欧州委員会の暴走

最近は少々デカイ制裁金のニュースが出てきても驚かなくないのだが、相手がマイクロソフトとなると、さらに桁一つ違ってくる。

欧州連合EU)の欧州委員会は27日、米マイクロソフトEU独占禁止法違反問題で、同社に8億9900万ユーロ(約1440億円)の追加的な制裁金を命じた。EU独禁法違反をめぐる単独企業への制裁金では過去最高。技術情報開示などを求めた2004年の是正命令を同社が昨年10月までに順守しなかったことに対する制裁で、独禁法違反に対するEUの厳罰主義が鮮明になった。」(日本経済新聞2008年2月28日付朝刊・第1面)

全盛期のマイクロソフトが、OS市場での独占的地位を生かしてあくどい囲い込み戦略を駆使していたのは事実だろう。


だが、時代の移り変わりは激しく、近年ではその足元も揺らぎつつあると囁かれている今、3年前の処分に未だに固執し、巨額の制裁金を正義の鉄槌の如く振りかざす欧州委のやり方が、果たして妥当なものといえるのだろうか?


カルテルの認定の仕方一つとってみても、本来の競争法の目的を超えて、自己の“思想”を押し付けようとしているのではないか、と錯覚してしまうような欧州委員会の暴走が目立つ今日この頃。


これに比べればわが日本での公取委の活躍などさしたるものではない、というべきなのかもしれないが、公取委とて自己の存在感上昇を志向するあまり、“気が付けばヨーロッパ流”なんてことにならないとも限らない*1


「木を見て森を見ず」の弊に陥らないよう、今後の動きをしっかり注視していく必要があるのではないかと思う次第である。

*1:というか欧州委の過激さが目立つようになったのはほんのここ何年かの話で、それまでは専ら北米大陸が業界の話題の中心にあり続けていたことを考えると、次の主役をこの日本が奪っても不思議ではない(苦笑)。

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