山口俊夫氏(やまぐち・としお=元中央労働委員会会長、東大名誉教授)
12日肺気腫のため死去、79歳。
専門は労働法とフランス法。
氏のお名前を聞いて、フランス法の第一人者としての業績を思い浮かべるか(↓のような著作も残されている)、それとも中労委を思い浮かべるか、は人それぞれであろうが、まずは心よりご冥福をお祈りしたい。
- 作者: 山口俊夫
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2002/03/01
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なお、ここのところ、不競法改正のたびに話題になっている営業秘密保護、特に競業避止義務の問題を本格的に論じたのは、筆者の知る限り、山口名誉教授が最初ではないかと思う*1。
フランス法の先生が議論の土台を作って論じられてきた問題を、米国的なトレードシークレット保護法制でカバーしようとしたところに、現在に至るまでの議論の混乱の遠因があるような気がしてならないのだが*2、その話題は今日のところは差し控えることにしたい。