今も昔も。

東大の入学式で安藤忠雄特別栄誉教授が、

「自己を確立しない限り、独創心は生まれない」
「自立した個人をつくるため親は子供を切り、子は親から離れてほしい」

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20080412-347188.html

と、「過保護な親子関係」に苦言を呈したことがいろいろと話題になっているのだが、
「大学の入学式に親が来るなんて!」というのは、筆者がちょうど大学の入学式を迎えようとしていた10数年前から問題になっていた話で、何をいまさら、という感がしないでもない。


「最近の若者(とその親)は・・・」というありがちな文脈で批判の俎上に上がった光景は、長い歳月を経て春の風物詩として定着していたし、それは別に東大に限った話ではない*1


もちろん、安藤先生の若い頃であればそんな光景はなかったのだろうし、発言自体は至極もっともだと思うのだけど*2、いつまでも昔の感覚でお話をされていると、恒例の「東大生は・・・」論と結び付いてメディアに変な取り上げられ方をされてしまうことに、もう少しご配慮いただきたかったなぁ・・・と思う。


なお、筆者の場合、前にも書いたように入学式に対して前向きな感情を抱いていなかった上に*3、家族仲も最悪だったから、入学式に親を呼ぶなんてとんでもない、といったところだったのだが、当の親自体、入学式のお知らせに招待券が同封されているのを見て、

「何これ?親も来いってこと? T大って、お節介にもほどがあるわねぇ(笑)」

と囁いていたから、誘っても来たかどうかは怪しいものである*4

*1:早慶のような有名私大はもちろん、地方の国立大などでも、親が付き添いで来るのは決して珍しくないはずだ。

*2:もっとも親から離れれば「自立」できるってものでもない。今振り返れば、単に親に依存していないというだけで、他のモノ(人)に依存していたのが10代から20代にかけての自分だった、と思うだけになおさら。

*3:何が変わったわけでもないのに、周りが騒ぐのを一番苦々しく眺めていたのが誰あろう自分だった。

*4:元々中学校の入学式からして、校門の前まで見送って終わり、だった苦い思い出がある。

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