引き際の難しさ

柔道の全日本選手権で、鮮やかに散った井上康生選手。


筆者自身、悲劇の前年の世界選手権(@大阪)で、彼が難なく優勝を遂げたのを目撃していたこともあって、こういうニュースを耳にすると何とも寂しくなる。


仮に代表切符を勝ち取っていたとしても、世界の舞台であの「内また」がもはや通用するとは思えないし*1、日本柔道の将来を考えると、新鋭・石井慧選手に経験を積ませたほうが良いのは分かりきっているのだけれど、シドニー五輪で圧勝して以降、しばらく「飛ぶ鳥を落とす勢い」だったのがいまだ記憶に新しいだけに(少なくとも自分の中では)、もっと美しい形で畳を去らせてあげたかったなぁ・・・と思えてならない。



それにしても、柔道の五輪代表選手選考における「男子」と「女子」の選考基準のギャップと来たら・・・


同じ種目でこれだけ違いが鮮明になるのも珍しい。


「国際大会に強い(外国人選手に勝てる)」という共通の題目を掲げながらも、「目下の勢い」を優先した感のある男子(ゆえに野村忠宏選手も棟田康幸選手も落選)。


一方で、選考大会の結果にかかわらず、これまでの「実績」を最優先した感のある女子。


北京でどちらが結果を出すかによって、(柔道にとどまらず)今後の選手選考に大きな影響を与えるのは間違いない。


時代の趨勢を考えると、男子の選考基準の方が、理に適っているような気がするのであるが、それをひっくり返せるのは、やはり「ママでも・・・」の人しかいないだろうと思っている(苦笑)。

*1:現に全日本でも高井洋平選手に見事に返されてしまった・・・。

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