新たな一事例?

てっきり巨人から古巣・オリックスに復帰すると思っていたジェレミー・パウエル投手が、いつのまにかソフトバンクと契約。ゆえにこうなる。

ソフトバンクが前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)との契約合意を発表したのを受け、すでに11日に獲得を発表していたオリックスは優先権を主張、29日、パ・リーグに異議申し立てを行った。」(日本経済新聞2008年1月30日付朝刊・第37面)

記事によると、ソフトバンクが、「統一契約書への署名、押印を済ませている」と主張しているのに対し、オリックス側でも「ファックスで自筆の署名入りの統一契約書を受け取っていた」と主張しており*1、双方一歩も譲る気配はない。


普通に投げれば二ケタ勝利も期待できるピッチャーだけに、両球団が血眼になるのは分からないでもないが、いずれにせよ、近年では極めて珍しい事例だといえる。


契約成立の先後、署名の効力等々、いろいろと争うべきところは出てくるだろうし、代理人が絡んでいれば(ソフトバンクの主張によれば、契約に「押印」したとあるから、国内の代理人が絡んでいるんじゃないかと推察される)、そのあたりの問題も出てくるのだろうが、筆者自身は、

「債権侵害による不法行為

の類型を思わず思い浮かべて、「おおこれは新たな一事例〜」と胸をときめかせていたり(笑)もしているところである。


オリックスソフトバンクが、選手の保有権をめぐって法廷で争うようなことは、普通は考えにくいのだけれど、どっちも親会社は強気でならす企業だけに、本気になったら面白い。

*1:ただし、獲得を発表した11日よりも後の22日、とされている。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html