不服審判見直し

最近「不服審判」というと、独禁法公取委)絡みの法改正の話題が騒がしいのだが、特許庁が抱える「不服審判」の方でも見直しの話が進んでいたようである。


もっとも、こちらは行政審判制度の本質を揺るがすような話ではなく、あくまでテクニカルな次元の話。

「政府は1日の閣議で、特許権の取得が認められなかった場合に、出願者が特許庁に不服審判を請求できる期間を、現行の30日以内から3ヶ月以内に延長するなどの措置を盛り込んだ特許法等改正案を閣議決定した。」(日本経済新聞2008年2月1日付夕刊・第2面)

記事の中では、

「不服審判を請求するかどうかの判断に十分な時間を与え、出願者の権利保護を強化する狙い」

とあるが、特許庁の本音を読み解くならば、

「3ヶ月やるから、頭冷やしてよく考えろ!」

ってところなんじゃないかと思う(笑)*1


現行制度の下での拒絶査定後の「30日」という期間は結構短いという印象があって、査定が来てから弁理士との打ち合わせで1週間、社内調整だけで2週間、と日を費やしてしまうものだから、よくよく費用対効果を検証しないまま、“とりあえず審判で”という処理をしてしまうことも決して珍しいことではない*2


前置審査で寝かされているものだけでも相当な数に上ることを考えれば(その上、近年知財高裁第3部から緻密な審決を求めるプレッシャーがかかっていることも合わせて考えればw)、企業側にもっと自重を!と求めたくなる気持ちもわからないではないが、締め切りが近くならないと動かないのが人間の性であることからすれば、そんなに大きな影響はないのでは・・・?と疑問符を付けたくもなるところ。


補正期間を

「拒絶時から3ヶ月以内」

に延長する改正と合わせ、果たして今後の審査動向にどのような影響が出てくるのか、注視する必要があるように思う。

*1:外国からの出願人を除けば、特許出願人が期間延長によって「権利保護が強化」されるという恩恵をあらためて味わえることになるとは考えにくく、上記のような公式な理由付けには若干疑問がある。元々拒絶不服の申立だけ行って理由は後から追加する、という常套手段で、「30日」以上の時間は稼げていたわけだし(法改正に伴って運用を若干厳しくするにしても、完全に追加提出を封じるわけにはいかないだろうから、そうなると、よりのんびりとしたペースで審判手続が進んでいくことになる。

*2:もちろん審査経過からある程度前もって予測しておくことは可能なのだが、同時並行して軽く数百件は審査にかかっていたりすることを考えると、1件1件について、そんなに緻密なスケジュールを立てられるはずもなく、結局は査定が来てから動きはじめるのが常である。

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