最近新聞を開くと、○年ぶりの円高、○年ぶりの株安、と「ぶりぶり」見出しが躍っているのを見かけることが多い。
朝刊では、「社長百人アンケート」*1で「景気悪化」と答えた会社が「23%に急増」した、なんてことが書かれているし、政治の世界では自民党と民主党が、日銀総裁人事とガソリン税を燃料に、にらみ合ったまま壮絶なチキンレースを続けている*2。そしてそんな中、海の向こうのサブプライム破綻の連鎖は、月末に向けてさらに加速しようという勢い・・・
なんていうニュースばっかり見ていると、「世の中お先真っ暗」なんて錯覚にも襲われてしまいそうになるものである。
だが、本当に今の日本の状態はそんなに悪いのか?
北米市場に依存している会社などは、円高で決算数値に多少は影響が出ることになるだろうが、内需メインの会社には大して影響はない。
素材価格が高騰している折、輸入価格の実質引き下げにつながる円高傾向が、“カミカゼ”のように感じられる会社も決して少なくはないことだろう(もちろんそれは消費者にとっては同じだ)。
日銀総裁が誰になろうが、公定歩合の上げ下げで匙加減を図るような“裁量”を与えられる余地は(客観的に見て)存在しないのだから、1年、2年の空白ができたって、国民の生活に何ら支障を及ぼすものではない(というと少し言い過ぎかもしれないが)。
バブル後の雰囲気がそうだったように、良くないニュースのケバケバしい見出しに毎日晒されていると、客観的に見ればどう見ても大丈夫だろう、ということすら信じられなくなってしまって、懐に余裕があるときでも、思わず財布の紐を締めてしまう・・・。
そんなスパイラルが、結局は給料袋の中身に跳ね返ってきて、自分の首を絞めることにもつながってしまうのだ。
病は気から。
本当の病気を「気から」、で片付けてしまうのはいささか躊躇せざるを得ないが、こと「景気」に関して言えば、まさに「気(分)」だけでどうにかなってしまうもので*3、景気後退を示唆する新聞見出しに流されず、わが道を進むのが、こういうときにはベターだと言えるだろう。
壊れた相場だって、見方を変えれば底値買いのチャンス。ポジティブに考えるのが吉である。