宮川・新最高裁判事の記者会見が行われた翌日、突如としてそのニュースは飛び込んできた。
「最高裁は4日、横尾和子最高裁判事(67)について、内閣に対し依願退官の手続きを取ったと発表した。最高裁判事の任期途中の退官は10人目。後任は未定。」
(日本経済新聞2008年9月4日付夕刊・第20面)
記事にもあるとおり、横尾裁判官は、現在の最高裁判事の中でもっとも在任期間が長い(6年9ヶ月)。
しかも、最高裁判事にしては珍しく、60歳をわずかに超えたばかりの若さでの就任だったこともあり、定年までの任期も、長い方から数えて15人中7番目、と、今後の最高裁の判例動向を占う上でカギとなると思われていた判事であった。
先のエントリー*1でも言及したように、先日退官された才口千晴判事に続き、これから津野修判事、島田仁郎長官、泉徳治判事と、年末から年始にかけて3裁判官が立て続けに退任されることが予定されている。
特に、これまで異彩を放っていた第一小法廷の泉徳治判事が抜けることで、近年の“積極的判決”がどうなるか・・・という点が気になっていただけに、同じ小法廷を担当してきた(しかも泉判事と並んで、“少数意見”を構成することが多かった)横尾判事の退官は、極めて大きなトピックになるのではないかと思う。
公式のコメントとしては、
「大法廷事件をはじめとする事件処理上の区切りもついた現段階で、重責から離れたい」
というご本人の弁が掲載されているが、真相はどうなのか・・・。
どうにもこうにも気になって仕方がない。
(追記)
5日付の夕刊で、政府は、後任の最高裁判事に旧労働省女性局長の桜井龍子氏(61)を任命する予定であることが発表された。
随分てぎわが良いというか何と言うか・・・。
これまで行政官として、実績を積んでこられた方なのだろうし、選ばれたご当人にケチを付けるつもりはないのだが、どうも人材供給源が固定化してるなぁ・・・と感じるのは筆者だけだろうか?