元々、季節に合わせたイベント、というのが嫌いなたちなので、あと数時間で始まる新しい年も部屋で静かに迎える予定である。
近所のスーパーがこぞって元旦お休みだったり、喫茶店が半ドンだったりするのは不便だが、人が少ない都会の清々しい空気を一度味わってしまうと、「年末だから」という理由だけで帰省する人の気がしれなくなる(とまで言ってしまうと、言いすぎかもしれないが)。
・・・という話題はさておき、今年の大晦日は、珍しく紅白歌合戦を見ている。
ここ数年、あれほどケチョンケチョンに蹴飛ばしていたチャンネルにあわせているのは、いまさら“日本の文化”に目覚めたから、というわけではなく*1、鶴瓶師匠が何をしでかすか見たいわけでもなく、あくまで、民放各局の番組と比べてみての消去法的選択に過ぎないのだが、それでも自分らの世代には嬉しい、あみんや寺尾聰や米米CLUBの“復活”があったり、「ハナミズキ」→「千の風」と続いて喪明けの吉田美和に歌わせる奥の深い(見方によっては悪趣味だが)演出が凝らされていたり、と*2、例年よりは期待させてくれるのは確かで。
特に、槇原敬之が「どんなときも」以来の出場、というのは嬉しい。
彼の曲を聴くと、どうしても10数年前のくすんだキャンパスの色を思い出してしまうので、ここ数年遠ざかっていたのだが、去年偶々CDショップで手に取ったアルバムを衝動買いしたのをきっかけに最近、また聞くようになった。
LIVE ALBUM cELEBRATION 2005~Heart Beat~
- アーティスト: 槇原敬之
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/03/15
- メディア: CD
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フル・オーケストラのボリューム感もさることながら、薬物問題でフェイドアウトしたアーティストが心の底から復活した歓びを表現している、そんな思いが伝わってきて、一度聞いたレコーディングバージョンと比べても、より味わい深いものになっている。
人生、挫折なんて知らずに生きていければ、そんな幸せなことはないのかもしれないが、どん底に落ちてもがいてる過程で見えてくるものもあるし、自分自身長い“潜伏期間”の中で拾ってきたものがたくさんあって、今、それなりに実績を挙げられている(もちろん会社という狭いフィールドの中の話ではあるが)背景には、そういったものがちゃんと生きているのは紛れもない事実である。
そして、もう一つ・・・。
人生は短く、あっけない。
今年の初めに年賀状をもらった方のうち、お二人の方が、既にこの世を去っている。
1人は突然の病に倒れ、1人は自ら命を絶った・・・。
かくいう自分も、「THE END OF THE WORLD」をぼんやりと聞いてた“ひきこもり時代”に、10年後この世に生きてる自分を想像することなどとてもできなかった(10年前といわずとも、つい最近まで、1年後どころか明日前を向いて歩いている自分を思い浮かべることすらできなかった瞬間が多々あった)。
「生きている」というより、なんだか良く分からない見えない力によって「生かされている」という思いすらする今日この頃。
どん底の状態で、息苦しくなるまで追い詰められて、初めて人は生きることと死ぬことが背中合わせだ、ということに気が付くのかもしれない。
そして、もしそうだとしたら、そのことに気が付いただけでも自分は一つ得をした、と思うのだ。
そこにはないと決めつけて 見ようともしなかった場所に
大切な宝物があると気づいた
そこにはないと決めつけて 見ようともしなかった
自分の心にみつけた 暗闇に灯をともすんだ
♪「GREEN DAYS」詞・NORIYUKI MAKIHARA
去年の大晦日に、1年後自分が東京にいるなんて想像だにしていなかったし(苦笑)*3、来年の今頃は日本のどこかでハローワーク通いしてたり、なんてこともあるのかもしれないが、それでも目の前の道を一歩一歩歩いていけば、最後は何とかなる、それが緑色の道だろうが、青色の道だろうが、道なき道だろうが・・・。
そう信じてやっている。
最後に、
このブログを読んでくれる全ての人にとって、そして何よりも自分自身にとって(笑)、2008年が良い年になることを願いつつ、『企業法務戦士の雑感』2007年版の幕を下ろすこととしたい。
*1:そもそもあれが文化か、という突っ込みも当然予想されるところだ(笑)。
*2:詳細は、NHKサイトの曲順紹介参照。http://www3.nhk.or.jp/kouhaku/syutuen/kyokujyun.html
*3:紛れもなくこれも一つの“挫折”だ・・・