復活した「知的財産権研究」シリーズ

先日、100回記念シンポジウムも開催されたという「知的財産権研究会」。


中山信弘・前東大教授の数々の功績の中でも、ある種象徴的な存在となっているこの研究会から、10年ぶりに「知的財産権研究」(第5巻)が出版されるようである。


知的財産権研究 5

知的財産権研究 5


第4巻から実に10年のブランクを経て出版される今回の「知的財産権研究」の目次*1を見ると、「ときめきメモリアル」「FM信号復調機」といった今世紀初頭に世をにぎわせた最高裁判決から、「インクカートリッジ」、「まねきTV」というここ1,2年のホットトピックまで、まさにこの10年を象徴するかのような判決を素材とした論稿が並んでいる。


この10年で変わったのは発行元の出版社だけではなく(「東京布井出版」から「雄松堂&LEXIS・NEXIS」に)、「知的財産法」という法領域を取り巻く環境もまた、ドラスティックな変化を遂げている*2


上で取り上げた一冊から、そんな時代の流れを感じることができるのだろうか・・・?*3



(少し予定より遅れているようであるが)今は発売日を楽しみに待ちたい。

*1:http://yushodo.co.jp/press/ipresearch/index.html

*2:ちょうど10年前、筆者が大学を出てきた頃はまだ、小教室で「無体財産権法」が細々と講義されていただけだった、はずである。筆者自身、その存在を知ることもなくスルーしていた学生の一人であったのは言うまでもあるまい。

*3:以前のシリーズでは実務家が中心の執筆陣構成だったと記憶しているが、第5巻にはこれからの時代を担う若手研究者の先生方のお名前も多数連なっている。このあたりにも時代の変化が顕れているのかもしれない。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html