動き出す最高裁

昨年5月に近藤崇晴判事(裁判官出身)が就任して以来、長らく構成に変化のなかった最高裁だが、このたび、才口千晴判事の定年退官に伴う後任判事が内定した。

「政府は4日、来月2日に定年退官する才口千晴最高裁判事の後任に、弁護士の宮川光治氏の起用を内定した。」(日本経済新聞2008年8月5日付朝刊・第2面)

宮川弁護士は現在66歳。


おそらくは、若い方から数えて「三分の一」に入る「昭和17年生まれ」(あるいは昭和16年後半生まれ)に属される世代の方だけに、今後の最高裁判決の流れを考える上で、新判事がどのような価値観の持ち主なのかが、極めて重要な意味を持ってくるのではないかと思う(特に、在野法曹の出身にしては、比較的、従来型の多数意見に組することが多かったように見受けられた才口判事の後任となられるだけになおさらであろう)。


何事もなければ、これから、10月19日付で津野修判事(法制局出身、在任4年8ヶ月弱)、11月21日付で現長官の島田仁郎判事(裁判官出身、最高裁判事としては在任6年ちょっと)、そして、来年の1月24日付で、“あの”泉徳治判事(裁判官出身、在任6年3ヶ月弱)が、続々と定年退官を迎えられることになる。


米国ほど党派性は強くない、といわれるものの、やはり最後に最上級審の結論を左右するのが、「判事個人のパーソナリティ」であるのは間違いないだけに、一連の地殻変動のさきがけとなる、今回の人事の結果が注目されるところである。


なお、「法務研究財団法科大学院認証評価委員」という肩書もお持ちの宮川弁護士。


もう15年以上前になるが、久保利英明弁護士や那須弘平・現最高裁判事らと共著で、↓な本の執筆者にも名を連ねられている。




まさに「法曹」を取り巻く環境が激変しつつあるこの時代に、最高裁判事としてどのようなメッセージを残されるのか・・・。これまた注目に値する。

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