ファンタスティック・ストックマーケット

毎日の株価の変動には比較的鈍感な筆者ではあるが、それでも最近のジェットコースターのような市場を見ると、頭が痛くなる。


サブプライムの傷だの、国内の景気後退サインだの、といった株価を不安定にする要素があるのは分かるにしても、実際の業績動向にかかわらず売り込まれたり、逆にどうでもいいサインに反応して急騰したりする銘柄が多いものだから、余計に素人には手を出しづらい状況だといえるだろう。


長期的な視点で見れば、何だかんだいって国内需要の底は固いと思うし、今騒がれている問題が国を滅ぼすほどの致命的なものだとは到底思えない。


その一方で、よっぽど悪質な錬金術でも使わない限り、これだけ成熟した社会で爆発的な利益を上げるビジネスの種なんて、そうそう見つかるもんじゃない。


だから、こういう時期は、目先の株価に一喜一憂しないで、大人しく資産を寝かしつけておくか、底値狙いで未来の優良資産を膨らませておくのが得策だと思う。


だが、それを頭では分かっていても、真っ青になった株価ボードにパニックを起こして、思わず売り注文を出してしまう人は決して少なくないはずで、そんな心中を察すればそれを一概に責めるわけにもいかないだろう。


市場というのが人間の心のアヤで成り立っている代物である以上、ファンタスティックな株価変動もいわば必然的に生じるうるわけで、それを無理やり押さえつけようとすれば、自由な「市場」そのものが失われてしまう。


それゆえ、頭を痛めつつも、嵐が過ぎ去るまでは・・・という思いで見つめている人は多いと思うのであるが・・・。



定期預金で財産が作れた幸福な時代を羨んでも仕方ない。


それに、端から見ている限り、恐怖以外に何もないようなジェットコースターでも、乗ってみれば案外快感だったりするものだ。


のるかそるかで、アップダウンを繰り返すファンタスティックな旅を楽しんでみよう・・・。


そう思えるようになって初めて、この不確実な時代に、個人投資家として市場に参加する資格が与えられるんじゃないか・・・そんな気がしている。

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