けゲームになっていても決して不思議ではなかった展開。
水野にしたって、本田にしたって、Jリーグの試合の方が数段いい動きを見せていたのは間違いなくって、プレッシャーとか戦術、という言葉だけでは説明できない、このチームの“寒さ”をどう表現したらいいのか。
4年前、山本昌邦監督が率いたアテネの代表組が谷間谷間と叩かれていたが、それでもあのチームには闘莉王や田中達也といった熱いハートを感じるタレントがいたわけで、それすら伝わってこない今回のチームと来たら・・・
・・・といったようなグチを、千駄ヶ谷駅に向かう道すがら、どれだけ耳にしたことか。
こんなメデタイ日に、これだけ苦言を浴びる代表チームもそうそう現れるものではないだろう、と思う。
もっとも、この世界、どんなにいいサッカーをしていても、結果を残さなければ何の意味もない。そして、逆に言えば結局は「勝てば官軍」。
五輪本番でグループリーグを突破するためには、大幅な血の入れ替え*4も含めた大刷新を断行する必要があるだろうが*5、アトランタから受け継がれてきたタスキを途切らせることなくつないだこと自体は、賞賛しなければならないだろう。
あと9ヶ月で果たしてどこまで進化できるのか。
あまり期待せずに見守ることとしたい。