買収防衛策500社突破へ

・・・だそうである*1


最近は、資生堂をはじめ、どちらかと言えば買収防衛策を「廃止」する会社の方が目立っていたから何となく意外な気もするのだが、ペンタックスや旧電源開発のニュースなどを見てしまうと、どうしても“甘い蜜”にすがりたいと思う経営者も出てきてしまうのだろう。


個人的には、「保身」目的以外の理由で導入される“買収防衛策”なんてあり得ないと思っていて、「企業価値が毀損されないように」等々のどんなに立派な名目を掲げたところで、本音を探れば結局は、

「自分達が育ってきた会社が見ず知らずの他人のモノになってしまうのは嫌!」

という理由に落ち着くのではないかと思う。


「株主利益の最大化」を第一に掲げる会社法原理主義者から見れば、けしからんことこの上ない現象、ということになるだろうが、この国で上場しているような大企業のサラリーマン(経営者含む)の多くは、自分の会社(ないし自分の会社のグループ会社)でしかメシを食ったことがない(&食い続ける予定しかない)わけで、彼らが自分達のコミュニティの保全に走ったとしても、それを一概に責めることはできないだろう*2


まぁ、「買収防衛策を導入した方がいいですか?」と、大手ローファームだのコンサル会社だのに問えば、メリット・デメリットを挙げて悩んだふりをしつつ、最終的にはチャージが入ってくる選択肢(当然、「導入する」という選択肢)の方を推すことになるのは分かりきっているので、“時流に乗って”安易に防衛策を導入するのはいかがなものかと思うし、少なくとも自分が株を持っている会社には、

「買収防衛策で守りを固めた上に、安定株主対策にも走る」

なんて無駄なことはしてほしくない、と願っているのであるが・・・。

*1:日本経済新聞2008年5月13日付朝刊・第3面。

*2:しかも、そういった企業文化こそが日本の成長の源泉だと声高に語られていた時代も、つい何年か前まではあったのだ。