男女賃金差別に対する違法判断

最近労働関係でトピックになる判決が目立つが、これも結構重要な意義を有する判決ではないかと思う。

「女性であることを理由に賃金差別を受けたとして、兼松の女性社員ら6人が同社に差額賃金や慰謝料など計3億8400円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁の西田美昭裁判長は31日、「男女の賃金差別を継続したのは違法」として、請求を棄却した一審・東京地裁判決を取り消し、4人について計7250万円の支払いを命じた。」(日本経済新聞2008年2月1日付朝刊・第43面)

これまで相当露骨な賃金・昇格差別でも、「公序」の壁に阻まれることが多く、上級審レベルでの救済事例は限られていたと記憶していたのだが、今回上記のような判断に至ったのは、

「兼松では事務職の女性社員が定年まで勤めても一般職の社員の27歳の賃金に達しなかった。」

という極端な露骨さゆえなのか、それとも差別が雇用機会均等法の本格施行後も長期にわたり継続していた、と言ったような事情があったのか(この点については記事に時期的な記載がないため何とも言えないが、推測される提訴時期等を勘案すると、比較的最近までこの運用が継続していたのかなぁ・・・と思ったりもする)、細かい事情は分からないが、高裁レベルで地裁判決が労働者側に有利にひっくり返った、という点でも、極めて興味深い事案であるのは間違いない。

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